無知だから撮れた写真もある。
先月11月3日の神戸新聞に「昭和の遊郭一斉閉店 尼崎かんなみ新地 営業70年で初の警告」という記事が出ていました。大阪には有名な飛田新地(飛田遊郭街)と松島新地(松島遊郭街)がありますが、兵庫県尼崎にも「かんなみ新地」と呼ばれる遊郭があります。
尼崎市神田南通3丁目という地名から通称「かんなみ」と呼ばれているのですけど、夜になると開いた玄関にピンクの照明がともり、客引きの「やり手婆あ」と呼ばれるオバちゃんと、奥に艶かしい格好をしたお姉さんが座っているという。お客さんは品定めをして、気に入った娘がいたら2階に消えていくという風俗店。
この手の遊楽街は、表向き飲食店の形で営業していて、いわば黙認で続いていたわけですけど、それに対し尼崎市と県警が風営法に基づいて警告を出したそうで、一斉に閉店になったわけですな。
グーグルマップで見てみると分かるのですが、数十メートル先に小学校と幼稚園があるという場所なので歓楽街の前は通学路という。尼崎ってディープなところが多くて、よく写真も撮りましたけど、初めてうろうろした時、風俗店が立ち並ぶ前を学校帰りの子供達が普通に歩いてるのに驚いた覚えがあります。さすが尼崎って思いましたけどね、今時の基準から行くとアウトでしょうな。
かんなみ新地も何度も周辺住民からの治安に対する不安のクレームが上がってたみたい、さらにコロナ禍で県警が取り締まりを強化しているにもかかわらず営業を続けてたお店があったそうで、もはや目を瞑るわけには行かなくなったようですな。営業再開はもう無理なんじゃないかと思いますね。
で、何でかんなみ街のことを記事にしたかというと、2015年8月22日に「写真撮ってはいけない場所」って記事を書いているのですけど、松島新地と知らずに、雰囲気のある建物がいっぱいあるなってパシャパシャ写真を撮ってて、後でそこが遊郭街だと知って冷や汗って内容でした。基本的にカメラを構えるのはマズイ場所ですからね、無知というのは恐ろしいわけで。
同じことをかんなみ新地でもやってしまってたという。商店街を抜けて少し歩くと、雰囲気のいい建物を見つけたので、写真撮ってたのですけど、それがその遊郭だったという冷や汗オチ。
その時はまだかんなみ新地なんて全然知らなかったので、ただ建物への興味だけで撮ってたわけですけど、昼間だったので大丈夫だったのかもしれません。つくづく無知って恐ろしい。ですけど、今思えば無知だったから撮れたというのもありますね。今ならとてもできませんよ。(笑)
| 固定リンク | 0
「 街のあれこれ」カテゴリの記事
- 海が見えないと、神戸って感じがしないのよ。(笑)(2024.05.11)
- ガイコツ写真に骨を折る。(笑)(2024.07.06)
- ちょっと三宮じゃなくて、明石でお買い物。(2024.03.21)
- 寂れた街や廃墟ばかり撮ってるわけじゃないのだけれど。(2024.03.24)
コメント