仕事カメラと遊びカメラ
随分昔の話ですけど、知り合いのカメラマンから写真展の打ち上げパーティーに誘われたのですな。顔の広い人でしたから、広告や放送の業界人がいっぱいでした。で、その頃「アレは持っとかないと」って人気だったのが出たばかりのリコー GR digital、調べたら2005年!発売でした。
専用の公式ブログで告知したりして、盛り上げるだけ盛り上げての発売でしたから、ニュースにもなりましたし、一気に今欲しい人気カメラになったのも覚えてますよ。(笑)
なのでパーティー会場では、カメラマンだけでなく、デザイナーさんやコピーライターさんも、持ってる人がいっぱい居て大自慢話大会になってしまったという。(笑)オジサンフィルム時代のGRは持ってましたけどね、デジタルは持ってなかったので自慢話を聞く側でした。
何しろあんなに小さなボディーなのにレンズが最高に良くて、実によく写るカメラでしたからね、それがデジタルになって登場したのですから、その筋の方々がこぞって手を出したのは当然かと。
特にカメラマンの人気はすごくて、フィルム時代のGRを使っていた方は、ほぼ全員買い増ししてたみたい。「経費で落とせる人は、エエなぁ」ってからかってましたな。(笑)会場のあちこちで、マイGRで記念写真撮ったり撮られたりで、楽しかったですよ。
見てて面白かったのが、カメラマンって自分の思う写真の撮れる道具としかカメラを見ていないのですな。GRシリーズってコンパクトだけどスタイリッシュで、持ち物としての高級感もあるのですけど、そこよりも関心があるのはレンズの良さと撮れる写真のクオリティ。
なのでむき出しで胸のポケットに無造作に入れてたり、フラッシュがポップアップしないように黒のテープを貼ってたり、いつでもどこでも自分の写真が撮れる仕様にしているのですな。なのでドレスアップなんて言葉がすでに無縁なプロフェッショナルな世界。
正反対なのがデザイナーさんなどのクリエイター系の人たち。専用ケースに入れてたり、高そうなストラップ付けてたり、写真を撮る事よりも、GRを持ってる自分を楽しんでいると言いますか、ファッションアイテムなのかと。こういう方達は、限定アクセサリーなんてのにすぐに飛びつくのでしょうね。(笑)
プロカメラマンのお仕事カメラって、お金を稼ぐための武器ですから見てくれなんて考えてませんな、動いたら困るダイヤルやスイッチ類はテープで固定してたり、ペンタ部分のメーカーロゴも被写体に映り込むと困るって黒テープ貼りしてたりします。
なのでストラップでオシャレしたり、専用ケース被せたり、シャッターレリーズボタンやホットシューカバーでドレスアップなんてのは、お遊びでカメラと写真を楽しむ場面でだけ成り立つのかもしれませんな。仕事カメラと遊びカメラ、カメラしてみればどっちが嬉しいのでしょうね。(笑)
フィルムカメラの時代、EOSが登場する前のプロ用フラッグシップ機といえばコレ、Canon NewF-1。お仕事カメラの代表格、風格がありますな。その後ろがEOS Kiss X7、デジタル時代のファミリー向けカメラ、お遊びカメラの代表かと、仕事に使っても構わないとは思いますけどね。(笑)とういわけで両極端なカメラに登場してもらいました。
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