量だけで質が無いのはいかがなものか。
大好きな写真家、森山大道さんは写真について「量のない質はない」と言ってましたが、発表される写真はすごい量だし、しかもそのどれもが力強い写真ばかりということは、表に出てないボツになった写真はきっと半端ない量だと思うのですな。
例えば撮った写真100枚の中から選ぶ1枚と、1万枚の中から選ぶ1枚は質が違うと思うわけで、当然1万枚の中からの方が質が高くなるのはお分かりいただけるかと。
なので森山大道さんの「表に出た写真」の裏にはとんでもない数の写真が埋もれているに違いないと思うわけで。1日歩けば何千枚も撮られるそうですから、その中から選んだ結果、あの力強い写真が残ったのでしょうね。ま、真似してもできるもんじゃないですけどね。(笑)
フィルムカメラで写真を楽しんでいた頃に「リコーオートハーフ」というハーフサイズカメラを初めて使った時のこと。
ゼンマイ仕掛けでフィルムの自動巻き上げをしてくれるのでシャッター押すだけで次々撮れるのですな。まるで辻斬りのように撮り歩けて「おおっこれって森山大道じゃん」って思いましたな。
ハーフサイズなので36枚撮りフィルムだと72枚撮れましたから、じゃんじゃん撮りながら歩けたわけで、それがいつだったかドキュメンタリー番組で見た森山大道さんの撮り歩く姿とオーバーラップしてるなあと悦に入ってました。
なので森山大道さんになったつもりでパシャパシャ撮ってましたけど力強い写真は1枚もありませんでしたな。(笑)
リコーオートハーフって撮ってるとなんだか妙にテンションが上がるカメラだなっていうのが印象だったので、興味のある方は中古カメラ屋さんで探してみてください。
タバコの箱ほどの大きさで見た目もカッコ良く、種類も多くてたくさん生産されたカメラなのでまだまだ見つかると思いますよ。(笑)
そうそう2003年に自腹で最初のデジタル一眼レフ「EOS10D」を買った時、36枚撮ったらフィルム入れ替えのための小休止というのが無いので、メモリーカードの容量が許す限り撮り歩き続けられるのに感動しましたが、おかげで考えないで撮ってると言いますか、ものをちゃんと見ていないまま撮って「量だけで質がない」写真を量産してるなぁって思いましたな。
デジカメってランニングコストがほとんどかからないので、どうしても撮る量が増えてしまいがちですからねぇ。
アマチュアカメラマンでもものすごい量を撮る方がいますけど、残したくなる名作写真のヒット率はどれぐらいなのかと思いますね。今は保存用ストレージもクラウドサービスも大容量で安くなってますから、撮った写真は選ばずに全部残してるのでしょうか。
この場合は「量は稼げど質じゃない」ですかね。(笑)
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コメント
お久しぶりです。名無しの用心棒でございまーす!(サザエさん風)
そうですね、リコーオートハーフ、メモりました。
確かにランニングコストという面では、フィルムカメラに勝ち目は
ないかもしれないですが、あの、自分で撮影した苦労がフィルムを巻き戻す時に
感じる幸福感は、今のデジタルにはない魅力の一つだと思います。
よもかめ亭主様のその上に、さらなる偉大なカメラマンさんがいらしたの
ですね。読み進めるに従い、その膨大な撮影枚数に感嘆驚愕です。
家では毎度お馴染みの子供の成長写真ばかりです。(笑)
母にはまだカメラを向けられません。寂しそうなので。
またお邪魔しますね、バイバイキーン!(笑)
投稿: 名無しの用心棒 | 2024年10月30日 (水) 13時31分
名無しの用心棒様、おはようございます。
フィルムカメラの良さは、成果がフィルムとして残るところでしょうね。手で触れるフィルムという物。デジタル写真は実体のないデータですからね。
リコーオートハーフに興味がお有りでしたら、当ブログの過去記事もどうぞ。ハーフサイズカメラカテゴリーにいくつか置いてますのでよろしく。(笑)
投稿: よもかめ亭主 | 2024年11月 1日 (金) 06時22分