TTArtisan 23mm F1.4は、落差を楽しめないと無理。
開放絞りF1.4でお値段約1.5万円の格安中華レンズ「TTArtisan 23mm F1.4」。購入前にレビューを色々見ましたけど、写真家の諏訪浩二さんと塙真一さんの動画が役に立ちましたな。第一線で活躍する写真家のレビューですから信頼できますし、内容もツボを押さえてるなって思います。
その中で指摘されてた画面に太陽を入れた場面で発生するゴーストと周辺光量落ち、試してみたところまさしくその通りになりました。(笑)
ナニコレって感じのゴースト、まるで太陽の周りにまつ毛が生えたように出ましたな、画面内の太陽の位置によって出る場所が変わりますが下の写真のようにハッキリクッキリ出ます。
ところがこれはF1.4だけ、絞ったとたんにスッと消えちゃうのですな。きっと内面反射のせいだと思うのですけどねぇ。こういうのに対しておおらかすぎるところがお隣の国かと、国産メーカーだったら即行クレームですからね。
そういえば昔キャノンさんでEF24-105mmF4L IS USMの初期ロットがゴースト発生、無償修理になったことがありましたな。オジサン太陽を入れるような極端な撮影は、ほぼしないので気にしませんけどね。(笑)
上の周辺光量落ちの作例はポートライナーから港を開放絞りF1.4で撮ったものです。ご覧の通りガッツリ画面の4隅が暗くなってるのがお分かりかと、F2でかなり改善、あとは絞るごとに良くなっていきますけど完全に無くなりません。絞り違いによる描写の比較も、画面中心部と周辺部を拡大したものを載せておきますのでどうぞ。
見ての通り画面中心部分は大きな差を感じませんけど、画面周辺部分は絞りごとの落差が大きすぎて笑いました、とても現代のレンズって感じじゃない。以前、60年ほど前のハーフサイズカメラ「リコーキャディ」と「オリンパスペンS」のレンズをXマウント用に改造しましたが、それの方が描写は遥かに優秀でしたなって、オールドレンズに負けたらアカンがな。(笑)
画質がベストな絞り値はF5.6とF8だと思いました。F16まで絞ると光の回析現象でボケます、なのでF11の表示とクリックが省略されているのがつくづく惜しまれますな。
なおピントリングの無限遠(∞)表示はオーバーインフなので、これを信用すると確実にピンボケになります、遠景にピントを合わすときには必ず目で確認が必要、カメラのフォーカスアシスト機能をフル活用した方がいいかと。さらに被写界深度目盛りも表示されているだけでまるで当てになりません。これに関しては別記事に書きます。
で、まとめといいますか、このレンズの印象や写りについて。まず画質はカリカリシャープって感じはしませんでした、絞り込んでもその感じは変わらず。特に開放絞りF1.4はホント柔らかい感じですし、さらに画面中央部と周辺の落差がすごいので、まさしくオールドでクラシックなレンズで撮ってるような感じです、樽型の収差もありますしね。
今時の国産優秀レンズとは真逆の個性といいますか、クセのある描写をどこまで楽しめるか、許容できるかが評価の分かれ目かと。だけど開放絞りF1.4なので背景をぼかしたSNSウケする写真を撮るのには面白いかも。(笑)
23mmの画角が好みのオジサンは持ってて損はないなと思ったので買いましたけど、昨年買った同じTTArtisanの35mm F1.4と比べると操作感、価格、大きさ重さ、描写までも落差がありすぎて見劣りしてしまいましたので、オススメしたいけどオススメしにくいってのが本音です。F1.4の明るい大口径レンズがこの価格はありがたいのですけどねぇ。
なので広い心を持った太っ腹な方、山ほどレンズを持ってて欲しいレンズが無い方限定でオススメってことにしておきましょうか。(笑)
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