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2023年9月23日 (土)

とうとう終わり、有楽名店街の思い出。

JR元町駅の地下に阪神電車の元町駅があります。その改札階の横の路地にあるのが「有楽名店街」東と西の改札を結ぶ狭い通路の両脇に酒場がズラリ並んでいるというディープスポット。
防災上の理由から阪神電車が2016年3月で閉鎖のニュースが流れて、いくつかのお店は無くなってしまったのですけど、その後も数十軒営業しているお店があったのですな。
ところがコロナによる客足減少などでこの9月末で完全閉鎖が決まったわけで、とうとうこの歓楽街も76年の歴史に幕という記事が地元新聞に載ってました。
若かりし頃ですけど、1人で飲み歩くのが楽しくなってきて、ここの東側入口にあった「寿海」という大衆酒場によく通ってました。カウンター、テーブル、座敷席のある広いお店で、仲居さんも7〜8人は居たと思います。
お一人様からグループまで全方位OK、壁にはお品書きの札がずらりと掛かっていて、なんでもあるお店でした。いつ覗いてもいっぱい、豪快な女将がだみ声で「おかえり」って居心地のいい庶民の酒場でしたな。
女将はこの商店会の会長だったので、全部のお店を知っていて、カラオケが唄いたいって言えばあのお店に、寿司が食いたいって言えばこのお店にって紹介してくれましたよ。それで教えてもらった寿司屋さんにもよく行きましたなぁ。(笑)
女将が亡くなられてだんだん足が遠のいたのですけど、一時期毎日のようにここで一杯やって帰るのが楽しみだったのを思い出しました。
オジサンが生まれる前からある歓楽街で最盛期は約120メートルの狭い通路に約50軒ものお店が軒を連ねていたそう。オジサンが通い出したころもスナックからカラオケの唄声が漏れまくって反響、天井の電飾もハデハデで賑やかでした。
この名店街、お店にはトイレが無く、通路の真ん中にあった共同トイレを使うという仕組み。女性トイレはお店で鍵を借りて行き、中から閉めるようになってましたよ、共同トイレなんて言葉ももう通じないかもしれませんなぁ。(笑)
狭い場所に酒場がギュッと密集してますから、酒飲みはココで完結できました。居酒屋で一杯やった後、スナックやバーなど何でもござれ、何軒かはしご酒するのにも便利な歓楽街でした。

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これで最後ってニュースを見てから、懐かしさもあって何度か通り抜けてみましたけど、ほとんどのお店はすでに閉店、扉に南京錠で施錠してましたな。
無くなった後はどうなるのかは分かりません。今どきの防災基準から行けば問題ありな空間ですから、新しくお店ができたりすることはないでしょう、お店を撤去して駅のスペースとして利用するのかもしれません。
なんだか歳を重ねると思い出の中の景色ばかり増えていきますなぁ。
※その後通ったところ、10月11日から通路を封鎖して工事予定って告知が貼ってありました。


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