欠点を味わいに出来るのがメイドインジャパン。(笑)
先月中旬にペンタックスのKマウント用交換レンズ2本の発表がありました、どちらも同じ50mm標準レンズで、1991年発売の「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」をベースにして開発されたそうなのですけど、描写特性が違うレンズなのだそうですな。
レンズ構成や絞り羽根枚数、フィルター径に最短撮影距離は共通だそうですけど「HD PENTAX-FA 50mmF1.4」はHDコーティングを施した現代版50mmレンズということで、ああそうですかって感じ。
特に興味は持ちませんでしたけど、オジサン気になったのがもう1本の「smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic」ってレンズ。名前の最後に「Classic」って付いてるので想像が付くと思いますけど、古いレンズで発生しがちな「虹色フレア」が発生するようにチューニングしたそうで、逆光撮影時に絞りを開放にするとキレイな虹の輪が出現するそうですな。
そもそも虹色フレアが出現するなんてのはレンズとしてはダメダメな欠陥品。ところがペンタックスさんはそこを逆手に取って「味わい」にしてしまったわけで、その辺り上手いな~って感心したわけですよ。
同じ50mm標準レンズで片方は最新最先端、もう一方はダメレンズのリバイバルという真逆なラインナップ。両方買っちゃうPENTAXIAN(ペンタキシアン=ペンタックスファンの呼び名)な方いらっしゃるでしょうなぁ。リコーイメージングさんは、こういうファンをくすぐる商売がお上手ですからねぇ、ある意味幸せの落とし穴がいっぱい。(笑)
オジサンが感心したのは虹色フレアの発生をコントロールという技術的な部分。実は手持ちの中華マクロレンズ「TTArtisan 40mm F2.8 MACRO」は絞り開放で逆光時には意図しないのに、派手でギトギトな虹色フレアがドバ~っと画面を覆い尽くし、まともに撮れない超ダメ性能。
設計時に抑え込むことが出来なかったのでしょうなぁ。発売時のレビュー動画でも逆光性能のお粗末さがあちこちで指摘されてましたからね。(笑)実際に撮ってみたのが下の写真、ひどいでしょ。2枚目は同じ場所で純正レンズXF23mm F2で撮ってみたものです。
で、ペンタックスさんはこれを味わいにまで昇華させてるわけですからこの辺りがお隣の国のレンズとの根本的な違いかと。ま、お値段も根本的に違いますけどね。(笑)
ダメージジーンズって呼ばれる、わざと裂いたり傷をつけた破れかぶれのジーンズがありますけど、履いてるうちに勝手に破けちゃったのとは違います。「わざと」の部分に技術やセンスが隠れているわけで、そのあたりが差なのかもしれませんな。
ただし使う人にセンスが無かったら、どんなにすごいレンズを使っても何にもなりませんけどね。オジサンがダメージジーンズ履いてもイケオジにならないのと同じです。(笑)
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