APS判「写ルンです」の世界をETERNAで。
少し前に、レンズ交換のできるミラーレスカメラでレンズを楽しんでねって事で、ギズモショップが発売している写ルンですのレンズをそのまま使った「Utulens」はいかがって記事を書きました。
ただ写ルンですが35ミリカメラな事もあって、フルサイズミラーレスカメラならレンズの焦点距離そのままに周辺部分のクセまでもガチで楽しめるのですけど、センサーサイズの小さいAPS-Cミラーレスカメラだとレンズの中心部分の一番性能が良いところを使う事になるので、レンズ周辺部の光量落ちや収差の個性を本気で楽しめないのですな。
ところがどっこいUtulens-APSというのが発売されています。ここでちょっとAPSの解説をば、APSってアドバンストフォトシステムの事で1996年にフィルムメーカー、カメラメーカー各社によって共同開発された世界標準規格の新しい写真システムだったのですな、35ミリフィルムよりも小さなフォーマットでフィルムは専用カートリッジに入ってました。
APS-H(9:16)、APS-C(2:3)、APS-P(1:3)の三つの縦横比に対応していたり、フィルム途中での交換ができたり利点もあったのですけど、結局定着せずデジタルカメラの台頭もあって2012年に事実上の終焉、消えて行きましたな。デジタルカメラのセンサーサイズを表す言葉にAPS-Cという名前だけが残ってますけどね。(笑)
その頃は各社APSカメラを発売してました。キヤノンのIXYなんて覚えてらっしゃる方もいるかも。フィルムメーカーの富士フィルムさんは写ルンですもAPSのをラインナップに加えてましたな、使った事ないですけどね。(笑)
で、この写ルンですAPSからレンズを取り出して作っちゃったのがUtulens-APS。APS-CセンサーサイズのミラーレスカメラでUtulensよりも写ルンですの世界を楽しめるわけで。
X-T30にUtulensとUtulens-APSで同じ位置から撮り比べ、画角の差はこれぐらいあります。
すでに生産終了している写ルンですAPSのレンズを使っているので、現物が確保できなくなったら作る事は出来ません、かなりレアというか希少価値な交換レンズ。焦点距離は35ミリ換算で約37ミリになるので使い勝手はいいかと。
レンズ自体はすごく小さくて、それをシネレンズをミラーレスカメラに付けるマウントアダプターに組み込んでいるのですごく薄くて、パンケーキレンズどころかボディーキャップ付けてるみたいな見た目。
絞りはF16、1m〜∞の固定焦点なのでピント合わせの必要はありません、なのでX-T30に付けるとコンパクトカメラを使っているような感じで軽快に撮り歩けますな。
で、フィルムシミュレーションをネガフィルムに設定するのも面白いのですけど、あえてETERNAを選んでみたわけで。ダイナミックレンジが広くて暗部の描写に粘りのあるETERNAの方がよりフィルムっぽい写りになって写ルンですで撮ってる感があるのじゃないかと思ったのですな。撮ってみると、こんな感じの写り具合でした。ネガフィルムで撮ってサービス判にプリントした雰囲気といいますか味わいが、思った以上にありましたな。予想を超える楽しい結果にオジサン満足。
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