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2021年4月20日 (火)

日本カメラの休刊に思ったこと。

昨年アサヒカメラの休刊について記事を書いたのですけど、とうとう日本カメラも本日4月20日発売の5月号で休刊、会社も解散するそうですな。オジサンにとって馴染みのあった「アサヒカメラ」「日本カメラ」「月刊カメラマン」の三大カメラ雑誌がこれで消えてしまったわけで。「毎日カメラ」というのもあったのですけど、あまり読んでなかったので印象が薄くて。
デジタルカメラの不振による広告収入の減少と、コロナ禍が影響したようですけど、オジサン長年印刷業界で働いておりましたのでね、紙媒体の印刷物が今の時代にいかにレスポンスが悪いかは、よ~く分かっておりますよ。
なのでこれはどうすることも出来なかったと思いますね。スピード感も情報量も、すでにネットに太刀打ちできないことは分かっていたと思います。それでも紙の雑誌にこだわり続けて発刊してくれたのはありがたいことですけど、もう限界だったのかと。
デジタルカメラなんてまだ世の中に登場してなかった頃から続いている、紙媒体の写真雑誌ってあと幾つあるのでしょうね、CAPA、コマーシャルフォト、フォトテクニックデジタル、フォトコン、風景写真、写真ライフしかオジサンには思いつきませんな。
デジタルカメラが普及してから創刊された写真雑誌も含めると、まだそれなりの数の雑誌があるわけですけど、その全てを置いている書店がすでに少なくなってます、大型書店じゃないと全てを見ることが出来ませんからね。しかも書店に行くこと自体が激減しているので、立ち読みすらしていないという有様。
あの頃雑誌の発売日に、走って本屋さんに買いに行ってたのが遠い思い出、真っ先に見てたのは、新製品やそのレビュー記事でしたな。
巻頭グラビアなんて後回し、月例コンテストなんて、出したことも興味もなかったのでページを飛ばしてほとんど見てませんでした、新製品の記事とカメラ店の広告と特集ページだけしか見てなかったような。(笑)
結局欲しかったのはそういう情報だったので、ネットで簡単に調べられるようになって、写真雑誌のみならず紙の雑誌は、だんだん買わなくなってしまったのですな。

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随分前ですけど、古書店で見つけてきた1950~70年代の古いカメラ雑誌を、ガッサリ電子書籍化しました。クラシックカメラを調べる時にその方が便利というのもありまして。ipadに全部入れておりますけど、日本カメラも何冊かあります。一番古いのが1954年5月号、掲載されているカメラの広告を見てみると、二眼レフとスプリングカメラに混じって、35ミリカメラがじわじわ存在を主張していましたな、そういう時代だったわけで。

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内容は巻頭グラビア1ページだけがカラー写真で他は白黒ページ、撮影テクニックの特集に、新製品ニュース、新しいカメラとレンズによる作例、月例コンテスト、読者ページという構成、67年前も今の誌面も、ほとんど構成内容が変わってませんよ。

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つまるところ写真雑誌衰退の原因は、ここだったのでしょうね。変わらないことが、時代の空気と合わなくなっていって、いつ見ても代わり映えのしない誌面、それを変えることが出来なかったのが原因かと。

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そうそう誌面を眺めていて気がついたのですけど、「ポンカメ」って愛称は、読者がそう呼び出したのがきっかけだと思っていたのですな、ところが巻末にポンカメ・セレクションって編集部のページが出てきました。ポンカメクイズやポンカメテレビ(写真界通信)、ポンカメ日記なんてコーナーも。編集部内でそう呼んでたのね、これは意外な発見でした。

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写真とカメラ、あれこれ」カテゴリの記事

コメント

「日本カメラ」は私が勤務していた会社が受注していました。周りは〝ポンカメ〟と普通に呼んでいました。新人ゆえ、カラーは担当させてもらえませんでした。コンピュータはまだ物珍しい時代でした。プロラボがプリントしたのだと思いますが、ポンカメの四つ切り入稿プリントは本当に綺麗でした。大日本スクリーン社のオートフォーカスの写真製版機でリスフイルム(ロールフイルム)に記録させ、自動現像機で網点付のネガを作っていました。カメラに興味を持ちだしたのも、このポンカメのプリントからだったように思います。フィルム時代からオート露出で綺麗に写真が撮れるようになり、カメラ雑誌を買ってテクニックを勉強する必要がなくなり、発行部数も減少していったと思います。「カメラ毎日」の廃刊は毎回ヌード写真主体で、読者から軽蔑されたのが原因だったと思います。

投稿: るびー2020 | 2021年4月21日 (水) 01時45分

るびー2020様、おはようございます。
行きつけの写真屋さんには、当時の主要カメラ雑誌が揃っていて、自由に読めたのですけど、店主の好みか「カメラ毎日」は無かったので印象が薄いのだと思います。文面から印刷業界方面でお仕事をされていた方かと思いますが、印刷物って本当に工程が多くて手間のかかる業種だと思いますね。(笑)

投稿: よもかめ亭主 | 2021年4月21日 (水) 06時19分

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