撮るか撮らないかの、選択しながら歩いてる。
カメラを持っての街歩きって観察と発見の繰り返しですけど、同時にそれを撮るか撮らないかの選択の連続でもありますな。
フィルムの時はその辺りがシビアでした「36枚撮り」なんて箱に表記してあって、撮れる枚数がフィルムの制約を受けましたからね。ガッツリ撮る時はそれだけの数のフィルムを持ち歩かなくてはなりませんでした。
例えば6×6の正方形フォーマットの中判カメラだと120フィルムでたった12枚しか撮れません。なのでしっかり被写体を観察し、撮るか撮らないかを吟味して決めなくては、フィルムがいくらあっても足りなくなりますから、一枚一枚じっくり丁寧に撮ってましたな、そんなのが中判カメラを使う醍醐味でした。(笑)
時代がデジタルカメラになってからは、切手ほどの大きさのメモリーカードにバカみたいに、たくさん撮れるようになりました。
物理的に一回こっきりのフィルムと、中身を消して何度でも使えるメモリーカードとでは、まるっきり性質が違いますけど、撮る時の観察と発見や、撮る撮らないの選択は同じ作法ですから変わりはありませんでしたな。
ただ迷ったら押さえておくと言いますか、とりあえず撮っておくのが当たり前って流れに変わってしまいました。その場で確認できることも大きかったと思います。
仕事で撮ってた時も、すぐ確認してもらえることが仇になって、次から次から要望が、結局山ほど撮らされたことがありましたよ。数が多いと後の画像処理が大変なんですからね。(笑)
ま、そんなデジタルの時代、おかげで撮る量とバリエーションは増えましたけど、決め手に乏しいダメ写真も増えましたな。何を思って撮ったのか後で自問自答しても、よく分からないで撮ってたとしか言えない写真が、メモリーカードの肥やしになってたりしました。
そんな膨大な量からOKカットだけ選択していくと大して残りませんな。結局撮る時にじっくり考えて撮った方がOK率は高いですよホント。(笑)フィルムで撮ってた時と同じで、デジタルでたくさん撮れるようになろうが、撮る人間の頭の中が変わってないのですからね。
フィルムの時なら撮らない選択をしたであろう景色を、デジタルになってからはとりあえず撮って、捨てるか残すかの判断が後から出来るようになっただけで本質は変わりません。
迷ったらとりあえずシャッター押しちゃえ病という、デジタルならではの悪い作法に毒されてしまってますな。
なので撮影現場でじっくり吟味していた頃を思い出しながら街歩き。撮るか撮らないかの選択は現場の空気感が教えてくれますよ。(笑)
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