モノクロ(白黒)

2020年6月20日 (土)

モノクロ写真撮るぞって覚悟が楽しい。

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モノクロ写真を楽しむ方法が、デジタルとフィルムじゃ全然違うのは当然。フィルムの時はモノクロフィルムを詰めると、途中でカラーになんてできませんでした(フィルムマガジン式は別)、だけどデジタルだと1カット毎に設定を変えたり、撮ってからモノクロにしたりは簡単になりましたな。
デジタルな写真作法で、究極の一枚を仕上げるとすれば、Rawで撮って現像ソフトの後処理で追い込んでいくって流れになると思います。オジサンも2003年にEOS10Dでデジタル一眼レフデビューしてからすぐにRawでしか撮らなくなって、キヤノン純正現像ソフトの後処理で仕上げてました。

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自分の手でコントロールできるのが楽しかったのも、フィルムとは違うアプローチがデジタルなのだと思ったのも事実。ですけどね、弊害もありましたな。後で何とかなる写真って、いい加減な撮り方しがちなのよ。設定間違えても、いじればキレイになりますからね。黒つぶれも、白飛びもスライダー動かすだけで階調が出てきて簡単お手軽。
そうなると、後できちんと仕上げるためのRaw撮影じゃなくなってしまうのですな。フィルムカメラと一緒に撮り歩くと、特にその差がひどい。露出計できちんと測って、じっくり撮るフィルムに対して、カメラ任せでもあまり気にならないデジタル。クラシックカメラが楽しくて、デジタルに一番冷たかった頃。(笑)

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その後もデジタルはRawでしたな。そんなオジサンのデジカメライフに「チョット待ったらんかい。」って、横っ面張り倒してくれたのが2018年に買ったX-T20。
元々JPEG撮って出しがキレイってのが富士フィルムさんへの世間の評判。どんなものかと撮ってみてビックリ。デジタルでもフィルム屋さんは、フイルムテイストが基本なのだなと思いました。
JPEGの完成度が高いので撮るときが肝心、現場での判断が全てです。ソフトで後処理なんてそもそもマチガイって事。コレってまさしくフィルムで撮るときと同じだなぁと。で、すっかり転落してJPEGオンリー。Rawはテスト撮りの時ぐらいでサヨナラしました。(笑)

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で、JPEG撮って出しで、抜群に楽しくなったのがモノクロ写真。ブラケティング撮影にフィルムシミュレーションを割り当てておくと、一回シャッターを切れば、カラーとモノクロ両方で撮れます。フィルム時代の途中でチェンジできない問題はデジタルで解決できました。
すっかり気に入ってしまって、今日はモノクロでしか撮らないって設定も登録してます。フィルムシミュレーションでACROSを選んで、それのYフィルター、Rフィルターの3パターン。フィルム時代に、いちいちフィルターを付け外しして撮ってた手間がデジタルで解決。しかもフィルムシミュレーションのACROSが実に素晴らしくて名作量産。(笑)

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もうね、デジタルなモノクロ写真最強の武器ですな。ISO感度400、ホワイトバランスはデーライト、背面液晶モニター、ファインダー内の余計な表示も全部OFFに設定すれば、後は絞りとシャッター決めるだけ。
露出計できちんと測って、こんな風に写るはずって考えながら撮っているので、いちいち確認なんてしません。まさしくフィルムカメラ使ってるのとほぼ同じ感覚で撮れる幸せ。おかげでモノクロで撮るぞって覚悟までも楽しくなりましたよ。(笑)

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2020年4月26日 (日)

出かけられないので、お家でモノクロシミュレーション。

すっかり暖かくなって、写真を撮り歩くにはいい季節になりましたけど、先の見えない新型コロナウイルス感染拡大のおかげで、仕事以外の不要不急な外出は控えなければなりません。目に見えない相手だけに、防御するしか手がないわけで。
ネットで商店街のライブカメラを見ても、人の姿はまばらですしね。仕方がないのでお家にこもってますけど、暖かそうな日差しを眺めていると眠たくなりますな。
春眠暁を覚えずと言いましょうか、なんぼ寝ても眠くて、パソコンの前でマウス握ったままうたた寝してしまってますよ。気がつけば画面の中は同じ文字でいっぱい、キーボード押したまま寝てしまっているという。(笑)
頭もボ〜ッとしてますけど、外の景色も花粉や黄砂のせいでボ〜ッとしているような気がします。通勤電車の窓から見える六甲山もうたた寝しているみたいに見えますからね。(笑)花粉症の方には笑えない季節かと。オジサンはまだ症状が出てませんけど、起き抜けは鼻がムズムズしますな。クシャミ連発で朝からやかましい我が家。(笑)
で、出かけられないストレス発散に、過去にこの季節に撮った写真を眺めていたのですけど、日差しはキレイなのに何と無く空の色は汚いし眠たい写真が多いですな。花粉や黄砂の影響が写真に写ってますよ。港で撮った写真は水平線に近い空の部分が帯状に黄色く写ってます、青空は濁った水色。日が傾き出した頃に撮ったモノが特にひどかったですな。
で、思ったのですけど、色が汚いのならモノクロにしてしまえばどうだろうかと。デジタルデータですからね、その辺りはお手の物。フィルターワークも試せるので、モノクロで撮るときのための参考にシミュレーションしてみようかと。

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フィルム写真の時はモノクロ撮影には必ずフィルターを持ち歩いてました、コントラストといいますか、撮りたいものに含まれる特定の色合いを強調したり減退するのが役割。
レッド(R)、オレンジ(O)、イエロー(Y)、グリーン(PO)があります。グリーンだけGじゃなくてPOって表記するのはポートレイト撮影に使われるフィルターだからでしょうね、肌の赤みを自然な感じにしてくれます。ポートレイトはほとんど撮らなかったので、オジサンが一番使わなかったフィルター。(笑)
好きだったのはイエロー、ほんの少しコントラストがついて、空の濃さも出るのでね。しかもピントのヤマが掴みやすくなるのですな、クレー射撃の選手がよくイエローのシューティンググラスをかけてますけど、目の保護だけでなくコントラストが上がって標的が捉えやすくなるそうで、それと同じ。
そんなフィルター違いを試してみました。本来はモノクロで撮る時には色彩が無い分、被写体の明暗やコントラスト、フォルムを考えて撮る写真なので、カラー写真を安易にモノクロ変換するのとは全然意味が違うのですけどね、撮りに行けないのですから仕方がありません。画面の中でモノクロ三昧、結構楽しかったですよ。(笑)

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2019年11月23日 (土)

ACROS Ⅱが発売、モノクロの季節がやってきた。

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富士フイルムさんから、モノクロフィルムの「ネオパン100 ACROSII」が昨日11月22日より発売になりました。35mmの36枚撮りとブローニーの2種類。
お値段はオープン価格ってなってましたけど、ニュースによると店頭予想価格はどちらも税別950円前後の見込みだそうで、オジサンの立ち飲み一回分程と、誠に分かりやすいお値段。
一杯やりながら、これを我慢したらモノクロ写真が36枚撮れるのかって思えますし、撮ってる最中は、撮ってなかったら一杯呑めたのになって考える事ができますからねって、ホント酒飲みはお酒の値段を何にでも当てはめて考えるところが悪い癖。アッ、現像代の事全然考えてなかったゾ。(笑)
ま、何はともあれ、まだかなぁって待った甲斐がありました、今秋発売の予告通り発表がありましたからね。出しますって言いながら、ホンマに出す気あるんかいなってぐらい待たされた某リバーサルフィルムとは違います。富士フィルムさんはちゃんと約束通りの発売。
正直なところ、売れまくるってモノじゃ無いと思います。どんどん少なくなっていくフィルムファンの中で、さらにモノクロ写真となると極少数派だと思いますしね。
こだわりがあってあえてモノクロを楽しんでおられる方や、作家として作品づくりをしているような写真家に支持されるのでしょうけど、数は少ないでしょうな。
だけど富士フィルムさんが発売してくれるところに意味があるのですな、品質に安心があるのはもちろん、安定して供給されるでしょうから、買い求めやすいというのが心強いかと。
後は現像のインフラ、ネットの現像サービスを利用する事になると思いますけどね、モノクロフィルムは自分で現像できるので、あえてそれを楽しむのも手かもしれません。そう言えばリタイヤ後はフィルム現像だけ復活させたいと思ってる事を以前書いてましたな。若い頃使っていた道具は温存しているので、いつでも始められますよ。(笑)
モノクロで数多く撮る方なら、自家現像した方が安く楽しめますし、ACROS Ⅱ発売を機にガチでモノクロ現像を始めるのも面白いかと。最初の投資は現像タンクとダークバッグに薬品が必需品。温度計や計量カップは100円均一ショップで調達、薬品保存はお酒なんかの茶色の空き瓶を流用できますからね。
オジサンがモノクロ現像を復活させようと、もくろんでいる訳は、やってみると意外と簡単だから。若い頃は現像の終わったフィルムを吊るして乾燥しているのを眺めながらプリントの作戦を立ててました。今時ならデジタルカメラをスキャナがわりに複写すればデジタルデータにできます。
ACROS Ⅱの発売で何だか夢が広がりますなって、まずはフィルムを買わなくてはなりません。待ちわびたモノクロファンで、初回ロットは売り切れちゃうかもしれませんからね、急がねば。(笑)

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2019年7月21日 (日)

最高のプリントが画面の中にある、ACROSの幸せ。

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富士フィルムさんのXシリーズカメラを使うようになって、デジタルでモノクロ写真を撮るのが楽しくなってます。フィルムシミュレーションのACROSがツボにはまってしまったわけで。
以前使っていたEOSシリーズではRAWで撮って純正の現像処理ソフトDPPで仕上げていたので、その際にピクチャースタイルをモノクロにしてみたりはしましたけど、何だか違うのですな。ただカラー写真をモノクロに変換しましたって感じ、その後Lightroomを使うようになって、モノクロにする際にも細かく設定ができるようになりましたけど、積極的にモノクロで仕上げる事はほとんど無かったですな、本気でやりだすとキリが無いのでね。

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若い頃モノクロフィルムの現像とプリントを、押入れを暗室にしてやっていたので、モノクロ写真って奥が深くて正解がどこにも無い世界なのは分かっているつもりなオジサン、印画紙が高くて買えなかったので、自分なりの究極の一枚のためにテストプリント山ほど作ってましたな。なのでデジタルなモノクロ写真って、最初なんだか薄っぺらな感じがしていたわけで、言い方が悪いですけどオマケ程度と思ってました。モノクロにすれば何でもなんとなくカッコいい、イケてる写真に見える的な設定。(笑)

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昨年X-T20を使い出して、最初にこれスゴイって思ったのがフィルムシミュレーション、カメラの中にいろんなフィルムが入ってるというのがハマったわけで。もうね、片っ端から試しましたよ、一番気に入ったのがVelvia、長年使ってきたフィルムですからね、このテイストで撮れるのはスゴイなと思いましたな。
すっかり気に入ってVelviaばかりで撮ってたのですけどね、取扱説明書見てると、色々なブラケティング撮影ができてフィルムシミュレーションの設定もありました。つまり一回シャッターを切ると、フィルム違いで3枚の写真が撮れるわけで。
これ面白そうって、早速VelviaとPROVIAにモノクロも撮ってやろうとACROSを登録しました。で、撮ってみてビックリしたのがACROS。うまく言えないのですけど、パソコンの画面で見た時の印象は、最高のプリントをした印画紙が目の前にある感じとでも言いましょうか。なんだかすごくキレイ、ハイライトもシャドウもその中間の階調もデジタルな感じが全然しませんでしたな。

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JPG撮って出しでこのクオリティーって、これはチョット真面目にモノクロ撮らなくてはなりませんって事でイエロー、レッド、グリーンのフィルターも試してみた事は言うまでもありません。富士フィルムさんのHPにあるXシリーズの開発秘話系コンテンツでACROSのことも出てたので見ましたけどね、中身は結構スゴイ事してるのが良くわかりましたよ。ただモノクロにしているだけじゃないのですな。
おかげですっかりモノクロにもハマってしまったオジサン。フィルムシミュレーションを設定したブラケティング撮影は常用になりました、街歩きで目の前の景色をVelviaとACROSの両方で撮れるのですから使わない手は無いですからね。(笑)

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ちなみに掲載写真はすべてJPG撮って出し、補正も加工もトリミングもしていません。というか必要がありませんでした。おかげで記事を作るのはスムーズで楽ちん。(笑)
アンダー目の露出が好きなので、ちょっと暗いかもしれませんな、場合によってはイエローフィルターもかけて空の青さを濃くしたりもしますし、この辺りは好みの問題なのですけど。(笑)
モノクロって、色彩が無い分モノの形や質感、階調の美しさに目が行きます、そこがキモなので、撮るときも光の当たり具合や、ハイライトとシャドウの配分を考えてしまうわけですな、それで階調も変わってきますからね。
フィルムシミュレーションのACROSは、その辺りがグレーじゃなくて白黒つけてフィルムを再現してくれてるわけで、ACROSの設定があるカメラをを使いの富士フィルムユーザーの方には、ぜひとも使っていただきたいなと思っておりますよ。(笑)

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2019年6月22日 (土)

モノクロフィルムは、こんなクラシックな二眼レフで。

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富士フィルムさんがモノクロフィルムACROS Ⅱを今秋発売のニュースにすっかりテンション上がり気味のオジサン、そのままの勢いで、モノクロを楽しむのに、こんなクラシックカメラはいかがってところを書いてみようかと。ただしオジサンの好みで書いてるので、あまり参考にはなりませんけどね。(笑)
ぶっちゃけ結論を言ってしまうと、カラーフィルムが登場する前のカメラは全部OK、当然ですが。カラーフィルムが一般的になるにつれて、レンズの設計やコーティング技術に、色の再現性という新しい項目が増えたわけで、それ以前のカメラは基本的にモノクロ基準。
あえてその頃のカメラにカラーフィルムを入れて楽しむってのも面白いのですけど、それはまたいずれ。やってみた感想は、予想以上にカラーでも十分キレイでいい写り具合でしたと書いておきます。(笑)
で、モノクロ時代のカメラでモノクロフィルムを楽しむのですから、言ってみればその時代の写真ライフを再現している事になるのですけどね、一番の違いはフィルムの性能。当時のフィルムに比べて、格段に高性能な今時のフィルムですから、クラシックカメラにとってはある意味試練かと。(笑)
撮ってみるとよく分かりますな、カメラの素性がはっきり出ますよ、いい意味で。ま、一番の感動は、こんな古いカメラでこんなによく写るのか〜ってところ。想像以上の味わいと言いますか、写真の腕が上がったかと勘違いするかもしれません。当時の普及機や大衆向けカメラでも、現代の高性能フィルムだと本来の性能を発揮するのかもしれません。
で、オジサンおすすめは、あえて35ミリカメラを外して中判カメラの二眼レフ。正面から見ると上下に二つレンズが付いた縦長ボディーのカメラね。
二眼レフはいいですよ、写真撮ってる感が半端じゃ無いですからね、きちんと水平に構えて、ファインダー覗くのにお辞儀して、じっくりピント合わせして、静かにシャッターを切って、ゆっくりとフィルムを巻き上げる一連の動作がなんだかもうタマラナイわけで。(笑)
中判なので35ミリに比べると被写界深度も浅くて、背景ボケボケも楽しめます。二眼レフですからシビアなピント合わせもできますしね。
ローライフレックスが有名ですけど、ちょいとお高いですな、国産の中古なら1万円台から買えますよ。探せばまだまだ手頃なものが見つかりますし。
今秋発売予定のACROS Ⅱはブローニーサイズも発売してくれるので、今からじっくりカメラ選びをするなんていかがでしょう。(笑)

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一時、二眼レフにハマっていて、いろいろ使いましたよ。で、未だに手放せないと言いますか、最後にたどり着いたのが、国産二眼レフの最高峰と言われるミノルタオートコード。中古でもちょいとばかり高いのですけど、それだけの事はありますな。(笑)

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2019年6月16日 (日)

モノクロフィルム「ACROS Ⅱ」が秋に発売だって。

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フィルムの値上げという、オジサンのような貧乏フィルムファンの息の根を止めるような発表をしたかと思ったら、今度は一度終わったモノクロフィルムを復活させるなんて、富士フィルムさんはホントいけない会社。(笑)ま、何はともあれ朗報には違いないので、素直に喜びたいなと。
ACROSが生産終了って聞いたときは、富士フィルムさんが創業事業だったモノクロフィルムやめちゃうのか〜って思いました。それだけ使う人が減ってしまっているのだなぁと、フィルムファンはいても、カラーネガフィルムが主流、現像と同時にデータ化してもらったものを、画像処理ソフトで簡単にモノクロ写真にできる時代に、あえてモノクロフィルムでガッツリ撮る方は超が付くぐらい少数派ではないかと思うのですな。
自家現像や焼き付けまでやる方は、さらに少ないかと。だけどやめちゃうと、やめないでって声が上がるのは当然、復活を望む声に富士フィルムさんは検討中って答えてましたけど、オジサン的にはもう無理なんじゃないかと、銀塩なんて言うようにケミカルなフィルムですから、今時は材料も環境負荷や環境汚染に配慮したものじゃないとダメでしょうし、生産や採算の事を考えると事業としてはたぶん成り立たないだろうなと、ぶっちゃけ儲けは出ないでしょうから、復活は無いだろうなと思ってました。ところがどっこい出ちゃったわけで。(笑)
ACROS Ⅱ発表のニュースに、入手困難な材料の代替品を研究、製造プロセスの見直しで開発しましたって出てましたな。さすが富士フィルムさん、なんだかフィルムメーカーの意地を感じましたな。きっと世界中で、よくぞやってくれましたって、嬉し涙を流してるモノクロファンも多いはず。富士フィルムさんが作ってくれるのですから、品質も安定供給も保証されたようなもんですからね。安心してモノクロフィルムを楽しめますよ。
定年後はモノクロフィルムの自家現像だけ復活させようと、もくろんでいたオジサン、若い頃使っていた現像タンクやダークバッグなど一式はまだ温存しています。暗室もいりませんし、やってみると意外と簡単、自分でコントロールできますしね。じいさんになって、時間を持て余すようになってからのお楽しみ。
なのでACROSが生産終了したときは、時間ができたらやる事リストから選択肢が一つ消えて、どうしたものかと思っていたのですけど、ACROS Ⅱ発売のおかげで楽しみも復活できますよ。発売は秋なのでまだまだですけど、初回ロットは即完売しそうな予感がするので押さえておかなくてはなりませんな。(笑)

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2019年3月14日 (木)

モノクロ写真を見ていて、ふと思った事。

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フィルムでも、デジタルでも今はカラーとモノクロが選べます。撮るものや、撮りたい気分によってどちらかを選んで撮れますし、デジタルだと後からモノクロにする事も簡単にできますな。つまり表現の手段として、どちらかの選択肢が常にあるわけで、それを特別な事とも思わないし、当たり前に「今日はモノクロで撮ろうかな」なんて感じで写真を撮ってます。
で、思ったのですけどね、カラーフィルムなんて無かった時代の写真家って、当然ながら写真イコールモノクロだったわけで、のちにカラーフィルムが発明される事なんて知らなかったでしょうから、カラー写真の存在自体も想像できなかったのじゃないかと。
モノクロしかなかった時代の写真家の撮った写真を見て、美しさを感じるのは、カラー写真も知っている時代の人間だから、カラー写真には無いものを見つけられたり、感じたりできるからじゃないかなぁと。カラーとモノクロ両方の物差しがあって見るのと、モノクロだけの物差しで見るのとでは、写真の捉え方も変わると思うのですな。
写真に撮ったものは自動的にモノクロだった時代はそれが当たり前だったわけですけど、もしその時代にカラーフィルムがあったら、果たしてどちらを選んだだろうかって、ふと思ったわけで。
オジサンの大好きな写真家に、パリの街を撮り続けたアジェという人がいます。19世紀末から20世紀始めにかけて、大きく様変わりしていくパリの街を淡々と記録した写真家。撮った写真は街の記録写真として買い上げてもらったりしていたそうで、写真家として世の中に知られるようになったのは晩年、マン・レイの弟子だったベレニス・アボットに見出されてからだったという人。
きっと見出されなかったら写真家として名が知られる事も無く、ただ自分の興味で写真を撮り、撮った写真を資料として売って生活していただけの人だったのだと思います。ただその撮られた写真が、本人が意識していたかどうかは分かりませんが素晴らしく、世に知られる事になったわけなのですけど、根底にあるのが街の記録という事で、もしカラーフィルムがこの時代にあったらアジェはモノクロで撮っただろうかって思ったのですな。
今は古いモノクロ写真を、最新のデジタル技術で、色彩を解析して再現してしまうなんてのがありますけど、当時カラーとモノクロの両方の選択肢があったとしたら、写真家は果たしてどちらを選んだだろうかって考えてしまいました。
オジサンが若い時にモノクロをやっていたのは貧乏だったから。学生の身分ですと、写真は撮りたいけどお金が無かったので自動的にモノクロ、100フィート缶巻き直し格安フィルムしか買えないという。リバーサルフィルム箱買いは働き出してからでしたな。(笑)
なので、表現のためにモノクロやってますじゃ無かったですな。もしもカラーもモノクロも同じ値段で楽しめるとしたら、間違いなくカラーで撮ってたと思います。
アジェもモノクロしかなかった時代の他の写真家も、もしカラーフィルムがあったらどっちを選んでいたでしょうね。

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2018年8月26日 (日)

気分はモノクローム目線で街歩き。

モノクロ写真って何だか雰囲気があります。色彩が無い分、階調やフォルムが際立つのでそう見えるのでしょうね。同じ景色もモノクロで撮った方が奥行きを感じたりする事ってあるでしょ。
じゃあ何でもかんでもモノクロで撮ったらいい雰囲気になるのかっていうとそうじゃないのですな。むしろカラーの時よりもアンテナ研ぎ澄まして物を見ないと全然イケてない写真になってしまいます。このあたりがモノクロ写真の醍醐味と言いましょうか、ハマってしまう部分なのですな。まず脳味噌と目玉をモノクロモードに切り替えないといけません。
若いときはお金が無かったし、写真を始めるならモノクロって感じだったので、行きつけの写真屋さんでフィート缶から35ミリパトローネに巻き直して、安く売ってくれていたフィルムで撮ってました。
何でもかんでも撮ってましたけど、コンタクトプリントを作って眺めていると分かってきたのが、物の形と言いますか、フォルムや陰影だけでなく、色のある物をモノクロに置き換えるわけですから、まず色を見なくてはならないって事でした。モノクロ写真なのに何で色を見るのって思うかもしれませんけどね、ココ重要、試験に出ます。(笑)
子供の頃持ってた色鉛筆の紙箱の裏に載ってた色相環図、色んな色が順番にリング状に載ってたやつ。この対角線の色同士がいわゆる補色、赤と緑、青と黄色なんてのがそうです。この補色をモノクロで撮るとほぼ同じグレーに写ります。
赤と緑なんてカラーだと全然違う色なのに同じグレー、色相が違っても彩度と明度が同じならモノクロにしたとき同じグレーに写るのですな。

L36481_blog赤い壁に緑のサボテン、モノクロで撮るとどっちも同じグレーでメリハリなし。印象もまるっきり違ってきます。

試しにイタリア国旗やハイビスカスみたいな真っ赤な花に緑の葉っぱの植物をモノクロで撮ってみるとよくわかります。なんだかメリハリ無くて冴えない写真になるかと。南京町のような色彩があふれかえっている観光地でモノクロで撮ってみると、なんだかつまらない写真になってしまったりするわけで。そういう場合に、特定の色を強調したりコントラストを上げるためにモノクロ用フィルターを使ったりしてましたな。

_dsf4043_blogレストランのイタリア国旗を撮ってみました。モノクロだと緑と赤がほぼ同じグレーに写ります。そこでレッドフィルターを付けて撮ると、赤の部分はレッドフィルターで打ち消し合って薄いグレーに写ります。

カラーで見るときれいな物が、モノクロにすると別物になってしまうってのを逆算して物を見なくてはならないところに面白さがあるのですけどね。デジカメだとその辺りを試しながら撮れるのが良いところ。最近はX-T20のブラケット撮影でカラーとモノクロ両方を撮っておくなんてのをやってます。
どんな物がモノクロに向くのか、後で見ながら作戦立てられますからね。昔モノクロばかりで撮っていたときの事を思い出しますな、なんだか楽しい。気分はモノクローム目線で撮り歩く休日、いかがでしょうか。

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2018年7月 7日 (土)

雨ニモ負ケズ、モノクロで。

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せっかくの休日なのに天気が悪いとがっくりきますな。梅雨時ですからね、そううまいタイミングで休日に晴れてくれるとは思ってませんけどね。でも晴れて欲しいですなぁ。(笑)ぼやいても仕方無いのでとりあえずカメラは持って出ますけどね、こういうときは気持ちを切り替えて、あえて天気の悪さを楽しんでしまうぐらいの覚悟でないと、せっかくの休日を無駄にしてしまいます。
で、あえてこういう季節をモノクロームで楽しんでみようかと。カラーじゃない分新鮮な写真が撮れるかと思うのですな。雨に濡れずにすむ高架下だとか、曇天ならまだ外を歩き回れますからね。X-T20のフィルムシミュレーションでACROSを選んで、買い物がてらゆるい梅雨時モノクロ写真術。(笑)
富士フイルムさんが最後のモノクロフィルム、ACROSの販売を終了してしまったので、もう在庫限りのACROSを大事に使うしかないのですけど、フィルムシミュレーションでなら、少なくともそのテイストを楽しむことが出来ます。これが結構楽しい。RAWで撮っておけば、後からモノクロに出来ますけど、あえてそれをしないようにJPGで、撮る現場で完結するようにじっくり露出計で測って、それにオジサンが思うもうちょいアンダーかなってな味付けをしつつ、のんびり撮り歩くのがイイかと。
モノクロ目線になって景色を眺めると、以外と普段見過ごしてしまうような物が新鮮に見えたりします、カラー写真だと色彩に惑わされて中途半端な写真になりそうな物が、モノクロだと別世界。色彩が無い分トーンとコントラストだけの世界になりますからね。撮る側のセンスも試されるかと。実際撮ってみるとこれがすごく楽しい。天気の悪さなんて忘れてしまいますな。

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サクサク撮り歩きながら、ここもう少しコントラストがあった方がいいかもってな場合には、イエローやレッドフィルターのシミュレーションで効果を出したり出来ますしね。
フィルムでモノクロをやっていたときにはイエローフィルターをよく使ってましたな、ほぼ常用でした。オレンジフィルターだとキツすぎるし、レッドフィルターだとさらに強く効果が出て、空と雲のコントラストがスゴクなりましたから、そこまでやっちゃうとプリント焼くときにどうにもならない。(笑)
イエローフィルターぐらいのコントラストがちょうどいい感じに思えたのですな。グリーンフィルターは余り使った覚えがありません、反対色の赤系の色に反応するので、人物撮影などで人肌や唇の赤みに効果がありますけど、街撮りでは使う事が無かったですな。ファインダー覗くと緑色って、ピント合わせしにくいのですよ。(笑)
フィルム時代のようにフィルターを付け替える手間無く設定を変更するだけでモノクロフィルターを楽しめるのはデジタルならではの利点かも。EOSのときはRAWで撮って後でLightroomでモノクロにしていく手順だったのですけど、X-T20を使いだして現場完結のJPGでモノクロが全然OK。後からモノクロに変換しましたっていうのと明らかに感じが違うのが、すごくフィルムっぽくて楽しくなってます。

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2018年4月10日 (火)

富士フイルムさんが白黒付けたモノクロ事情に思う。

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4月6日に、富士フイルムさんがモノクロフィルムと印画紙の販売を終了というニュースが飛び込んできました。で、慌ててこの記事書いてます、掲載予定だった記事と差し替え。すでに製造は終わっているそうで、フィルムは10月頃、印画紙も10月から種類別に順次出荷を終えるそう。フィルムと言えばACROSしかなかったのでこのフィルムなのですけど、これを悲しむべき出来事ととらえるかどうかは、フィルムファンの中でも人それぞれだと思います。
オジサンが写真を始めた頃、父親の知り合いから頂いた古い暗室用品一式でモノクロ写真をやってました。スタートはモノクロだったわけで。その頃富士フイルムさんのネオパンSSよりコダックのトライXばかり使ってましたな。ISO感度100のネオパンSSよりISO感度400のトライXの方が使いやすかったのと、行きつけの写真屋さんの主人が100フィート缶から36枚撮りに巻き直してくれたフィルムを格安で、お金のない若いお客さんに売ってくれていたのでね。
トライXで撮ってD76現像が王道の時代。高感度フィルムの粒状感を少しでも無くすように、現像液の温度や希釈率を変えるなんてテクニックも雑誌に出てましたな。懐かしい思い出です。(笑)
その後富士フイルムさんからネオパン400PRESTOが発売になって、使ってみたらこれがすごく良くて一気に乗り換え。同じISO感度400なのにまるでISO感度100のフィルムみたいな粒状感だった記憶があります。調べてみたら1986年10月発売でした。
行きつけの写真屋さんもモノクロの需要が減ってトライXの巻き直しフィルムもやってくれなくなり、オジサンもすでに社会人として働いていたので、写真に使うお金は自分の稼ぎから出せるようになっていて、もう格安トライXを買うことはなかったですな。
オジサン実はカラーネガフィルムって一番使ってこなかったフィルムなのですよ。モノクロフィルムを使いながらカラーリバーサルフィルムの美しさに魅了されて、カラーと言えばネガでなくリバーサルな人になってしまったわけで。ただどんどんモノクロよりリバーサルを使う事の方が増えていきました。引き伸ばし機が寿命でダメになったのもありまして。自家フィルム現像だけは続けてましたけど、プリントできないとなると撮る数も減りましたな。
ネオパン400PRESTOはホント良いフィルムでよく使いました、それが製造終了になって代わりにACROSになったのですけど、モノクロはISO感度400が大好きだったオジサンにとって、ISO感度100のACROSはすごく良いフィルムなのは分かってましたけどそんなに使ってません。
今回の販売終了でモノクロフィルムの灯が一つ消えてしまうわけですけど、ニュースを見ていて思ったのが、需要がピークだった1960年代の1%にも満たなくなっていて、年率15~20%の割合で需要が減少、コスト削減を進めても採算がとれず安定供給できなくなったとありました、オジサン正直言ってそんなになるまで作り続けてくれたことに感謝したいなと、これが今の気持ちです。富士フイルムさんにありがとうを言わなくてはなりません。買い置きしてあるACROS、使うカメラも吟味して丁寧に使わせていただきます。

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