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2021年8月 7日 (土)

そのカメラ、フルサイズじゃないとダメですか。

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デジタルカメラが本格的に普及しだした頃って、新機種が出るたびに画素数が増えていきましたな。画素数が多い事が、必ずしも高画質とは限らないのですけど、セールスポイントとしては実にアピールしやすかったですからね。
気がつけば画素数の多さが、高画質の代名詞みたいになってました。メガピクセルなんて言葉がカタログに踊り、認知されていった頃。今でもまだ、セールスポイントに画素数第一みたいな、打ち出し方をしているところはありますけどね。(笑)
本来ならセンサーサイズも考えた上での、画質の話じゃないとおかしいのですけど、画素数だけが独り歩きしちゃいましたな。そのセンサーサイズの「フルサイズ」って言葉も同じように見えてしまいます。
特にソニーさんのシェア拡大に対抗して、主要各社が一斉にフルサイズミラーレスに参入してからは、すっかり認知されて、フルサイズミラーレスこそがこれからのカメラ的な雰囲気がありましたからね。
ただオジサンはそういう空気に逆行しています。(笑)メインで使っているのはAPS-Cセンサーサイズのミラーレス一眼、もうねコレで十分、不満はありません。
もちろんセンサーサイズが大きな方が、階調表現や暗部の描写に優れているのは百も承知しています。10年以上仕事ではフルサイズ一眼レフをメインで使ってましたから。
ただ経験上、2000万画素を超えると、APS-Cでも全く問題がありませんでしたな、出来上がったカタログや、パンフレットの掲載写真を見て、気が付く人なんて誰一人いませんでしたからね。
取材の際は、サブに持っていったAPS-Cカメラを、状況に合わせて使い分けたりしてました。センサーサイズが小さい分、カメラも小型軽量ですし、レンズもコンパクト。一日中カメラを持って動き回らなくてはならないわけですから、大きさ重さってスゴク重要だったわけで。
さらにフルサイズってデータ容量も大きいので、後処理にも時間がかかります、大量のRAWデータをパソコンに読み込んで、選んで処理して書き出して、サーバーにアップして納品ってのが流れでしたけど、客先から「SNSに上げたいので明日の朝イチ納品ヨロシク」なんて無茶振りメールが来ると残業で帰れねぇでしたな。どんなに爆速のパソコンを使っても、処理する枚数が多ければ、それなりに時間がかかりますからね。
ま、APS-Cでも十分なクオリティって分かってから、プライベートではフルサイズは徐々に使わなくなりましたな。で、数年前富士フィルムさんのX-T20でAPS-Cミラーレス一眼デビューしたオジサン、カメラもレンズもちっちゃい軽い、画質は全く不満を感じなかったのでRAWで撮らずJPGオンリー、だけどすぐメインカメラになりました。
カバンの隅っこに入る大きさってホント正義、なので雨の日以外はほぼ持ち歩いてました。カメラがX-T30、X-S10になっても変わりません、オジサンの常用カメラはAPS-Cで決まり。
いつもカバンに入っているということは、当然撮る頻度も量も増えます。おかげで、より一層写真が楽しくなりましたよ。オジサンの身の丈といいますか、ショボい体力に合ったカメラだと思っています。
どうしてもフルサイズのクオリティーが欲しい、そのためなら機材のデカさなんて関係ねえって方にまで、APS-Cをオススメする気はありません。
ただ画質を優先して大きく重いカメラを買っても、持って出るのが億劫になったり、撮った後もパソコンの負担になるようなクオリティーってどうしても必要なのかなって考えたとき、オジサンにはAPS-Cが一番バランスが取れてるなって思いましたよ。

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コメント

フルサイズというのも...、戦後の所得倍増論から続いているこの国の悪しきスローガンですからねえ。数字の多いことは良いことだと義務教育でもそれとなく教えた弊害でしょう。
某社では1億画素なんてカメラもあるようですがファイル容量が馬鹿になりませんよ。やたらめったら等倍鑑賞する等倍原理主義者はまるでどこかの国のカルト集団のようなもんですよ。

投稿: 解凍キッド | 2021年8月 8日 (日) 07時27分

解凍キッド様、こんにちは。
おっしゃるとおりです、過ぎたるは及ばざるが如しと教育すべきでした。(笑)画素数やセンサーサイズの大きさが正義って風潮はファイル容量やパソコン処理など、後処理とのバランスを無視した「大きいことは良いことだ」プロパガンダって気がします。
等倍鑑賞も同じ、35ミリフィルムから畳ぐらいの大きさに引き伸ばしたのを虫眼鏡片手に鑑賞しているようなものですから、それが必要なのかと。
機材のスペックに踊らされずに、自分の撮ってる写真のレベルにフルサイズは本当に必要かなって、胸に手を当てて考えれば、自ずと答えは出ると思いますけどねぇ。(笑)

投稿: よもかめ亭主 | 2021年8月 8日 (日) 16時38分

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