ペンSのレンズを試してみた。
改造レンズ4本目のD.Zuiko 30mm F2.8、ハーフサイズの名カメラ、オリンパスペンSに付いてるレンズです。リコーキャディのレンズと同じく小さく薄型のレンズなので、マウントアダプターへの組み込みはスムーズでしたな。
パンケーキ型レンズと言っても差し支えないぐらい、出っ張りが少ないので、カメラに付けてもコンパクト。ただその分、ピント合わせをしていると指が写ってしまいますな、フードを見つけるか、自作したほうが良さそうで。アチャ〜しまったってのを何枚か撮ってしまいましたよ。ちゃんとファインダー確認してなかったのがバレバレ。(笑)
で、毎度おなじみ、同一場所で絞り値を変えながらの撮り比べをしてみました。結果一番シャープだったのはF11、その次がF8。露出計で測るとISO感度100で、晴れた日の屋外だとシャッタースピード1/250秒でF8半からF11ぐらいになるので、このカメラが発売された当時、ハーフサイズでありながらシャープな写真が撮れたと思いますな。
開放絞りF2.8では、周辺光量不足で画面の四隅が暗くなります、何もない所や空を写すと気になるかもしれません、オジサンこういうのも味わいって思うので、全然気にしてませんけどね。(笑)
重箱の隅をつつくような、絞り値違いのテスト撮影では、開放絞りF2.8はかなりぼやっとした写り具合なのが分かるのですけど、街を撮り歩いててそれを感じませんでした。やはりテストと実際の撮影は別物、開放絞りで夜の南京町や、歓楽街のイルミネーションを撮り歩いてみて思いましたからね。さすがオリンパスペンSのレンズだと。
開放絞りに固定しておけば、速いシャッターが切れるので明るいイルミネーションの場所だと手ブレもせずに撮れます。最短撮影距離で撮ってみて、背景をぼかしてみたりしてみたのですけど、もともと被写界深度が深いので正直そんなにボケませんな。ただし絞り羽根が6枚なので、リコーキャディの4枚絞り羽根とは別物、やっぱりキレイ。(笑)
同じ薄型レンズですけど、絞りリングの部分など使い勝手もペンSレンズの方がいいかと。ピントリングの2mと5mのクリックがハッキリ指先で分かるので、日中に撮り歩くのなら絞りをF8にしておいて通常は5m、ちょっと寄りたいとか路地で撮るのなら2mクリックに合わせればピントは問題なし、ファインダーを覗きながら指先の感覚だけで操作できます。X-T20のマニュアルフォーカスアシストで被写界深度内に収まっているのが分かりますから軽快に撮れますな。
レンズの使い勝手だけを見てもペンSって失敗の無い写真を撮るための事を隅々まで考え抜いていたのだなぁと、オジサン感心してしましました。記事を書くのに朝日ソノラマ、クラシックカメラ選書26「オリンパス・ペンの挑戦」米谷美久著を読み返しましたけど、天才設計者米谷さんはやっぱりスゴイ方だったのだなと思いました。ペンSのレンズを富士のカメラに付けて遊んでるオジサン怒られそう。(笑)
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コメント
こんばんは。
実に素晴らしい写真の数々・・・感服いたしました。
Penのレンズ性能を引き出す撮影テクニックもさすがですね!
カラー、白黒とも全く違和感がありません。あんなちっこいレンズなのにこんなポテンシャルを持っているとは今更ながら驚きます。
米谷さんの本、私も愛読しています。米谷さんの上司だった桜井さんの本『ズイコー夜話』も面白いですよ。(絶版で入手は困難ですが)
投稿: 想桜 | 2019年4月27日 (土) 22時17分
想桜様、こんにちは。
ありがとうございます。今まで作った改造レンズの中では、一番撮ってて楽しいレンズでした。ただまだ改良の余地がありまして、絞りのクリックが固くて、絞りを変えようとするとピントリングも一緒に回ってしまうので、絞りのクリックを軽めに、ヘリコイドはグリスを変えて固めに調整する予定です。
時々行くカメラマニアのマスターがやっている喫茶店があるのですけど、そこの本棚に朝日ソノラマのシリーズが並んでいるので見せてもらいに行ってきます。(笑)
投稿: よもかめ亭主 | 2019年4月28日 (日) 12時51分