フィルムのこと

2024年1月 6日 (土)

クラシッククロームのコダクローム感。(笑)

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富士フィルムさんのフィルムシミュレーションの中にはリバーサルフィルムをお手本にしたものがいくつかあるのですが、フィルム時代にはリバーサルフィルムばかり使っていたオジサンには、どれもできが良くてデジタルでこのテイストを楽しめるのが富士フィルムさんを使う理由でもありますな。で、その中の「クラシッククローム」について書かせていただこうかと。
オジサンは普段、ブラケティング撮影にフィルムシミュレーションを設定していて、1回シャッターを切れば同じ構図と露出でフィルムのテイスト違いの3カットが撮れるようにしています。
結果的に撮影数は3倍に増えてしまうのですけど、RAWで撮って後から画像処理という撮り方をせず、JPG撮って出しなオジサンには、たとえ大量になっても後からセレクトしてOKカットだけを残すほうが、フィルムで撮っていた時の感じに近くてイイのですな。

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フィルム時代はリバーサルフィルムの「Velvia」が常用だったのでまずコレが基本、白黒も好きなので「ACROS」でも撮っておきたいなと。で、残ったあと一つのブラケティング撮影にどのフィルムシミュレーションを割り当てるかなのですけど、クラシッククロームを選んでいます。
同じリバーサルフィルムの「PROVIA」や「ASTIA」も選べるのですけど、クラシッククロームの雰囲気とテイストが好みなのですな。

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富士フィルムさんのHPによるとクラシッククロームって「20世紀のグラフジャーナル誌に使われた写真のような色再現を目指したフィルムシミュレーションです。彩度は低め、暗部の諧調を硬めに設計されており、ドキュメンタリータッチでリアリズムを求める写真を撮る際などに最適です。」となっています。
オジサンは初めてクラシッククロームで撮ったとき「これってまさしくコダクロームですやん」って思いました。(笑)
富士フィルムなので競合するコダックの製品名は口が裂けても言わないと思いますから「20世紀のグラフジャーナル誌に使われた写真」なんていい方をしてますけど、オジサンの印象はあの名フィルム「コダクローム」の落ち着いた渋い色調を思い出させる印象でした。
この20世紀のグラフジャーナル誌ってズバリ「LIFE誌」のことでしょうな。ハッキリとは言わないでしょうけど、間違いないと思いますよ。(笑)

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コダクロームは外式フィルムと言われる種類のフィルムで、現像には時間もかかり高かったので数回しか使ったことがないのですけど、内式フィルムとは全く違う、渋くて鈍い感じの濃厚な色調はハッキリ覚えています。その頃のカメラやレンズのカタログに載ってた、プロの作例もコダクロームが多かったですな。
なので富士フィルムさんのフィルムシミュレーションがこれを手本にしていることは間違いないかと、コダクロームを使ってたり知っている方で同じ印象を持たれた方も多いと思います。(笑)
生産終了からもう何年も経ってる伝説のフィルムですけど、このテイストがデジタルで楽しめるのはホントありがたいとしか言えませんよ。

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2023年11月19日 (日)

フィルムスキャナを手本にデジタイズ。

その昔フィルムで撮った写真をパソコンで扱おうとすると、フィルムスキャナしか手がありませんでした。今ならデジカメを使ってデジタイズが一番手っ取り早い方法でしょうけど、その頃はデジカメがまだ無かった時代。
オジサンもフィルムスキャナはミノルタ、キヤノン、エプソンと色々使いましたよ。35mmフィルムは最終的にニコンのSUPER COOLSCAN 4000EDで完結。高かったけどホント良いフィルムスキャナで、これでスキャンしたデータは今見ても全く遜色ありません、だけど使いすぎてある日突然お亡くなりに。
その後2000万画素を超えるデジタル一眼で複写すれば十分なのが分かって、EOS 5D MarkIIにEF100mmF2.8マクロレンズでデジタイズ。RAWで撮って現像処理でフィルムの感じに追い込むって流れでやっていたのですな。コレもねぇ結構いい線行くのよ。(笑)
で、2018年にEOSから富士フィルムさんのXシリーズに乗り換えました。それまでEOSに慣らされてたのが、富士フィルムの写り具合を見てビックリしましたな、すごくフィルムっぽいって思いましたよ。
で、それまでのRAWで撮って後処理って流れにサヨナラ、JPGオンリーになりました。(笑)当然フィルムのデジタイズも同様、後処理なしの一発撮りでフィルムテイストを再現する設定に見直したのですな。
普段の街撮り設定のままでフィルムをデジタイズすると、全くキレイに複写できません。一度フィルム上に定着した写真をもう一度デジカメで複写するわけですから、元のフィルムに引きずられコントラストは高く、シャドーやハイライトは潰れて、色合いも派手でギトギトなのですな。さらにフィルムにはちゃんと写っているものが再現できてなかったりします。
ところが画質に関する各種設定を変えてやると劇的に良くなるわけで。なのでその設定をカスタム登録してすぐ呼び出せるようにしています。
普段お家フォトに使っているのはもう古い機種のX-T30で、デジタイズ用の設定は感度はAUTO3(上限ISO3200)、これはダイナミックレンジの400%を使いたいため。ISO感度640〜12800の間じゃないと400%に設定できないのですな。
次にフィルムシミュレーションはスタンダードなPROVIA、ホワイトバランスはライトボックスまたは晴れた日の自然光で撮るので太陽光、さらにハイライトトーン、シャドウトーン、カラーはそれぞれ-2に設定。白飛びや黒つぶれ、不自然に派手な色合いにならないように試した結果これに落ち着きました。
他にはオジサン的には必要が無いと思ったものはOFFもしくは設定を0に。具体的にはDレンジ優先、グレイン・エフェクト、カラークローム・エフェクトはOFF、シャープネス、ノイズリダクションは0に設定しました。

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これでデジタイズしたのをニコンスキャンでスキャンしたものと比べるとお分かりいただけるかと、街撮り用の普段の設定のままで撮ったのと比べると別物。完全一致はしませんが、一発撮りでこれぐらいまで寄せられれば後の補正も楽になります。
なのでフィルムが持ってる情報と言いますか写っているものを、白く飛んだり黒くつぶれたりしないように、ダイナミックレンジを広げた設定がデジタイズに向くような気がします。

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2023年10月21日 (土)

フィルムの終活というよりも、終わらせることに。

フィルムって値上がりで買えないどころか、品物も潤沢じゃないみたいで、買いたくてもモノが無いってネットで見かけましたけど、実際のところどうなんですかね。
思えばヨドバシのフィルム売り場で買い物カゴ片手に、手にとって品定めして買ってた時代があったなんて、もはや遠い昔話になってしまいましたな、令和時代に誰にも通じないかと。(笑)
普段立ち寄るカメラ屋さんも、種類が全然無くて選んで買うなんてできない状況になってます、隅っこの方に3種類ぐらいがちんまりと並べてあるという有様。
しかもカラー&白黒のネガフィルムばかりで、オジサンの好きなリバーサルフィルムは皆無でしたな。ま、置いてくれてたとしても高すぎてもう買えませんけどね、現像代も含めたトータルコストを考えると手も足も出ませんよ。

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どんだけ高くなろうが俺はフィルムを見捨てねぇなんて美しいことは言いません、今まで十分すぎるぐらい使い倒してきましたからね。なので「もうフィルムはうんざり、勘弁してください、見たくもありませんし、もうたくさんですよ。」ぐらいの事は言っておきましょうか。(笑)
デジタルになる前はフィルムがなければ写真は撮れなかったわけですから、昼飯も食わずフィルム代に回していたこともありましたし、入り浸っていたカメラ屋さんで売ってた100フィート缶から巻き直した安売りフィルムを買い込んで撮ったりしてました。あの頃はデジタルなんて姿形さえ無かったですから、今のような状況になるとは想像も付きませんでしたよ。(笑)
オジサンが自腹で最初に買ったデジタル一眼レフEOS10Dは2003年発売ですから、その年に生まれた子供は今年二十歳ですよ。
物心付いた時にはデジタルが写真の主流、そんな世代が自分たちには未知の世界なフィルムを面白がってくれてるとはいえ、こう高くなるとフィルムへの興味は失速するのじゃないかと、もはや王族と富豪の趣味と言ってもいいぐらい手の届かない遠くへ行ってしまいましたからね。(笑)
オジサンも温存しているフィルムカメラでフィルムを楽しみながら、緩やかにフィルムの終活しようかなんて考えていたのですけど相次ぐ値上げにもう無理、終わらせることにしました。
サイズや種類も含めてたくさんのフィルムを様々なカメラで楽しんできましたから、その辺りの記憶や思い出はたくさんストックがありますし、このブログで沢山記事にもしてきましたけど、時代の流れともに写真を撮る方法のひとつが減ったのだと考えるしかないなと思っています。
この先フィルムを使うチャンスは有るのかなって考えると、限りなくゼロに近いけど完全にゼロじゃないつもりだったのですけどねぇ、もう潔く「無いですね」が正直な本音ですよ。

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2023年10月14日 (土)

フィルムカメラ気分をフジのカメラとあのレンズで。

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今どきは撮った写真をフィルム調に加工してくれるアプリなんてのが山ほどありますから、フィルムは楽しめなくてもフィルム調やフィルム風、フィルムもどきはいくらでも楽しめるわけで。
フィルムの装填や巻き上げ、巻き戻し、取り出して現像に出すというアナログな作法が味わえないですけどフィルムの雰囲気をデジタルで味わうことはできますな。
オジサンが使っている富士フィルムさんのカメラにはフィルム屋さんならではの画質モード「フィルムシミュレーション」が搭載されてます。コレが使いたくて富士フィルムさんを選ぶ方もいるぐらいですから、出来の良さはお分かりいただけるかと。

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オジサンもガッツリ使ってます。今日はリバーサルフィルムの感じで撮りたいだとか、ネガフィルムや白黒フィルムのテイストを楽しむなんてのが実際のフィルム名などで選べるわけですから使わない手はありません。
さらにこれをブラケティング撮影に設定しておくとワンシャッターでフィルムテイスト違いが3枚撮れるわけで。ブラケティング撮影ってのは、一度シャッターボタンを押すと、それぞれの設定値を変えながら複数枚連続で撮影できる機能で、これにフィルムシミュレーションから3つ選んで設定してます。

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オジサンはリバーサルフィルム好きなので、VelviaかPROVIAを基準にクラシッククロームと白黒のACROSの組み合わせや、Velvia、PROVIA、ETERNAなんて組み合わせも。
で、ネガフィルムは正直なところそんなに使ってこなかったのですけど、今どきのフィルム写真といえばカラーネガフィルムを指すことがほとんどだと思うので、ちょっとその気分を味わってみようかと考えて設定。(笑)

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せっかくですからレンズもそれに見合ったものをチョイスってことで、「Utulens APS」を持ち出しました。写ルンですのレンズをそのまま使って作られてる交換レンズなので、カラーネガフィルムのテイストを一番再現できるのじゃないかと考えたのですな。撮ってる感じはまんま「写ルンです」でした。(笑)
カメラはX-S10なのでネガフィルムのシミュレーションはPRO Neg.HiとPRO Neg.Stdにクラシックネガの3種類搭載されています。この3つを設定するも良し、他のフィルムシミュレーションと組み合わせるのも良し、その日の撮影に合わせて設定するわけで。

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さらにフィルム感を出すためにはグレイン・エフェクトというフィルムで撮ったときのようなザラつき感を写真に加える設定をプラスするのもいいかもしれませんな。オジサンは好みじゃないと言いますか、そこまでの必要を感じないので使ってませんけどね。(笑)

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後からの画像加工や処理じゃなく、撮る時の設定をできる限り写ルンですに近づけて撮ってみましたけど面白かったですよ。フィルム時代の交換レンズや、カラーフィルムが無かった頃のオールドレンズをフィルムシミュレーションと組み合わせてフィルムカメラ気分を味わうというのも面白いかと。
フィルムが高くなって、大富豪や王様、貴族の趣味に昇格してしまったので、庶民はこういう方法で楽しみませんとね。(笑)

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2023年6月18日 (日)

フィルムの値上げはもう他人事。

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ついこの間、富士フィルムさんが6月8日から写真フィルムとINSTAX“チェキ”など一部製品の値上げを実施したってお知らせがありましたな。
材料価格や輸送コストなどの高騰を、企業努力のみで吸収するのは無理ってことだそうですけど、そりゃそうだろうなって思います。フィルムはたくさんの化学物質が含まれてますからね、そういうものが手配できなくなったらアウト、メーカーがいくら頑張ってもどうしようもないでしょうな。
値上げ率を見てみると写真フィルムが約13〜88%だそうですけど、もう何も感じませんし一体いくら値上がりしたのかいちいち調べて「ひえ〜」なんて書きませんよ、オジサンにとってはもうすでに遠い所に咲いてる高嶺の花、生涯買えませんからね。(笑)
ニュースには原材料が調達出来なくて注文を一時停止していたカラーネガフィルムとリバーサルフィルムの注文の受け付けを6月12日から再開というのも出てました、そういえばよく行くカメラ屋さんでもネットでもフィルム無くなってましたな。
高くなって手が出ないわ、お金持ってても買えないわって、おいフィルムお前さんいつからそんなに偉そうなモノになったのなんて言いませんよ、悪いのはフィルムじゃなくてデジカメ、あいつのおかげでこんな事になっちゃったわけですからね。だけどそのデジカメもスマホにかじられて穴が空いてますな、ははは。(笑)
今回の値上げは急だったみたいで、ネットを見ると嘆きの声があちこちから上がってました。だけどまだ作ってくれるだけマシかと、こんなに製造コストが高くなったら生産終了しますよ普通。儲けどころか完全に赤字なのはお知らせの文面から滲み出てますし、他の事業が好調だから資金も回せるのだと思います。
金持ちの道楽レベルと言っていいぐらい割に合わない事業だと思いますけど、作り続けてくれてるわけですから感謝しかありませんよ。それよりもオジサンが気になってるのが現像所。
どんどん減っててこのままだとフィルムで撮ったものの現像に出せる所が無いなんてことにもなりかねません、リバーサルやモノクロ、中判サイズのフィルムは時間が掛かるとしても、一番ポピュラーなカラーネガフィルムも減ってますな。現像機を置いてて即対応してくれるお店が減ってる気がします、地元駅前で長くやってたお店も昨年なくなりましたし。
使ってやって消費量を増やすのが一番ですけど、高い、売ってない、お店もない、現像も出せないじゃどうにもこうにも完全に四面楚歌状況。
ちなみにやっぱり気になってヨドバシのサイトを見てみたところ、常用してたリバーサルフィルムが今年1月に書いた「さすがにもうフィルム無理かも。」って記事では「2,000円ちょいぐらいの値段」って書いてましたけど、今見たら3,960円だって!さらに現像代もかかるわけで。これはもうちょっとどころか完全に息の根止められた感がありますなぁ。

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2023年4月22日 (土)

これが最後のフィルム話?(笑)

古いものを断舎離していたら出てきたのが、昔の35ミリフィルムのケースやパトローネ。「サクラフィルム」なんてのも出てきましたよ。(笑)
若い方にはナンノコッチャかと思いますけど、現在のコニカミノルタのことで、今はコピー機などOA機器の会社という認識だと思いますけど、その昔はコニカってフィルムやカメラを作ってた会社とミノルタって関西のカメラメーカーだったのですな。それが経営統合で一緒になったので「コニカミノルタ」。
後にコニカミノルタのカメラ事業はすべてソニーに引き取られました。なので今はソニーの「α」ですけどその昔はミノルタの「αシリーズ」ってカメラで、交換レンズも含めた世界初のオートフォーカス一眼レフシステムでした。
当時(1985年)α-7000ってカメラが業界に与えた衝撃はすごくて、その後各社オートフォーカス一眼レフを発売しましたって、こんなの知ってる方ももう少ないのでしょうなぁ。(笑)
で、コニカは「小西六」って社名からで「桜」はブランドイメージだったのでしょうな、感光材料を作ってた工場は「六桜社」、フィルム名は「サクラ」、国産初のボックスカメラは「チェリー手提げ用暗函」って名前でしたからね。
そうそう
その昔35mmフィルムって12枚撮り、20枚撮り、36枚撮りが売られていたのですけど、20枚撮りを24枚撮りにしたのがサクラフィルム。
萩本欽一さんの
「4枚増えても値段は同じ、どっちが得かよ~く考えてみよう!」ってテレビコマーシャルが流行りましたけど、もう誰も知らないか。(笑)その後他社も追従、コダックも日本向けは24枚撮りで発売してましたな。

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掲載写真を見ていただければお分かりかと思いますが、出てきた古いフィルムは白黒フィルムが多くてね、名前に「〇〇PAN」って付いてるのがそれ。
サクラフィルムは社名が小西六だったので「KONIPAN(コニパン)」、フジフィルムは「NEOPAN(ネオパン)」社名が富士だから「フジパン」ではパン屋さんになってしまいますからね。(笑)
そもそもフィルム名に付いてるパンは「panchromatic(パンクロマチック)」の略、可視光線のほぼ全てに感光する性質のことで、その白黒写真乳剤が塗られたフィルムもそう呼びます。なので食べるパンとは全くの別物、当然ですが。(笑)
出てきた中でも古いものは、フィルムそのものから強烈な酢酸臭がしていて加水分解進行中の模様。このままでは外側にも影響が出そうなのでフィルムを取り出して処分、外側だけ保存することにしました。
本来のフィルムとしては古すぎて使えませんし、今はもう無くなったフィルムのパッケージですから、テーブルフォトの演出用品に使ってやるのが一番いいかなと思っていますよ。

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2023年4月 6日 (木)

フィルム劣化で見えてきたこと。

加水分解進行中で、酸っぱい酢酸臭がするフィルムを、片っ端からデジタル化しています。と言っても調べてみると、かなりの数がすでに終わっていたので、そこから漏れていたものをデジタルカメラで複写してデジタル化、ほぼ完了に近いところまで進みましたよ。
で、すでに済んでいるものを見てみるとニコンのフィルムスキャナ「SUPER COOLScan4000ED」で取り込んでましたな。調べてみると発売が2001年でその時買って、故障で使えなくなったのが2016年でしたから15年の長きに渡り活躍してくれたわけで、相当な枚数をこれでスキャンしたということ。
その後はデジタルカメラで複写するスタイルに変えました。2000万画素超えのカメラで複写したものは、もう十分すぎるクオリティーですからね。(笑)
で、必要なものだけを最短でデジタル化するために、酸っぱい香りのしているフィルムボックスを調べるといいますか、観察してみたところ、加水分解で劣化が始まっているのは全てネガフィルムだというのが分かりました。しかも雨樋のようにカーリングしているものほど、しっかりとした酢酸臭が漂い、ネガ袋にくっついて一体化しかかっているものもありました。

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ところがリバーサルフィルムは全く匂いもしませんし、カーリングもしていないというのを発見、どのリバーサルフィルムも全く問題なしなのを確認したのですな。
フィルムの劣化って見た目での判断するのは、カーリングしているかどうかが分かれ目って感じがしましたよ。なのでなぜかリバーサルフィルムでは起こってないのが不思議でしたけどね。
だけど劣化の始まっているネガフィルムと一緒にぶっこんでいると、影響を受けて良くないだろうと思い完全に分けました。日付順に入れていたのを、更にリバーサルとネガでフィルムボックスを完全に分けて保管することに。
一度加水分解の始まったものはどんなに完璧に保管しても、劣化は進行して後戻りできないですから、完全に隔離して少しでも劣化を遅らせるしか無いのですな。
なのでネガフィルムはこのまま酸っぱい香りを放ちながら、フィルムボックスの中で朽ち果てていく運命になると思います。この先酢酸臭が外に漏れて耐えられない状態にまでなったら、さすがに処分するしか無いかもしれません。だけどデジタル化してあればフィルムは朽ち果てようとそこは安心。
これってなんだか本を電子書籍化するのと似てるなって思いましたよ。随分前ですけど、劣化して読めなくなりかかっていた古いカメラ雑誌を、ドキュメントスキャナを使って電子書籍化。雑誌はすべて資源ごみに出したのですけど、PDFファイルにデジタル化してあるので今でもipadやパソコンで読めます。
物理的に劣化から逃れられないものはデジタル化しておくのが安心、当たり前過ぎますけどこれしか無いでしょうな。(笑)

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2023年4月 2日 (日)

いよいよフィルムに暗雲か。

3月29日に富士フィルムさんから、35mmのカラーネガとリバーサル、120サイズのリバーサルの注文受付を一時停止しますってアナウンスがありましたな。
さっそくカメラ&写真関連サイトでニュースになってましたけど、原因は原材料の調達不⾜により⼗分な製品供給を⾏うことが困難な状況だと書いてありました。
富士フィルムさんってカメラも全然供給が追いついてないみたいで、量販店でも入荷待ちや問い合わせの表示になってたりします。
半導体不足などが足を引っ張ってるのでしょうけど、同業他社は供給が元に戻ってるところもあるので、根本的な材料の供給体制に問題があるのでしょうか。その辺りよく分かりませんけどね。
特に一番よく使われているはずのカラーネガフィルムが受注停止対象って、暖かくなって写真を撮る機会が増えそうな季節なのに買えないってことになると、せっかくフィルムカメラに興味を持ってくれてる若い方が離れてしまうのじゃないかと心配します。
だったらアンタが使ってやれよって言われそうですけどね、高くてとても買えないので外野席から応援させていただきます。(笑)
怖いのは、なんとか原材料の調達のめどが立ったとして、そのコストアップ分がフィルム代の値上げにならないかってところ。調達に苦労しているのは物が無いだけでなく、今まで通りの価格ではもう無理だったり、代替品を探してるってところもあるのじゃないかと思うのですな。
最悪のシナリオは調達できずにこのままフィルム時代終了って事態。さすがにそれは無いと思いますけどね、だけど何が起こるか分からない世の中になってますから、予想外の出来事も想定範囲内に思って、いつでもビックリできるようにしてませんと。(笑)

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材料手配が滞る事態になれば作れるフィルムも減って、銘柄が統合されて種類が減る可能性もありますし、オジサンが長年使ってきたリバーサルフィルムは愛用者の数を考えるとカラーネガフィルムよりも絶対数が少ないでしょうから、そのための現像所の維持まで考えると、このまま幕引きってことも十分ありえますからね。
フィルムの注文受付の一時停止が一体いつまでなのか分かりませんけど、長引けばフィルム売ってないって事実が、いつの間にかフィルム終わりましたにすり替わっちゃう可能性もあると思うのですな。
今時はSNSで事実無根の情報があっという間に世界中に拡散する時代ですからね。誰かが富士フィルムさんの中の人からフィルム生産終了って聞きましたなんてもっともらしく書き込んだらアウトかと。
ともあれフィルムに関しては明るいニュースってもう望めないでしょうから、行く末を見守るしかないでしょうな。

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2023年1月29日 (日)

フィルムの酸っぱい香りは、危険な証。

古い撮影済みフイルムの劣化という事件が起こりました。フィルムを保管してあるボックスを久々に開けたところ、かなりはっきりとした酸っぱい香りがしたのですな。
ややや、ひょっとして加水分解の時に出る酢酸ガス?これってマズイのではって、慌ててフィルムを出しました。状況を確かめてみると、45年近く前に自分で現像とプリントをやっていた頃に自家現像した白黒フィルムの一部がマズイ状態。フィルムがボロボロになるところまでのひどい劣化というわけではなく、当時使っていたネガケースにくっついて出てこない状態になっていたのですな。
現像後の定着や水洗処理が甘かったのでしょうか、原因は分からないのですけど、とにかく酸っぱい匂いがしているのは事実なので、ネガケースを切り開いてくっついている数本のフィルムを取り出し、他のネガケースに入れ直しましたよ。
そしてまずきちんとした情報を得ようと、ネットで調べるとプロラボ「堀内カラー」のサイトに「写真フィルムの劣化 加水分解とその対処法は?」という分かりやすく詳しい解説が出てました。
それによるとフィルムには酢酸セルロースって成分が含まれてて、経年変化でその酢酸が空気中の水分に溶け出すことで、加水分解を起こし酢酸ガスを発生させるそう。で、その酢酸ガスがフィルムに付くと加速度的に加水分解が進むという悪循環。
高温多湿の環境で密閉した保管ボックス内で酢酸ガスが充満すると、他のフィルムまで加水分解が進行してしまうのですな。サイトにはボロボロになったフィルムの無残な写真が掲載されていました。

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なのでさっそく他の保管ボックスも調べてみたのですけど、マウントして保管してあるリバーサルフィルムは大丈夫、ただしネガケースに入れてみっちりとボックスに入れていたカラーネガフィルムの一部がくっついてました。いずれのボックスも富士フィルムから発売されているカビ防止剤を入れていたのですけど、ぎゅうぎゅう詰めがマズかったのかと。
とはいえ美術館の収蔵庫レベルの保管なんて無理ですし、解説にも「写真フィルムは遅かれ早かれ必ず劣化します。」って出てましたから、現状維持を心がけつつ、やばくなっているフィルムから先に、デジタル化を早急に進めるしか無いかなと思いましたよ。もうすでにかなりの数はデジタル化しているのですけど、リバーサルフィルム中心でネガフィルムはまだ手を付けてないのがありますからねぇ。
フィルムのデジタル化については過去に何度も記事にしていますし、ニコンのフィルムスキャナが使いすぎで壊れてからは、デジカメで複写に方向転換して色々道具を作ったりもしましたな。それなりに手間はかかりますけど、残すためにはこれしか方法がないかと。
写真歴が長く昔撮ったフィルムがたくさん残ってらっしゃる方は、一度点検されてみてはいかがでしょうか。

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2023年1月12日 (木)

さすがにもうフィルム無理かも。(笑)

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ここ数年、フィルムの値上げニュースを見るたびに、もうフィルムで撮るのは無理かもって嘆いてましたけど、1月7日に「デジカメinfo」って情報サイトに掲載された「コダックが1月16日にフィルムの価格を20~40%程度値上げ」ってニュースには驚きましたな。出どころは「ナショナル・フォート」ってプロラボのサイトに出てたニュースだそう。
リバーサルフィルム「エクタクロームE100」の35mm、36枚撮りが5,630円!だって。フィルム1本が5,000円超えですからね。オジサン常用のフジクロームVelviaやPROVIAはこれを書いてる時点で、量販店やフィルム専門店で2,000円ちょいぐらいの値段でした、これでも十分高いのですけど何だか安く見えてしまいますな。(笑)
って笑えませんよ。コダックファンの方の悲鳴が聞こえそうな値上げですからね。もう金持ちの趣味を通り越して富豪の贅沢ですよ。怖いのはこれだけお高くなっても、フィルムファンが我慢して使ってくれるのなら、追従して富士フィルムさんやその他のメーカーも軒並み値上げってことになるのじゃないかってところ。
そもそもフィルムが高くなったって言ってるのは、昔の安かった時代を知ってる世代ですからね、そんなのを知らない、生まれた時にはすでにデジタルな若い方には、フィルムってこれぐらいお金がかかるモノって認識みたいで、高くても楽しんでるというか、そもそも高いって思ってないのかもしれませんな。知らんけど。(笑)
この状況が良くなることなんてありませんから、現実を受け入れるしかないのですけど、正直言ってオジサン自身は富士フィルムさんのミラーレスカメラを使いだして、フィルムシミュレーションの出来の良さに、フィルムへの執着といいますか、フィルムじゃなければって気持ちは薄れていきましたな、ただ使ってやれないままになってるフィルムカメラが不憫なだけです。

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現役で働いていた頃ならともかく、収入のない状況でフィルムカメラを楽しんでたら、家内に首根っこ掴まれてハローワークに連れて行かれますよ。なので気持ちは「フィルムさん、立派なお値段に出世されて。だけどオジサンはもう無理だから、お金持ちに可愛がってもらってね」って感じでしょうかね。
フィルム代だけの話じゃないですからね、現像代もしっかりかかります。更に現像所も少なくなって時間もかかりますな。オジサンの好きなリバーサルフィルムは一番状況が悪いかと。プロラボで2時間で仕上げてくれた時代は遠い昔になりましたな。
なのでまだ温存してあるフィルムカメラを眺めながら、どうしたものか考え中。って答えは出てますけどねぇ。(笑)

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