フィルム劣化で見えてきたこと。
加水分解進行中で、酸っぱい酢酸臭がするフィルムを、片っ端からデジタル化しています。と言っても調べてみると、かなりの数がすでに終わっていたので、そこから漏れていたものをデジタルカメラで複写してデジタル化、ほぼ完了に近いところまで進みましたよ。
で、すでに済んでいるものを見てみるとニコンのフィルムスキャナ「SUPER COOLScan4000ED」で取り込んでましたな。調べてみると発売が2001年でその時買って、故障で使えなくなったのが2016年でしたから15年の長きに渡り活躍してくれたわけで、相当な枚数をこれでスキャンしたということ。
その後はデジタルカメラで複写するスタイルに変えました。2000万画素超えのカメラで複写したものは、もう十分すぎるクオリティーですからね。(笑)
で、必要なものだけを最短でデジタル化するために、酸っぱい香りのしているフィルムボックスを調べるといいますか、観察してみたところ、加水分解で劣化が始まっているのは全てネガフィルムだというのが分かりました。しかも雨樋のようにカーリングしているものほど、しっかりとした酢酸臭が漂い、ネガ袋にくっついて一体化しかかっているものもありました。
ところがリバーサルフィルムは全く匂いもしませんし、カーリングもしていないというのを発見、どのリバーサルフィルムも全く問題なしなのを確認したのですな。
フィルムの劣化って見た目での判断するのは、カーリングしているかどうかが分かれ目って感じがしましたよ。なのでなぜかリバーサルフィルムでは起こってないのが不思議でしたけどね。
だけど劣化の始まっているネガフィルムと一緒にぶっこんでいると、影響を受けて良くないだろうと思い完全に分けました。日付順に入れていたのを、更にリバーサルとネガでフィルムボックスを完全に分けて保管することに。
一度加水分解の始まったものはどんなに完璧に保管しても、劣化は進行して後戻りできないですから、完全に隔離して少しでも劣化を遅らせるしか無いのですな。
なのでネガフィルムはこのまま酸っぱい香りを放ちながら、フィルムボックスの中で朽ち果てていく運命になると思います。この先酢酸臭が外に漏れて耐えられない状態にまでなったら、さすがに処分するしか無いかもしれません。だけどデジタル化してあればフィルムは朽ち果てようとそこは安心。
これってなんだか本を電子書籍化するのと似てるなって思いましたよ。随分前ですけど、劣化して読めなくなりかかっていた古いカメラ雑誌を、ドキュメントスキャナを使って電子書籍化。雑誌はすべて資源ごみに出したのですけど、PDFファイルにデジタル化してあるので今でもipadやパソコンで読めます。
物理的に劣化から逃れられないものはデジタル化しておくのが安心、当たり前過ぎますけどこれしか無いでしょうな。(笑)
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