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2021年7月24日 (土)

商人宿ってご存知?

商人宿(あきんどやど)って旅館知ってますか、宿泊施設の一種なのですけど、行商人や出張でやってきた商売人が仕事のために一定の期間逗留するタイプの宿、映画で寅さんが泊まってたようなやつね。今はビジネスホテルがいたる所にあるので、すっかり数も減ってしまっているようですけど、若い頃よく泊まってました。
最初に泊まったのは、尾道が気に入ってよく写真を撮りに出かけていた頃に、いつもご飯を食べに行ってた食堂で教えてもらって泊まった「吉本旅館」。
夜景を撮ったりしてたらすっかり遅くなってしまって、どこか泊まれる所がないか聞いたところ、わざわざ聞きに行ってくれたのですな。食堂から目と鼻の先にあった木造3階建の宿でした。年配のご夫婦でやってる年季の入った宿でしたけど、すっかり気に入ってしまって尾道ではいつもここに泊まってましたな。

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一度職場の友人3人で尾道ツアーをしたとき、そのうちの一人が「なんかこの宿、見た事がある」って言い出したのですな。風呂に入ろうと入口を開けた途端「あっこの風呂やっ」。聞くと学生時代に自転車で日本一周したときに泊まってたそう。タイル張りの風呂場を見て思い出したみたい。(笑)
高齢ということもあってその後旅館業は徐々にフェードアウトされたようで、予約もできなくなってしまいましたな。
もう一軒は、東京の蔵前にあった「蔵前旅館」。地下鉄蔵前駅から地上に出て路地を入ったところにあった木造の立派な旅館。きっかけは旅の雑誌の宿泊体験記事で見て興味を持ったのですな。ビジネスホテルよりも安かったですし。(笑)
玄関を入るとフロントと言うには小さな、受付って感じのがあって、その横にソファーとテーブルの小部屋、ホテルならロビーに相当するものでしょうね。
木造とはいえ手入れされて磨き込まれた階段や手すりは、ピカピカつやつやでしたな。テレビドラマや、映画の撮影でよく使われたって言ってました。

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ここもご夫婦でやっていて、下町や人情って言葉が似合う、気持ちいい宿でしたな。主に東北方面から仕事や商売でやって来る方がメインのお客さんで、1週間ぐらい逗留して帰っていくそう。
オリンピックの頃って言ってましたから1964年、高度経済成長の頃の話だと思いますけど、周りにはたくさん同じような旅館があったそうで、東京に修学旅行に来る学生さんの宿としてもよく使ってもらったそうです。
若い頃ここで1週間泊まって、東京の下町界隈を撮り歩いてましたよ。気に入ってたのですけど、ある年予約ができなくなって、どうやら廃業されたようでした。試しにGoogle Mapで調べるとすでに建物もマンションに変わってました。
神戸も港湾関係の仕事の方の宿があったのですけど、オジサンが写真に目覚めた頃にはほとんど廃れていました。かろうじて残っていた看板から存在を確認できるぐらい。なので商人宿って言葉自体が昭和とともに消え去ってしまった感じがありますな。

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