写真の仕事をしていた頃。(笑)
写真の仕事をしていた頃勤めていたスタジオは、厨房完備のいわゆるキッチンスタジオでした。フードスタイリストが調理したものをカメラマンが撮影するというのがメインのスタジオ。
商品撮影や取材撮影など調理以外のものも撮ってましたけど、一番料理の撮影が多かったのですな。和洋中ならず様々な食器類や小物が壁に作り付けの棚に並び、どんなシーンでも撮影できるようにしてました。
撮影内容は実に様々で、袋から出したお菓子をお皿に並べるだけの簡単なものから、数日前から仕込まないといけない手のかかるものまで色々撮ってましたね。その頃の思い出を忘れない内に記事にするのもいいかなと思ったわけで。(笑)
お菓子を並べるだけのスタイリングでアンパンマンのお菓子を撮った時のこと、パッケージを開けても一番メインのアンパンマンの形のお菓子が全然出てこなくてバイキンマンや食パンマンなど他のキャラクターのばかり、このままじゃ撮れないのでメーカーに再度手配でアンパンマン待ちになったことがありました。(笑)
ディズニーでもスヌーピーでもこの手のキャラクターお菓子って開けてみるまでわかりませんからね。たかがお菓子ですけど、どうぶつビスケットやおっとっとは写真に全種類が見えてないとNG、まずステンレスバットの上に全量出して、割れたのは除き形の整ったものを選んで盛り付けてましたなぁ。(笑)
手間がかかる撮影で一番大変だったのは炭火撮影。七輪に炭火をおこし、網の上で魚の干物やお肉を焼いてるなんてシーンね。換気扇やエアコンが付いてると空気の流れができて煙がそっちに行っちゃうので付けられないのですな、なのでスタジオ内は煙モウモウ。
網の上の食材をまずストロボで撮って、すぐに室内の電気を消して長時間露光で炭の火を撮ったものを後で合成するという手順だったので全員総出でしたな。
みんなでセットを囲んで火加減、焼き加減、煙の位置などのベストなものが撮れるまで、何テイクも撮影しなくてはならないのですけど、撮ってる最中にピンポーンってインターホンが鳴ったのですな、来客かと出てみたらセコム。
どうやら煙モウモウにセンサーが反応したみたいで火事と間違えて飛んできたわけで。撮影風景を見て納得してましたけど、きっと驚いたでしょうなぁ。(笑)
まだ世に出ていない新商品の撮影なんてのもよくやりました。商品パッケージに使うための写真なんてのね。そういうのはメーカーのご担当者立ち会いで撮影、事前に頂いているパッケージデザイン案をパソコンに表示しておき、撮った写真をその場ではめ込んでみて、商品ロゴやキャッチコピーなどがかぶらないかなどをチェックしてもらってました。
OK後しばらくすると発売になった商品を送ってくださったり、スーパーやコンビニで見かけたときはちょと嬉しかったりしましたな、他社商品より目立つようにこっそり並べ替えたりなんかしてましたよ。(笑)
思えば実に色々なものを撮りましたけど、撮影の仕事って全てお客様の要望に沿ったカスタムメイドだったから面白かった部分もありますね。思い返せばまだまだいっぱい出て来ますけど、今日はこの辺で。(笑)
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