フィルムが遠ざかっていく。
富士フィルムさんのリバーサルフィルムVelviaが発売された時、試しに使って見て、その色鮮やかさと深みのある写り具合にすっかり虜になってしまって以来、ほぼVelvia一辺倒。もちろん他の銘柄も使いましたけど、メインで使うのはいつもVelviaでした。フィルムって気に入った銘柄を長く使う方が、プロアマ関係なく多いと思いますね。
フィルム時代に仕事を頼んでいた、いくつかのスタジオもそうでした。富士フィルム系、コダック系があって、その中で使う銘柄が決まってたのですな。商品撮影では色の再現って重要でしたから、発色を揃えるため乳剤のロット番号による、発色傾向のデータがプロラボの掲示板に貼ってあった時代。
プロカメラマンほどフィルムには保守的でした、新商品が発売されても慎重にテスト撮影してからしか実戦投入しないですし、使い慣れた銘柄が製造終了なんて場合は、山のようにストックしてらしたのを思い出しましたよ。
印刷物に使われることが前提の商業写真はリバーサルフィルムだったのですけど、七五三や成人式、家族写真が専門の写真館はカラーネガフィルムを使ってましたな。プリントして納品ですから当然かと。今年そんなフィルムのラインナップから、シートフィルムや中判用120フィルムを中心に、いくつかの銘柄が生産終了になりました。
中でも「PRO400H」の120サイズは予想以上の注文殺到で、終了時期を大幅に前倒しってニュースがありましたな、みなさんストック用に買いに走ったのだと思います。それだけ需要があるなら、作り続けてくれればって思うでしょうけど、事業として成り立つ量には、全く届いてないのが実情かと。
「生産効率の向上や経費節減など、懸命なコスト吸収につとめて生産してきたが、生産に使用する原材料の一部の調達が困難になったため、やむなく生産販売を終了することにした」とのことですが、この先この言葉を目にする機会が増えるかもしれませんな。
フィルムって化学薬品の塊ですからね、環境負荷などが厳しいご時世に、材料が使えなくなるとそこで終わらざるを得ないでしょうし、フィルムカメラを楽しむ方が増えたって微々たるものですからね。今まで作り続けてくれたことに感謝しなくてはなりません。だけどネガフィルムが無くなるとは思ってませんでしたな、リバーサルフィルムの方が先だろうって思ってましたからね。
オジサンも数年前にはフィルム命、フィルムがある限り使い続けますなんて記事を書いてましたけど、経済的理由で手が出なくなってます。ホント高くなりましたからね。現像代も含めるとそれなりの出費、オジサンが大好きなリバーサルフィルはネットか大手量販店しか置いてないですし。
作り続けてくれるとして、この先も値上がりはあるでしょうな。貧乏でフィルムが買えないなんて、写真を始めた若い頃と同じになってます、歴史は繰り返すわけで。(笑)
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