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2022年10月15日 (土)

お仕事用レンズは意外と少ない。

現役の頃、仕事で使っていたレンズはそんなに多くありませんでした。100mm F2.8マクロと24mm、45mm、90mmのアオリレンズを商品撮影やイメージ撮影メインで。16-35mm F2.8、24-70mm F2.8、24-105mm F4、70-200mm F4のズームレンズは取材の際によく使ってましたね。
圧倒的に使用率が高かったのが100mm F2.8マクロ、カメラメーカーのカタログに出てくるような花や昆虫の作例写真のような使用場面は仕事ではまずありません、チラシやカタログに掲載される商品の撮影、いわゆるブツ撮りには欠かせないレンズとして使ってました。
自然なパースペクティブと適度な遠近感で歪み無く撮れるところと、ガッツリ寄れるのが物撮りに適しているのですな。衣料品の生地モコモコ感をアップで撮ったり、サプリメントの錠剤なんて小さなものから、調理器具のセットをズラリ並べた集合写真まで、スタジオ業務には一番必要&活躍してくれたレンズでした。開放絞りF2.8で使うことなんてほぼ無し、F16以上にガッツリ絞り込んでましたな。(笑)
アオリレンズはピント位置のコントロールが必要な場面で出番が多かったレンズでした。テーブルにたくさん並んだ料理を手前から奥までピントが合った状態で撮るとか、ソースやシロップをかけてる部分だけピントが来てるなんてシーンを撮るのに活躍してましたよ。
ズームレンズをスタジオ内の撮影で使う頻度は低かったですけど、お店でのメニュー撮影などにマクロレンズと共に持っていってましたな。引き場の無い所で活躍してました。(笑)
よく言われる「大三元」なんて広角、標準、望遠域までカバーする、開放絞りF2.8通しのズームレンズ3本の組み合わせがありますな。有名写真家のセンセイなんぞが、それで撮った写真を載せてる「見たらヤバイ」サイトや動画もたくさんあります。
そういうのを見て物欲に火がつくのでしょうか、アマチュアでも持ってる方多いみたい。そこまでのレンズが必要かというより、その装備を持ってる安心感も購入動機なのかと。
明るいだとか大口径って言葉はレンズ好きにとっては聞きたくないそそるキャッチコピーなのはオジサンもよ〜く分かりますよ、ですけど実際の現場ではF2.8で使うことなんてまずありませんでしたな、たいてい少し絞り込んで撮ってました。広報関係の仕事ですと状況が分かるようなのを求められる事が多かったですから、背景ボケボケが喜ばれるってわけじゃない。(笑)
なのでそれよりも暗いF4通しだけど、その分小型軽量なレンズの方が取り回しは楽で機動力がありました。なにしろカメラバッグ担いで両肩にレンズ付きボディーを提げて走り回らなくてはなりませんでしたからね。
知り合いのカメラマンも大体同じような装備、使ってるカメラのメーカーが違えど、同じ焦点距離やスペックのレンズが仕事の現場では求められてたのですな、なのですごく地味。純粋に写真を楽しんでいるアマチュアの方のほうが個性的なレンズをたくさん持ってると思いますね。(笑)

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