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2020年2月13日 (木)

立ち飲み百景46 お酒に合わない生々しい話。

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座席の数が決まっていて、じっくり腰を落ち着けて飲む居酒屋と違って、立ち飲みのスペース感覚は、電車の座席のようなもの。空いてるところに体を滑り込ませて、両サイドのお客さんに気遣いしながらお酒を楽しむ所。
先に飲んでる方も新しく入ってきたお客さんに譲り合いでバランスが保たれている大人の酒飲み空間なのですな。なので混んできたら「ダークになってや」って言われる前にみなさん自主的に動きます。ダークってダークダックスの歌ってる姿の事ね、ちょっと体を斜めに、カウンターに肩肘ついて少しでも一人当たりの所有面積を減らして新しいお客さんを入れてあげると言う暗黙のルールなのですな。
そんな立ち飲みですから、隣り合わせたお客さんと取り止めのない世間話ってのが一番似合いますし、そういうのが楽しい時間なわけで。
名前も知らない、どんな仕事の人なのかも知らないけれど、今日も一日ご苦労さんのお酒と共に会話が弾む束の間のひととき、いつも見かける常連さんでも、未だに名前すら知らない方もいます。だけど楽しい酒場を共有するメンバーには違いないという。(笑)
お酒と会話を楽しんだら「それじゃお先に、また明日」。帰り着く頃には何の話題で盛り上がったのかすら忘れているぐらいが丁度いいわけで。
ところが中には、酒場は自分の話を聞いてくれる場所と勘違いしている方がおられますな。大抵が今ここで喋る話題じゃないだろうっていうような生々しい身の上話。不幸な生い立ちや職場での不当な扱い、望まなかった人生や闘病の顛末などなど。
お酒が入ってつい喋りたくなったのだと思います。誰かに話したい、聞いてもらいたいって気持ちは分からなくもないですけどね、内容がプライベート過ぎだし、デリケート過ぎる話題なのでね、何も答えられないし、ただ聞かされるだけなので辛いですな、お酒には一番合わない話題かと。
聞かされたところで受け止める事も、解決してあげる事も何もできませんからね、ただ曖昧な返事を繰り返すだけ。
ところが相手は話を聞いてくれる人と勘違いするわけで、延々終わりませんよ。正直なところお酒がまずくなるのでやめて欲しいのですけどね。酒場のルール違反な空気が読めない人。
酒飲みというより、お酒の力を借りて自分を分かって欲しいだけの構ってちゃん。自分のそういうキャラクターに酔ってるだけですよ。聞かされる身になって頂きたいもので、周りへの気配りが足りませんな。そういう方って話が回りくどいのも共通点なのが不思議です。(笑)
ヒンシュクを買うような話題もたいがいにして欲しいですけど、闇が深い生々しいプライベート話はもっとお断り。酒場の生モノはお刺身だけにして頂きたいもので。(笑)

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