毎日ゴールデンウィーク、365連休。
オジサンの仕事は、休みが土日だけなので、今年のゴールデンウイークは10連休なんて、浮かれた事盛んに言われても何も響きませんな、どこか別世界の出来事な感じがします。
印刷業界なので、元々休みが少ない仕事。昔は3K職場なんて呼ばれてました。キツイ、汚い、給料安いの三拍子で、活版は鉛の活字を扱うので鉛中毒で身体を壊したり、少し前に薬品で胆管がんになったのが問題になったりしましたな。今のようにコンピューターが当たり前になる以前は、職人技で成り立っていたような業界だったので、あまりイメージがよろしく無かったかと。
寅さんの映画に出てくる、タコ社長の印刷所も下町の町工場って感じで、汗水流して働いているイメージでした。緒形拳さん主演の「鬼畜」って映画は経営の苦しい印刷屋が舞台、養えない妾の子供を崖から突き落として始末するという、なんとも暗い映画なのですけど、助けられた子供は、貧しい家の事情を知っているので、突き落とされた事を警察に聞かれても絶対に言わないのですな、ところがその子供が持っていた石のかけらから事件が明るみに出るというストーリー、石というのが石版印刷に使う材料だったという。
もうね、ひどい、暗い、悲しい映画、印刷屋ってこんなのばかりって思われたくないですけど、貧しい下町の生活を表現するのに、印刷屋ってところが時代だったのでしょうなぁ。今はそんなのはもうありませんけどね、ただ休みは少ないままかと、昔に比べるとずいぶん良くなりましたけど。(笑)
行きつけの酒場には年配の常連客がたくさん見えます。長年通っていると、いろいろな方の人生を目にするわけで。定年退職してからは、部下じゃなくて奥様とお見えになる悠々自適な方だとか、再雇用で残業も無くなって、早い時間から来られる方や、年金支給日しかお見えにならなくなった方などなど。
今まで作業服姿で現れていた方が、退職したのでしょうね、普段着で来られて最初気が付かなかったりしましたな。(笑)今まで働き詰めだったのが何も無くなって、時間を持て余して飲みに来てたりします。
「世間はゴールデンウイークって言うとるけどな、ワシ毎日ゴールデンウイークやで」って、休みの少ないオジサンには夢のまた夢のような事を言われてもねぇ。「10連休?ワシ365連休」なんて、ヒマを持て余して暴言吐いてますな。
年齢と共に、何をやっても時間がかかるようになりました、あれもしよう、これも片付けようと思いながら、土日の2日じゃ全然はかどらないオジサンが、今一番欲しい時間を持て余しているなんて、羨ましさしかないですな。(笑)
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