不味いと、美味しくないは、全く別物。
高校時代の学食メニュー「カツそば」、友人たちはいつも不味い不味いって文句言ってましたけどオジサンは好きで、出汁が染みたカツって美味しいなぁって食べてました。文句言いながら在学中何度も食べてたくせにね。(笑)
このカツそばって鯨カツでした。鯨肉嫌いには美味しくなかったのかも、だけど不味いとまで言う必要は無いかと。「不味い」って味わいだけでなく作ってくれた方や、提供されるまでの手間暇全てを否定しているように聞こえてしまうのですな。
例えば塩と砂糖を間違えて作ったなんてのは明らかな失敗調理ですから、不味いと言っていいかと。だけどちゃんと作ってくれた食べ物を、口に合わないから不味いなんてのは言い過ぎだと思うわけで。
東京農大名誉教授で農学博士の小泉武夫先生の食にまつわる著書が好きで、今まで何冊か読みましたが、その中に「不味い!」ってタイトルのエッセイ集があります。不味さがテーマの画期的な食のエッセイ。
不味さの原因が分かる博士が書いているので、読んでて納得は出来るのですけど、アレもコレも不味いって何度も出てくると、なんだか普段食べているものも、身の回りにある食べ物も、ダメなものばかりに思えてきて、読む気と食欲が失せるという。(笑)
で、この中に「病院の食事」という一編があります。少し前に入院していたオジサンにはタイムリーなのですけど、正直言って病院関係者や入院予定の方は読まない方がいいと思いますね、かなり気分を害する内容です。(笑)
病院食が不味くて手を付けない小泉先生、見舞に鰻重や寿司など食べたいものを持って来させて食べまくり、退院時には体力回復してメデタシってオチですからかなりヒドイ。(笑)
お偉い先生が手を付けないぐらい不味い食事だってわざとじゃなくて、作る側だって美味しいもの食べて、体を治して欲しいって思ってるはず、ところが病院ですから、そこに医学の壁が立ちはだかってるわけで。
病院食は食事である前に、治療の一環ですから、味付けより医学療法優先。オジサンも中性脂肪値でレッドカード、脂質制限食を申しつけられました。あらゆる料理から脂っ気が無くなって、さらに超薄味過ぎてホント美味しくないのよ。
でも不味いとまでは言いませんよ。味が悪いわけじゃないし、ちゃんと作ってくださってる方に申し訳ないですからね。毎回ちゃんと完食、食べたかどうかも看護師さんに調べられます。(笑)
不味いとまで言うのって、ほとんどが口に合わない程度のことなのじゃないかと。なかなか経験できない病院食も、味付けが家庭的じゃなく医学的だっただけ。
なので不味いと美味しくないは別物、カンタンに不味い不味いって言うのは失礼だと思いますよ。(笑)
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