ご飯を食べられるカメラ。
カメラメーカー各社の、今どきのラインナップを見ていると、明確にプロ用って定義が薄れているような気がします。もちろん最上位機種がフラッグシップ機なのに変わりはないと思いますが、プロは必ずしもそれを使っているわけじゃ無いですからね。
オジサンが仕事で使っていたのはEOS 5D MarkIIでした。当時の最上位機種ではなく、ハイアマチュア向けと言いますか、ミドルクラスの機種でしたけど、仕事のメインだった商品撮影や取材撮影にはこれで十分すぎるくらいでしたから上の機種は要らなかったわけで。
ま、上の機種を望んでも会社に稟議書は通らなかったでしょうけどね。(笑)
周りのカメラマンも大体同じでしたな、フィルム時代に比べてデジタルカメラは高かったですからね。しかも技術の進歩は日進月歩、しばらくするとすぐ新機種が出て来て、高いカメラを買っても元が取れないという。
そうなると売れ筋でスペックも申し分なく、価格的にもこなれ感のあるミドルクラスが一番コスパが良かったわけで。結局EOS 5D MarkIIは13年使いました、アマチュアとは比較にならない量の撮影をするプロの現場で13年ですから、丈夫なカメラでしたな、十分元は取ったかと。(笑)
そもそもハイスペックをありがたがるのはお金を持ってるハイアマチュアですからねぇ。
仕事内容に合わせてカメラを選ぶプロと、高スペックカメラを持ってると自分の写真が上手くなるんじゃないかと思ってるアマチュアとはカメラに望む方向が全く違いますよ。(笑)
だけど思えばフィルム時代のカメラには明確にプロの道具ってのがフラッグシップ機として君臨してましたな。プロカメラマンはそれを使ってるのが当然と言いますか、それじゃないと仕事にならないってカメラがありました。キヤノンF-1やNewF-1、ニコンならF1桁って具合。
今はキヤノン、ニコン、ソニーが3強ですがオジサンの若い頃はキャノンかニコンのどちらかだったのですな。プロの仕事の道具、つまり稼ぎが生み出せて、ご飯が食べられるカメラだったわけで。それ以外のカメラを使っている方はホント少数派でしたな。(笑)
それ以外にご飯が食べられるカメラって何だろうって考えてみたのですけどね、もうひとつ忘れてはならないのがライカかと。それで撮るのじゃなく、高級ブランド品として、カメラの伝説やメーカーの姿勢を褒めそやせば食べていけるカメラですな。
あの方やこの方など、ライカについて書いてご飯を食べてる写真家のセンセイってたくさんいますからねぇ。ネタに困ることはありませんし、一定数の信者の方が推してくれますからホント優等生カメラだわ。(笑)
海外では投資目的で持ってたりする方もいるそうで、そういえばオークションですごい値段になってたりしてますな。だけど超大金で落札して、手元に届いてもそのライカで写真撮ったりは絶対しないんでしょうなぁ。
指紋付けたら値打ちが下がりそうって飾っておくのでしょうか、でもカメラって写真を撮ってナンボですよね。(笑)
| 固定リンク | 4
コメント
こんにちは。
仰るとおりです。かつては各社のフラッグシップ機はプロ御用達というイメージがあって憧れの存在でしたが今や金持ちアマチャンがこぞって買うシロモノですからね。何故か何処のメーカーもマークⅡとか3・・と数字ばかりお尻に付けたがります。
某大佐の言葉を借りれば「所詮mk-Ⅱか」ですよ。私もNewF-1のモードラ付きを所有していますが旧F-1同様手放す気はありません。カメラ一台に100万円? どうせすぐに次の機種が出るのに..。
投稿: 回答キッド | 2025年1月11日 (土) 09時18分
回答キッド様、おはようございます。
カメラが高額製品から電化製品と言いますか、写真や動画が撮れるパソコン化してしまってからオーラや威厳や重みが無くなったような気がします。
カメラを使う層や意識も変わりましたしね。なんちゃってカメラマンや、片手間フォトグラファーとアマチュアが支えてるカメラ業界って感じ。
ライカはその辺りうまく立ち回って、ブランドに写真を撮る道具とは違う価値を作り上げてますね。
投稿: よもかめ亭主 | 2025年1月11日 (土) 09時58分
重み、無くなりましたね。
EOS R1なども100万円するのに数年もすればmk-Ⅱが出るのは明白です。こうやって次々と金持ちに買わせて(買い替えさせて)いく算段だと推測しますが、いつかは破綻すると思いますよ。
投稿: | 2025年1月11日 (土) 10時31分
そうなんですよ、なんだかケータイの機種変更と言いますか、買い替えに似てきたなって思います。
経済力のある買える人には楽しい世界かもしれませんが、そのために普通の人が使わないような機能を考えたり開発してるのは、方向性が違ってるなぁって感じます。もっとベーシックな機能や仕様でいいから、使うことが楽しくなるカメラを作っていただきたいですね。
スマホじゃ体験できないことってたくさんあるはずなのですけどねぇ、老舗メーカーさんは一体何をしてるの?ってみんなで声を上げましょうか。(笑)
投稿: よもかめ亭主 | 2025年1月12日 (日) 07時16分
なるほど!
携帯の機種変更に似ていますね。アレだってまだまだ使えるのにわざと陳腐化させて最新機種に買い替えさせるという..。
さしずめアップル(iPhone)がライカに相当するのかなあ?
投稿: 回答キッド | 2025年1月12日 (日) 10時09分
回答キッド様、おはようございます。
しかも新機能が必要無かったり、使わないと分かっていても、選択肢が他にありませんからねぇ。(笑)
投稿: よもかめ亭主 | 2025年1月13日 (月) 06時41分
おはようございます。名無しです。今朝も子供の寝ている
間に書いています。回答キッド様やよもかめ亭主様の
仰る通りだと私も思いました。高くなくても使い易ければ
それが、その人にとっての愛機になるのではないかと。
私はあいにくお金持ちの人と結ばれたわけではなかったので、
カメラも相変わらず十年ほど前のデジタル一眼レフ(APS-C)
なんですが、軽くて使い易くて重宝しています♪
投稿: 名無しの用心棒 | 2025年1月15日 (水) 10時33分
名無しの用心棒様、こんばんは。
最新の高いカメラを使ったからと言って、名作が撮れるわけではないことは、お金を持ってるアマチュアの写真を見ればよく分かりますからね。そのスペック本当に必要なの?って方が飛びつくのが最新カメラ。(笑)
投稿: よもかめ亭主 | 2025年1月15日 (水) 17時59分
はじめまして、showalocationsと申します。
子供の頃(80年代)に憧れていたカメラについて検索していたらこちらにたどり着きました。当時ニコンのFE2とかミノルタXDが欲しかったです。
自分のイメージでも当時プロと言われる方々はキヤノン(New) F-1かニコンF一桁シリーズを使っていました。
ここで疑問ですがこの2つである必要性、別の言葉でいえばミノルタX-1やペンタックスLXではいけない理由はどんなところにあったのでしょうか?
自分で考えてみたのですが。
(1) レンズの性能がよい。
(2) 耐久性が高い。
(3) サポート体制の充実(サービスステーションが多い、故障時代替機を貸してくれる、スポーツイベント等でブースを出しており故障したら駆け込めばよい、等々)。
(4) 周りからプロと思われる(クライアントに与える安心感)。
(5) 他のプロも使っているという安心感。
どれもそれなりに大切だとは思いますが。実際に該当しているものはありますか?
投稿: showalocations | 2025年2月 2日 (日) 15時56分
showalocations様、はじめまして、おはようございます。
質問についてですが、(1)のレンズ性能は、性能よりホントに使い物になるレンズのラインナップがどれだけあったかだと思います。有名な話ですが、ニコンは報道関係が多かったですが、キャノンは広告関係が多かったのはカラーバランスが統一されていたからだと言われてました。
ちなみに知り合いの天体写真専門のカメラマンはオリンパスをずっと使ってました。中判カメラではペンタックスはマミヤ、フジと並んでプロで使ってる方は結構多かったですよ。どこのスタジオでもバケペンは見かけましたね。(笑)
(2)の耐久性、(3)のサポート関係、(5)の周りも使ってる安心感についてですが、フラッグシップ機を名乗る機種の耐久性はメーカー問わず同程度だと思います。機種固有の弱点と言いますか故障しやすい部分はありますが、それはメーカーも承知してますから、いかに迅速に修理できるかが、サポートの信頼感だったと思います。キャノン、ニコンはその辺り強かったと思いますし、プロの使用者が多かったのはプロの場合、師匠が使っていたブランドのカメラを自分も使うケースが多かったからではないかと思います。師匠とサービスセンターなどのサポートとの繋がりがそのまま活かせますからね。寿司屋さんで修行後に独立する際、親方が「コイツをよろしく」って自分が仕入れている魚河岸の魚屋に挨拶してくれるようなものでしょうか。(笑)
思い出したのですけど、渡部さとるさんの写真エッセイ「旅するカメラ2」の中に独立するアシスタントがコンタックスを選んだのを、やめた方がいいって止める話があるのですが、結局手早く撮れず師匠のEOSを持ち出すようになって、コンタックスは全部売ってキャノンに乗り換えた話が載ってました。
(4)についてはプロっぽく見られたいのはアマチュアの方ではないでしょうか。クライアントへ与える安心感は撮った写真で信頼に変わりますから、そこに機材の良し悪しは関係ないと思います。
結局のところ、ミノルタX-1やペンタックスLXではダメな理由なんて無いのですが、プロの目で見た時、仕事の現場で必要なものが装備されてなかったり、反対に必要じゃないものにこだわってたりするところが選んでもらえなかった理由じゃないでしょうか。
投稿: よもかめ亭主 | 2025年2月 3日 (月) 09時46分
> キャノンは広告関係が多かったのはカラーバランスが
> 統一されていたからだと言われてました。
これは聞いたことがあります。プロがレンズに求めるものはアマチュアとはまた違うのでしょうね。
> 中判カメラではペンタックスはマミヤ、フジと並んで
> プロで使ってる方は結構多かったですよ。
言われてみればペンタックスは中判も作ってました。LXしか「プロ向け」がなかったわけじゃないですね。
> プロの使用者が多かったのはプロの場合、
> 師匠が使っていたブランドのカメラを自分も使う
> ケースが多かったからではないかと思います。
これは気づきませんでした。師匠から弟子へと受け継がれていくわけですね。むしろわざわざメーカーを変えるとしたら明確な理由が必要なのだと想像します。
> (4)についてはプロっぽく見られたいのはアマチュアの方では
> ないでしょうか。クライアントへ与える安心感は撮った
> 写真で信頼に変わりますから、そこに機材の良し悪しは
> 関係ないと思います。
言われてみれば昔、月刊カメラマンとかの個人広告欄に「キヤノンのプロストラップ○○円で買います」とか出ていました。ストラップで写真を撮るんじゃないでしょうに。
> プロの目で見た時、仕事の現場で必要なものが装備されて
> なかったり、反対に必要じゃないものにこだわってたり
> するところが選んでもらえなかった理由じゃないでしょうか。
納得いきました。わざわざお答えいただきありがとうございました。
投稿: showalocations | 2025年2月 3日 (月) 23時34分