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2023年5月14日 (日)

プレスガラスのお皿とベルギーワッフル。

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ベルギーワッフルは生地を型に入れ圧して焼くことで、同じ形のが一気に大量に作れます。この方法を応用して型を食器などの形に作り、入れる材料を溶けたガラスにすればガラスの器を大量に作れます。「プレスガラス」ってそういう方法で作られるガラスの器のことなのですな。
ガラスの技法には「吹きガラス」がありますが同じ形のものを作るのは困難。なので溶けたガラスを型に吹き込む「型吹きガラス」が登場、同じ大きさ形のものが作れるようになりましたけど大量生産は無理。その後登場したプレスガラスはプレス機で挟むので効率アップ、大量生産が可能になりました。
我が国では幕末から明治時代にかけて、ヨーロッパのプレスガラス器が輸入され珍重されたそうで、国産は明治時代にイギリスの機械が入ってきてからでした。
その後様々なガラス器が量産できるようになって安価で出回り、庶民の生活にも浸透していったのですけど、この「型」が曲者で同じ型を使えば、どの国でも同じものが作れてしまうのですな。なので最初の頃はプレス機と一緒に輸入した型を使っていたみたいで、イギリス製と日本製の全く同じ模様の皿が存在します。
ただ日本製はまだ稚拙でガラス素材も良くなく、気泡や不純物が入ってたりして明らかにBランク品って感じでした。(笑)その後西洋風じゃない日本独自デザインや和の意匠のものが登場します。
明治38年(1905年)日露戦争での旅順陥落、日本海海戦の勝利で戦勝記念グッズがたくさん世に出回ったのですが、当然プレス皿も色々発売されそれらは年代を特定できます。

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上の写真の右側4枚がそれで、一番下のは東郷平八郎大将のレリーフ皿。周りに「A GOOD NAME IS BETTER THAN RICIIES(名声は富より勝る)」って格言が刻まれてます。だけど「RICIIES」は綴り間違いで「RICHES」が正解、真ん中の「H」の横棒を彫り忘れたのでしょうなあ。明治時代だから誰も気が付かなかったの?(笑)
写真左側の4枚は下2枚が和の意匠で下が「水車に一つ巴文」上が「君が代に桜文」。左上の小皿はベルギー製で透明度も高くレリーフもきれい、左隣が通称「ポンド皿」と呼ばれていて「ちりも積もれば山となる」って格言が周囲に入ってます。
そもそもプレスガラスって大量生産前提ですからアンティックショップでも安く、デザインが豊富で楽しくよく集めてましたね。
今時のアンティックショップを覗くと、オジサンが子供の頃に使っていたプレスガラス器が並んでたりします。「あ〜コレ家にあったんと同じや〜」って思いながらちょっと複雑な心境、そうか昭和30〜40年代ってもうアンティックなのかと。(笑)
最後に幕末から明治のはじめ頃に輸入された色とりどりのプレス皿の写真を下に掲載。これベルギー製のカッププレートで19世紀中期のもの。直径9〜10cmの小皿ですけどガラスの質も厚みも、レリーフの彫りの深さも国産とは別物、色もきれいですしね。ベルギー製ってところにワッフルとの共通点を感じましたな。(笑)

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