フィルムのこと

2023年6月18日 (日)

フィルムの値上げはもう他人事。

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ついこの間、富士フィルムさんが6月8日から写真フィルムとINSTAX“チェキ”など一部製品の値上げを実施したってお知らせがありましたな。
材料価格や輸送コストなどの高騰を、企業努力のみで吸収するのは無理ってことだそうですけど、そりゃそうだろうなって思います。フィルムはたくさんの化学物質が含まれてますからね、そういうものが手配できなくなったらアウト、メーカーがいくら頑張ってもどうしようもないでしょうな。
値上げ率を見てみると写真フィルムが約13〜88%だそうですけど、もう何も感じませんし一体いくら値上がりしたのかいちいち調べて「ひえ〜」なんて書きませんよ、オジサンにとってはもうすでに遠い所に咲いてる高嶺の花、生涯買えませんからね。(笑)
ニュースには原材料が調達出来なくて注文を一時停止していたカラーネガフィルムとリバーサルフィルムの注文の受け付けを6月12日から再開というのも出てました、そういえばよく行くカメラ屋さんでもネットでもフィルム無くなってましたな。
高くなって手が出ないわ、お金持ってても買えないわって、おいフィルムお前さんいつからそんなに偉そうなモノになったのなんて言いませんよ、悪いのはフィルムじゃなくてデジカメ、あいつのおかげでこんな事になっちゃったわけですからね。だけどそのデジカメもスマホにかじられて穴が空いてますな、ははは。(笑)
今回の値上げは急だったみたいで、ネットを見ると嘆きの声があちこちから上がってました。だけどまだ作ってくれるだけマシかと、こんなに製造コストが高くなったら生産終了しますよ普通。儲けどころか完全に赤字なのはお知らせの文面から滲み出てますし、他の事業が好調だから資金も回せるのだと思います。
金持ちの道楽レベルと言っていいぐらい割に合わない事業だと思いますけど、作り続けてくれてるわけですから感謝しかありませんよ。それよりもオジサンが気になってるのが現像所。
どんどん減っててこのままだとフィルムで撮ったものの現像に出せる所が無いなんてことにもなりかねません、リバーサルやモノクロ、中判サイズのフィルムは時間が掛かるとしても、一番ポピュラーなカラーネガフィルムも減ってますな。現像機を置いてて即対応してくれるお店が減ってる気がします、地元駅前で長くやってたお店も昨年なくなりましたし。
使ってやって消費量を増やすのが一番ですけど、高い、売ってない、お店もない、現像も出せないじゃどうにもこうにも完全に四面楚歌状況。
ちなみにやっぱり気になってヨドバシのサイトを見てみたところ、常用してたリバーサルフィルムが今年1月に書いた「さすがにもうフィルム無理かも。」って記事では「2,000円ちょいぐらいの値段」って書いてましたけど、今見たら3,960円だって!さらに現像代もかかるわけで。これはもうちょっとどころか完全に息の根止められた感がありますなぁ。

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2023年4月22日 (土)

これが最後のフィルム話?(笑)

古いものを断舎離していたら出てきたのが、昔の35ミリフィルムのケースやパトローネ。「サクラフィルム」なんてのも出てきましたよ。(笑)
若い方にはナンノコッチャかと思いますけど、現在のコニカミノルタのことで、今はコピー機などOA機器の会社という認識だと思いますけど、その昔はコニカってフィルムやカメラを作ってた会社とミノルタって関西のカメラメーカーだったのですな。それが経営統合で一緒になったので「コニカミノルタ」。
後にコニカミノルタのカメラ事業はすべてソニーに引き取られました。なので今はソニーの「α」ですけどその昔はミノルタの「αシリーズ」ってカメラで、交換レンズも含めた世界初のオートフォーカス一眼レフシステムでした。
当時(1985年)α-7000ってカメラが業界に与えた衝撃はすごくて、その後各社オートフォーカス一眼レフを発売しましたって、こんなの知ってる方ももう少ないのでしょうなぁ。(笑)
で、コニカは「小西六」って社名からで「桜」はブランドイメージだったのでしょうな、感光材料を作ってた工場は「六桜社」、フィルム名は「サクラ」、国産初のボックスカメラは「チェリー手提げ用暗函」って名前でしたからね。
そうそう
その昔35mmフィルムって12枚撮り、20枚撮り、36枚撮りが売られていたのですけど、20枚撮りを24枚撮りにしたのがサクラフィルム。
萩本欽一さんの
「4枚増えても値段は同じ、どっちが得かよ~く考えてみよう!」ってテレビコマーシャルが流行りましたけど、もう誰も知らないか。(笑)その後他社も追従、コダックも日本向けは24枚撮りで発売してましたな。

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掲載写真を見ていただければお分かりかと思いますが、出てきた古いフィルムは白黒フィルムが多くてね、名前に「〇〇PAN」って付いてるのがそれ。
サクラフィルムは社名が小西六だったので「KONIPAN(コニパン)」、フジフィルムは「NEOPAN(ネオパン)」社名が富士だから「フジパン」ではパン屋さんになってしまいますからね。(笑)
そもそもフィルム名に付いてるパンは「panchromatic(パンクロマチック)」の略、可視光線のほぼ全てに感光する性質のことで、その白黒写真乳剤が塗られたフィルムもそう呼びます。なので食べるパンとは全くの別物、当然ですが。(笑)
出てきた中でも古いものは、フィルムそのものから強烈な酢酸臭がしていて加水分解進行中の模様。このままでは外側にも影響が出そうなのでフィルムを取り出して処分、外側だけ保存することにしました。
本来のフィルムとしては古すぎて使えませんし、今はもう無くなったフィルムのパッケージですから、テーブルフォトの演出用品に使ってやるのが一番いいかなと思っていますよ。

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2023年4月 6日 (木)

フィルム劣化で見えてきたこと。

加水分解進行中で、酸っぱい酢酸臭がするフィルムを、片っ端からデジタル化しています。と言っても調べてみると、かなりの数がすでに終わっていたので、そこから漏れていたものをデジタルカメラで複写してデジタル化、ほぼ完了に近いところまで進みましたよ。
で、すでに済んでいるものを見てみるとニコンのフィルムスキャナ「SUPER COOLScan4000ED」で取り込んでましたな。調べてみると発売が2001年でその時買って、故障で使えなくなったのが2016年でしたから15年の長きに渡り活躍してくれたわけで、相当な枚数をこれでスキャンしたということ。
その後はデジタルカメラで複写するスタイルに変えました。2000万画素超えのカメラで複写したものは、もう十分すぎるクオリティーですからね。(笑)
で、必要なものだけを最短でデジタル化するために、酸っぱい香りのしているフィルムボックスを調べるといいますか、観察してみたところ、加水分解で劣化が始まっているのは全てネガフィルムだというのが分かりました。しかも雨樋のようにカーリングしているものほど、しっかりとした酢酸臭が漂い、ネガ袋にくっついて一体化しかかっているものもありました。

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ところがリバーサルフィルムは全く匂いもしませんし、カーリングもしていないというのを発見、どのリバーサルフィルムも全く問題なしなのを確認したのですな。
フィルムの劣化って見た目での判断するのは、カーリングしているかどうかが分かれ目って感じがしましたよ。なのでなぜかリバーサルフィルムでは起こってないのが不思議でしたけどね。
だけど劣化の始まっているネガフィルムと一緒にぶっこんでいると、影響を受けて良くないだろうと思い完全に分けました。日付順に入れていたのを、更にリバーサルとネガでフィルムボックスを完全に分けて保管することに。
一度加水分解の始まったものはどんなに完璧に保管しても、劣化は進行して後戻りできないですから、完全に隔離して少しでも劣化を遅らせるしか無いのですな。
なのでネガフィルムはこのまま酸っぱい香りを放ちながら、フィルムボックスの中で朽ち果てていく運命になると思います。この先酢酸臭が外に漏れて耐えられない状態にまでなったら、さすがに処分するしか無いかもしれません。だけどデジタル化してあればフィルムは朽ち果てようとそこは安心。
これってなんだか本を電子書籍化するのと似てるなって思いましたよ。随分前ですけど、劣化して読めなくなりかかっていた古いカメラ雑誌を、ドキュメントスキャナを使って電子書籍化。雑誌はすべて資源ごみに出したのですけど、PDFファイルにデジタル化してあるので今でもipadやパソコンで読めます。
物理的に劣化から逃れられないものはデジタル化しておくのが安心、当たり前過ぎますけどこれしか無いでしょうな。(笑)

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2023年4月 2日 (日)

いよいよフィルムに暗雲か。

3月29日に富士フィルムさんから、35mmのカラーネガとリバーサル、120サイズのリバーサルの注文受付を一時停止しますってアナウンスがありましたな。
さっそくカメラ&写真関連サイトでニュースになってましたけど、原因は原材料の調達不⾜により⼗分な製品供給を⾏うことが困難な状況だと書いてありました。
富士フィルムさんってカメラも全然供給が追いついてないみたいで、量販店でも入荷待ちや問い合わせの表示になってたりします。
半導体不足などが足を引っ張ってるのでしょうけど、同業他社は供給が元に戻ってるところもあるので、根本的な材料の供給体制に問題があるのでしょうか。その辺りよく分かりませんけどね。
特に一番よく使われているはずのカラーネガフィルムが受注停止対象って、暖かくなって写真を撮る機会が増えそうな季節なのに買えないってことになると、せっかくフィルムカメラに興味を持ってくれてる若い方が離れてしまうのじゃないかと心配します。
だったらアンタが使ってやれよって言われそうですけどね、高くてとても買えないので外野席から応援させていただきます。(笑)
怖いのは、なんとか原材料の調達のめどが立ったとして、そのコストアップ分がフィルム代の値上げにならないかってところ。調達に苦労しているのは物が無いだけでなく、今まで通りの価格ではもう無理だったり、代替品を探してるってところもあるのじゃないかと思うのですな。
最悪のシナリオは調達できずにこのままフィルム時代終了って事態。さすがにそれは無いと思いますけどね、だけど何が起こるか分からない世の中になってますから、予想外の出来事も想定範囲内に思って、いつでもビックリできるようにしてませんと。(笑)

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材料手配が滞る事態になれば作れるフィルムも減って、銘柄が統合されて種類が減る可能性もありますし、オジサンが長年使ってきたリバーサルフィルムは愛用者の数を考えるとカラーネガフィルムよりも絶対数が少ないでしょうから、そのための現像所の維持まで考えると、このまま幕引きってことも十分ありえますからね。
フィルムの注文受付の一時停止が一体いつまでなのか分かりませんけど、長引けばフィルム売ってないって事実が、いつの間にかフィルム終わりましたにすり替わっちゃう可能性もあると思うのですな。
今時はSNSで事実無根の情報があっという間に世界中に拡散する時代ですからね。誰かが富士フィルムさんの中の人からフィルム生産終了って聞きましたなんてもっともらしく書き込んだらアウトかと。
ともあれフィルムに関しては明るいニュースってもう望めないでしょうから、行く末を見守るしかないでしょうな。

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2023年1月29日 (日)

フィルムの酸っぱい香りは、危険な証。

古い撮影済みフイルムの劣化という事件が起こりました。フィルムを保管してあるボックスを久々に開けたところ、かなりはっきりとした酸っぱい香りがしたのですな。
ややや、ひょっとして加水分解の時に出る酢酸ガス?これってマズイのではって、慌ててフィルムを出しました。状況を確かめてみると、45年近く前に自分で現像とプリントをやっていた頃に自家現像した白黒フィルムの一部がマズイ状態。フィルムがボロボロになるところまでのひどい劣化というわけではなく、当時使っていたネガケースにくっついて出てこない状態になっていたのですな。
現像後の定着や水洗処理が甘かったのでしょうか、原因は分からないのですけど、とにかく酸っぱい匂いがしているのは事実なので、ネガケースを切り開いてくっついている数本のフィルムを取り出し、他のネガケースに入れ直しましたよ。
そしてまずきちんとした情報を得ようと、ネットで調べるとプロラボ「堀内カラー」のサイトに「写真フィルムの劣化 加水分解とその対処法は?」という分かりやすく詳しい解説が出てました。
それによるとフィルムには酢酸セルロースって成分が含まれてて、経年変化でその酢酸が空気中の水分に溶け出すことで、加水分解を起こし酢酸ガスを発生させるそう。で、その酢酸ガスがフィルムに付くと加速度的に加水分解が進むという悪循環。
高温多湿の環境で密閉した保管ボックス内で酢酸ガスが充満すると、他のフィルムまで加水分解が進行してしまうのですな。サイトにはボロボロになったフィルムの無残な写真が掲載されていました。

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なのでさっそく他の保管ボックスも調べてみたのですけど、マウントして保管してあるリバーサルフィルムは大丈夫、ただしネガケースに入れてみっちりとボックスに入れていたカラーネガフィルムの一部がくっついてました。いずれのボックスも富士フィルムから発売されているカビ防止剤を入れていたのですけど、ぎゅうぎゅう詰めがマズかったのかと。
とはいえ美術館の収蔵庫レベルの保管なんて無理ですし、解説にも「写真フィルムは遅かれ早かれ必ず劣化します。」って出てましたから、現状維持を心がけつつ、やばくなっているフィルムから先に、デジタル化を早急に進めるしか無いかなと思いましたよ。もうすでにかなりの数はデジタル化しているのですけど、リバーサルフィルム中心でネガフィルムはまだ手を付けてないのがありますからねぇ。
フィルムのデジタル化については過去に何度も記事にしていますし、ニコンのフィルムスキャナが使いすぎで壊れてからは、デジカメで複写に方向転換して色々道具を作ったりもしましたな。それなりに手間はかかりますけど、残すためにはこれしか方法がないかと。
写真歴が長く昔撮ったフィルムがたくさん残ってらっしゃる方は、一度点検されてみてはいかがでしょうか。

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2023年1月12日 (木)

さすがにもうフィルム無理かも。(笑)

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ここ数年、フィルムの値上げニュースを見るたびに、もうフィルムで撮るのは無理かもって嘆いてましたけど、1月7日に「デジカメinfo」って情報サイトに掲載された「コダックが1月16日にフィルムの価格を20~40%程度値上げ」ってニュースには驚きましたな。出どころは「ナショナル・フォート」ってプロラボのサイトに出てたニュースだそう。
リバーサルフィルム「エクタクロームE100」の35mm、36枚撮りが5,630円!だって。フィルム1本が5,000円超えですからね。オジサン常用のフジクロームVelviaやPROVIAはこれを書いてる時点で、量販店やフィルム専門店で2,000円ちょいぐらいの値段でした、これでも十分高いのですけど何だか安く見えてしまいますな。(笑)
って笑えませんよ。コダックファンの方の悲鳴が聞こえそうな値上げですからね。もう金持ちの趣味を通り越して富豪の贅沢ですよ。怖いのはこれだけお高くなっても、フィルムファンが我慢して使ってくれるのなら、追従して富士フィルムさんやその他のメーカーも軒並み値上げってことになるのじゃないかってところ。
そもそもフィルムが高くなったって言ってるのは、昔の安かった時代を知ってる世代ですからね、そんなのを知らない、生まれた時にはすでにデジタルな若い方には、フィルムってこれぐらいお金がかかるモノって認識みたいで、高くても楽しんでるというか、そもそも高いって思ってないのかもしれませんな。知らんけど。(笑)
この状況が良くなることなんてありませんから、現実を受け入れるしかないのですけど、正直言ってオジサン自身は富士フィルムさんのミラーレスカメラを使いだして、フィルムシミュレーションの出来の良さに、フィルムへの執着といいますか、フィルムじゃなければって気持ちは薄れていきましたな、ただ使ってやれないままになってるフィルムカメラが不憫なだけです。

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現役で働いていた頃ならともかく、収入のない状況でフィルムカメラを楽しんでたら、家内に首根っこ掴まれてハローワークに連れて行かれますよ。なので気持ちは「フィルムさん、立派なお値段に出世されて。だけどオジサンはもう無理だから、お金持ちに可愛がってもらってね」って感じでしょうかね。
フィルム代だけの話じゃないですからね、現像代もしっかりかかります。更に現像所も少なくなって時間もかかりますな。オジサンの好きなリバーサルフィルムは一番状況が悪いかと。プロラボで2時間で仕上げてくれた時代は遠い昔になりましたな。
なのでまだ温存してあるフィルムカメラを眺めながら、どうしたものか考え中。って答えは出てますけどねぇ。(笑)

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2023年1月 5日 (木)

「エモい」フィルムカメラが復権?ホントかなぁ。(笑)

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昨年暮れ12月29日の神戸新聞NEXTに『「エモい」フィルムカメラが復権 デジタル世代「きれいすぎない」 現像データはスマホへ、が今どき』って新聞社なのに「何このタイトル、長過ぎて入ってこないし」な記事が掲載されました。(笑)
それによるとフィルムカメラがデジタル世代を中心にじわじわと支持を広げているそう。デジタル世代って言い方がすでに死語感がありますけどね、オジサンのようなアナログ世代の方が既に少数ですから。(笑)
で、早い話、Z世代だとか今時の若い子にとってフィルムって「写りがキレイすぎずエモい」んだそう。だけどプリントはしないそうで、DPEショップでやってくれるデータ化サービスでスマホに入れてSNSなどで発信共有するのが令和の写真作法なのでしょうなぁ。
フィルムってアナログなものの体験も、最終的に自分たちの生まれた時からあるデジタルなプラットフォームで便利に遊んでいるのが今時ってことなのかと。(笑)

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フィルム写真を「写りがきれいすぎない」ってどういうこと?って思いましたけど、スマホもデジカメもホントきれいすぎる写真がいとも簡単に撮れますからね、例えればスーパーやコンビニで売られている冷凍食品やインスタント食品の感じかなぁと。今時はすごく出来が良くて、チンするだけでこの美味しさ&クオリティなのって驚きます、誰が作っても間違いない味わいなわけで。
対してフィルム写真って料理をしたことがない方が一から材料揃えてやるようなもんかと。焦がしたり、味付け失敗したり、思ってたのと違う出来だったり。フィルムカメラで撮るのは、まともに撮れない、失敗だらけ、現像するまで分からないから出来上がりが読めないってところが似てますな。きっとその辺りがフィルムカメラの面白さなんだと新鮮に感じてくれたのでしょうね。

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ただこれがずっと続くかと考えると、ちょっと疑問符。今時のブームメントって受け止めた方がいいのではないかと。コダックからハーフサイズカメラが発売されたり、ペンタックスさんのフィルムカメラプロジェクトなど、フィルムカメラ界隈は、にぎやかになってきているのは確かですけどねぇ。
だけど「エモい」なんて言われてるのはカラーネガフィルムばかりですからね、白黒フィルムやリバーサルフィルムはほとんど話題にも上がってませんし、フィルムの値段、種類、現像のインフラなど考えるとブームが終わったあとが怖いですな。
記事によると中古フィルムカメラを学生さんが買い求めるそうで、フィルムカメラをブームだけで終わらせたくないのなら中古カメラ屋さんの協力も必要でしょうな。
儲けよりフィルムを使ってもらうためにカメラを広めるぐらいの心意気で思いっきり安くして、ネットに転がってる取扱説明書をプリントしてカメラに付けて販売するとか、昔のカメラに詳しい店員さんを専門アドバイザーの名札つけて配置するとかね、ぜひやって欲しいですなぁ。(笑)

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ちなみに同じ日にもうひとつフィルム関連記事が掲載されてました。「映像写真部員、初めてのフィルム撮影 36枚撮り1650円!…シャッターを押せない 一枚一枚、刻む思い出」だって。
もうねタイトルなんとかならなかったのかと。上の方が添削指導しなかったのでしょうかね、ダラダラ長いだけのひどいタイトルですなぁ。タイトルじゃなくて説明文ですよコレ。内容は初めてのフィル撮影の顛末でしたな、興味のある方はどうぞ。(笑)

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2022年12月24日 (土)

ペンタックス、ペンタックス、フィルムだよ。

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このご時世のこの時期にこのニュースですからね、フィルムカメラファンにはビッグサプライズと言いますか、デカすぎるクリスマスプレゼントかと。(笑)
写真&カメラファンの方はすでにご存知だと思いますが、12月20日にリコーイメージング株式会社が、ペンタックスブランドでフィルムカメラの開発検討を行う「フィルムカメラプロジェクト」の開始をアナウンスしていましたな、動画も出てたので見ましたよ。
2本の動画の内、TKO(鈴木タケオ)さんが語る「PENTAX Film Project Story #1」では、誰もが安心して楽しめるフィルムカメラの開発、新製品で保証が付いてて、若いユーザーの手の届く値段で出すことでフィルムカルチャーを支えたいというのと、フィルムカメラ製造の技術やノウハウの伝承について述べてましたな。
フィルムカメラ製造を知る世代はすでに定年退職、今やらないと技術やノウハウが途絶えてしまうそうで、そうなるとフィルムカメラは作れなくなるそうなのですな。フィルムカメラと言っても古いカメラの復刻じゃなく、新しい今の時代にマッチしたフィルムカメラをペンタックスという集団で真剣に作り出していきたいと思っていると述べてました。
で、まずコンパクトカメラ、そのハイエンドカメラ、一眼レフ、フルメカニカルの一眼レフというロードマップを考えているみたい。ペンタックスさんですからね、最初からフルメカニカル一眼レフってのも面白いのじゃないかと思いますけどね。(笑)
今の時代にマッチしたってところがどんなデザインになるのか興味がありますけど、それ以前にプロジェクト自体が続けられるのかって部分も不安定要素が一杯でハラハラドキドキ。
フィルムカメラの開発「検討」ですからね、カメラは作れるからGOってことになっても、フィルムの製造供給状況や現像所のインフラも考えないといけないでしょうから、色々なところを巻き込んだり、協力を仰いだりしなくてならず、なかなか前途多難ではないかと思いますね。ま、間違いなくクラウドファンディングで資金調達はするでしょうな、でなきゃまず無理だと思います。
で、フィルムカメラの技術やノウハウの伝承に重きを置くのなら、他のメーカーも巻き込んで未来に伝える技術ってことでメーカーの垣根を超えた業界の取り組みぐらいに持っていくのもありでしょうね。
その場合富士フィルムさんのように、カメラもフィルムも現像も全部やってますってところが、名乗りを上げてくれたら一番なのですけどねぇ。ニコンさんは参加してくれそう、オリンパスさんは別会社になっちゃったから無理かも、キャノンさんは絶対無い、パナソニックさんは電気屋さんだから無し、ソニーさんは元コニカミノルタだけど無理でしょうなぁ。ってやっぱ無理か。(笑)
動画の締めくくりは「ペンタックス、ペンタックス、フィルムだよ。」って終わり方。「ペンタックス、ペンタックス、望遠だよ、ワイドだよ。」って昭和40年頃やってたペンタックスのテレビCMの言い回しを真似てましたな、これ60代以上の年配の方しか知らんやろな〜。(笑)

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2022年8月25日 (木)

フィルム高いって言うのは、オジサンだから。(笑)

フィルムの値段の高さに音を上げて、もう買えない、フィルムカメラは飾っておくしかないなんて弱音を吐いておりますが、若い方のブログを見ていますと、フィルム楽しい、もっとフィルムで撮りたいなんてのがいっぱい出てきます。
こんなに高いのに、なんでこれだけフィルムファンが居るのかって思ったのですけど、酒場で出会った写真好きの若い方と話していて、今時のフィルムファン事情と言いますか、フィルムに対する感覚的なものが見えてきました。
どうやら最近フィルム写真に目覚めた若い世代にとって、今のフィルムの値段がスタートラインなので、フィルムで撮るのって、普通にこれぐらいお金がかかるものという認識で楽しんでいるということだそうです。

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安くはないけど高くて手が出ないってほどの感覚でもないみたい。音楽CD買うか写ルンです買って楽しむかどっちにしようかって感覚みたい。しかもフィルムは現像できるまで分からない楽しみや、手元にフィルムが残るところがイイそうで、そういうデジタルには無かったルールや作法にプラスして、フィルムならではの写り具合まで含めると十分楽しむ価値があるモノゴトらしいですな。
チャンスが有ればどこかのタイミングで手を出してみたいトレンドって感じなのでしょうか。なのでオジサンのレガシーな常識崩壊中、なんだか昭和レトロな喫茶店にクリームソーダやプリンアラモードを食べに行くのと同じ感覚ってことなのね。(笑)
フィルム全盛期を知ってると言いますか、お買得パックはフィルム1本余分に入ってたとか、ダイソーでネガフィルム100円で売ってたとか、同時プリント0円なんて時代を知ってるオジサンは、もはやいつの時代の人っていうかカメラ原始人。
あの頃を知ってるから「高い高い」って嘆いているだけだったという。「高い高い」してもらって喜ぶのは赤ちゃんか小さな子供だけですからねぇ。「クジラの肉は昔は安かったのにエライ出世や」とか「外でラーメン食ったら高いなぁ」なんてのと同じレベルで文句言ってるだけの人。(笑)
関西人だからでしょうかお金に関することが絡むと敏感なのもあるかもしれませんけど、なんだか高い高いばかり言ってるとみっともないですな、飲むの減らしてフィルムで撮れよってお叱りが飛んできそう。
そもそもフィルムって買う時にお店に行き、撮ったら現像に出しにお店に行き、仕上がりを受け取りにまたお店に行くという、全プロセスを完了するまでに3回もお店に行くわけですから、写真屋さんと酒場がコラボしてくれれば、頻繁に出入りすると思うのですけどねぇ。
酔った勢いで「Velvia10本!」なんてフィルム買っちゃうかもしれませんし、オジサンもお酒の力を借りてもっとフィルムで撮るかもしれません。でもやっぱりフィルム高くなったなぁ。(笑)

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2022年7月24日 (日)

現像できなきゃフィルムもおしまい。

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リバーサルフィルムの値段をヨドバシで調べたら、大好きなフジクロームVelviaの、35mmサイズ36枚撮り1本が約2,000円、オジサンの立ち飲み1回分よりも、お高い値段になってしまいました。
反対に容量あたりの価格が安くなった、デジタルカメラ用のSDカードの値段を調べたところ、同じ2,000円で64GBが買えてお釣りが来ます。動画を撮らないオジサンはスピードの速いカードじゃなくていいのでモノによっては128GBも買えるのがありますな。(原稿執筆時)
さらにRAWは全然、もうJPGでしか撮らないので64GBのカードだと4000枚を少し超えるぐらい撮れます、フィルムに換算すると約115本分がこのカード1枚で撮れるという衝撃の事実に愕然としますな。ネガフィルムだとどうなるのか、もはや計算する気にもなりませんよ。何れにせよさらに現像代がかかってくるわけで、やはりフィルムはどんどん手の届かないところへ遠ざかって行きつつあるなと言わざるをえない状況かと。
輪をかけてフィルム現像で有名な「なら写真くらぶ 写真現像屋」さんのお知らせに「経年劣化した現像機をどうして維持継続して行くかが、大きな課題です。」と出ています。メイン部品の代替えはなく、消耗品も高騰、新しい現像機は販売されていないそうで、フィルムを売り続けてくれても現像が出来ないとなると手も足も出ません。
富士フィルム系列の、プロラボクリエイトの大阪営業所が無くなって東京だけになってから、関西でリバーサルフィルム現像が出来るのは、なら写真くらぶさんだけなので、ここに唯一残る現像機が壊れたらそこで終わり、若い人にフィルムが流行っていると言っても、ほとんどがカラーネガフィルムですからねぇ、リバーサルフィルムはもはや綱渡りですよ。
ネットで調べてみたところ、街中の写真屋さんでよく見かけた現像機メーカーのノーリツさんは、数年前に写真処理機器事業は譲渡しちゃってもうやってませんし、富士フィルムさんを調べてもリバーサルフィルムの現像機は出てこなくて、ネガフィルムの現像機だけ。ショッピングモールで見かける大手カメラチェーン店などに置いてあるやつがそうなのでしょうな。
だけどリバーサルフィルムを作ってる富士フィルムさんが、その現像機を作ってないってことは、リバーサルフィルムはもう終焉なのかもって思いますと言うか、そろそろ覚悟をしておかなくてはならないのかと。
今年の大幅な値上げで買えなくなった方は、オジサンも含めてたくさんいるでしょうから、さらに売れなくなって、半年後か1年後か分かりませんがまた値上げ、ますます売れなくなって、環境負荷などのケミカル問題もあって、長らくの販売に終止符ってシナリオが目に浮かぶのはオジサンだけでしょうか。
ま、若いフィルムファンの方に今の内に1度ぐらいリバーサルフィルムを楽しんでおいてねと言っておきましょう、あなた達がオジサンオバサンになる頃にはもう無くなってるかもしれませんからね。

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