カラースコパー改造レンズで試し撮りしてみたら。
ミラーレスカメラ用に、使えなくなったフィルムカメラのレンズを取り出して改造するシリーズ第二弾で作った、Voigtlandar VitoⅡのColor Skopar 50mm F3.5。今回はヘリコイドにレンズを付ける方法で改造したので、接写にも強くなりました。
ただ元々35ミリカメラのレンズ、APS-Cサイズのカメラに付けると、レンズの中心部分しか使わない事になるので、画面周辺部分の癖や、周辺光量落ちを楽しむ事はできません。レンズの一番オイシイ所だけで撮る事になってしまいます。
本気で味わうのなら35ミリフルサイズのミラーレスカメラを買えよって話になってしまいますけど、オジサンそこまでマニアではありませんし、逆に言えば、レンズの一番良いところだけを味わうのですからある意味贅沢。鶏一匹使って皮だけしか食べない北京ダックのような撮影。ま、こんな撮り方なので参考にはならないと思いますけどね、オジサンは楽しかったですよ。(笑)
あるクラシックカメラ本に、カラースコパーはF5.6以上に絞ると名玉のウルトロンやゼプトンと同様の性能を発揮するって書いてありましたけど、ウルトロンもゼプトンも見た事がないオジサンには、比べる物差しが無いので、あくまで個人的な印象でしか語れません。
このレンズが付いていたVitoⅡはピント合わせが目測のカメラなので、被写界深度内に収める、絞り込んだ撮り方が基本、一番シャープなのはF8辺りじゃないかと思いました。
絞り羽根が10枚なのできれいな円形なのですけど、開放絞りがF3.5なので、街歩きの写真では背景ぼけぼけは難しいかと。ヘリコイドに組み込んだので花の接写なんかしてみると良く分かるかもしれませんな。
ただ解放絞りでは全体にシャープさが感じられない甘い描写と感じました、ピントを合わせたところもカリカリシャープってわけではありませんでしたな。やはりF5.6以上に絞ると名玉と肩を並べる性能ってのは本当みたい。
59年前のレンズですけど、名前にカラーって付いているぐらいですから、カラーフィルムの時代を見据えていたのでしょうね、純正レンズと撮り比べてみて極端な発色の偏りはありませんでした、微妙な差ですけど、むしろ落ち着いた色合いだと思いましたな。ややアンダーな露出だと、さらにその傾向が強いかと。
APS-Cだと35ミリ換算で75ミリ相当の中望遠レンズになってしまいますけど、適度な圧縮効果があって撮ってて楽しかったですな。こんな感じの写り具合です、どうぞ。
早朝のメリケンパークにて。もう少し明るくなると、街灯が消灯してしまうぎりぎりのタイミング。空の明るさに引っ張られて、路面が暗くつぶれるかと思ったのですけどきれいにでてますな。
ポートタワーと海洋博物館の屋根という細い線ばかりのモノを撮ってみましたけど全然問題なし。実にシャープで気持ちがいいですな。
トアウエストのカフェの店先、圧縮効果でぎゅっと詰まった感じに撮れるのが良いところ、日の射さない狭い路地だったのでフラットな写りになるかと思ったのですけど、立体感もあるし色も落ち着いてきれい。
レンズテストで背景のぼけ具合を確かめるときに、良く撮っている美容室の看板をこのレンズで撮ってみました。開放絞りF3.5では、ぼっけぼけにはなりませんけどイイ感じかと。(笑)
サボテンの向こうからにらみを利かせているオニイサン発見。ヘリコイドを繰り出すと寄れるので、こんなのを撮るのも面白いですな。
フィルムのときよりも格段に使い勝手が向上してしまったColor Skopar 50mm F3.5。楽しめるレンズがまた一つ防湿庫に並びましたよ。(笑)
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