立ち飲み百景85 ワシ死んでへんぞ。
長くやっている昔ながらの立ち飲み酒場って地域密着と言いますか、お客さんも長く通う常連の方が多いのですな。オジサンが顔を出す元町の立ち飲み酒場は平日は仕事帰りのいつもの顔ぶれが集い、土日は競馬ファンがいつもの顔ぶれになってます。
もう一軒顔を出す地元にある古い立ち飲み酒場は、駅からかなり遠くて、しかも住宅街の中にあるので、一見さんのお客さんはまず来ません。地元民と言いますか、ご近所さんだらけ。(笑)流行に乗って次々できている、今どきの立ち飲み酒場とは明らかに雰囲気が違いますよ。
長年通うお客さんが多いですから、酒場で知り合いや顔なじみになった方々もたくさんいます。なので気安くお酒が飲める酒場でありながら、その酒場の空気が気に入って集まった方々のコミュニティースペースみたいになっているのが特徴かと。
地元の立ち飲み酒場は近所の方が多いので、お酒の飲める公民館みたいになってますな。ガラの悪いオッサン、オバハン、ジジ、ババが集っていますからね。
若い人はまるっきりいませんなぁって、そんなややこしい所に入ってきたりは絶対しませんよ。なにしろ前期高齢者が若者扱いのお店ですからねぇ。(笑)
そんな酒場ですから「〇〇ちゃん」なんてちゃん付けで呼んだり、あだ名で呼んだりも日常だったりします。で、そんな常連客濃いめの酒場あるあるが「来なかったら死んだ人扱い。」って暗黙のルール。
いつもお見えになる方がしばらく顔を見せなかったりすると、さっそく死んだことにされてしまってその話題で盛り上がったり、噂話でお酒を飲んじゃうというひどいルールですな。
死んだことにされるだけじゃなく「入院してるって聞いたで」とか「もう自分で動かれへんなっとおらしい」なんて根も葉もない噂が、いかにも見聞きしてきました的に語られてしまうところが怖かったりします。
こういう場所では「ワシ知らんけど」って言いながら、いかにももっともらしく真実味のある話し方をする方がマウント取りますから、生贄になった方はたまったもんじゃありませんな。ちょっと顔を出さなかっただけで、あること無いことでっち上げられて、挙げ句の果てに死んだことにされるわけですからね。(笑)
なのであらかじめ「ワシ、医者の検査で酒飲まれへんから、明日来えへんで」なんて、わざわざ言わなくてもいいのに「死んだ人」にされたくないので予防線張って帰る方も。(笑)
オジサンも足の手術で入院、ひと月以上酒場に行けなかった時は、あらかじめ退院予定日を皆に言って「退院祝い用意しとってね」って入院しましたよ。
言ってなかったら帰ってきた時に「死んだ思て線香あげといたで」って言われてたと思います、そう簡単に死んでたまるかっつ〜の。(笑)
そんな酒場なので沢山の方が殺されてますな、死んだことにされてもゾンビのように現れるのが常連さんの強いところ。ま、強心臓と言いますか、心臓に毛が生えてて殺しても死なないような方ばかり集ってますから当然ですけどね。(笑)
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