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2019年1月27日 (日)

リコーキャディのレンズを改造、Xマウントに。

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以前、ジャンクカメラを見つけてきては、素人修理で使えるようにして楽しんでました。その頃は簡単な修理や、清掃するだけでちゃんと使える程度のいい物も多く、ジャンクコーナーは宝の山でしたな。
見つける度に買い込んでいたら、お家の中はカメラだらけ、とても使いきれなくなって、譲ったりして減らしていきましたけど、程度が悪かったり部品取りに使ったのは譲るわけに行かないので、レンズがきれいなのだけ温存、いつか改造してやろうと思っていたわけで。
以前二眼レフのレンズをEOS用に改造してうまく行ったのに味を占めたわけですな。(笑)特にミラーレスのX-T20を使いだしてから、フランジバックの短さに改造の可能性を感じたわけで。
で、第一弾はリコーキャディーのレンズをチョイスしました。眺めていて改造の敷居が低そうだったのと、ハーフサイズなのにシャープなレンズの写りが気に入っていたので、これをなんとかX-T20で使えないかと。
リコーキャディーというカメラは、何度か取り上げてますけど、元々露出計は不動なジャンク品、レンズがきれいなだけでお持ち帰りしたもの、使い過ぎてフィルム送りが不調で置き去りになっていたのですな。なのでボディーを直すより、レンズを生かした方が長くこの写りを楽しめるのじゃないかと考えて改造に踏み切りました。
まずレンズユニットを取り出し、ネットの分解記事を参考に、シャッターユニットを全部外して組立て直しました。これをマウントアダプターに組み込んでやろうと。
フジXマウントのフランジバックは17.7mm、ノギスでレンズを外したボディーを計測して計算、厚紙でレンズ取り付け板を試作して付けてみて写り具合を確認。レンズ側のヘリコイドを調整していけそうだったので、本番はアクリル板から切り出して作りました。
レンズの取り付けはボディーの取り付け部品を削って流用、マウントアダプターにレンズ取り付け板を接着&ネジ止めして、タミヤカラーの艶消し黒で塗装、内面反射は極力無くしたいですからね。
モデラーの方ならご存じだと思いますけど、塗料にほんの少しだけベビーパウダーを混ぜると、さらにカサカサの艶消しになります。プラモ好きだったので戦闘機の排気管の煤を表現するのに使ってたテクニック。カメラ修理用に専用の塗料が売ってますけど高いですからね、この方法で十分だと思いますな。
塗装が乾いたらレンズを取り付け、絞り開放にして、レンズ前面の距離指標リングを外した状態で、前玉を回転させながら無限遠にピントが来るように、何度も試写して拡大表示で確認しながら微調整しました。バッチリの位置で距離指標リングを付け直して完成。

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文章にするとこれだけですけど、実際は丸一日かかりました。
まずレンズ取り付け板を2mm厚のアクリル板からドーナツ型に切り出すのに一苦労。円形に切り抜けるサークルカッターを使ったのですけど、元々紙やフィルムなどの薄いもの用なので、厚みのあるアクリルを切り出すなんて無理。
ところが裏技があるのですな、カッターの刃の付いている方と逆に回すと、刃の背中でアクリルを削ってくれるので、じっくり時間をかけながら逆回しして、削り取りながら溝を深くしていくわけで。
それを表裏両面からやって、ある程度溝が深くなったところでペンチで周りの余白をパキパキ折り取ってやれば円形に切り抜けます。断面はヤスリで仕上げて完成。ここが一番時間がかかりました。
他にもヘリコイドのグリスが堅くなっていたので、爪楊枝の先を削って尖らせたものでこそげ落としたり、ねじ穴を開けてタップで溝を切ったり、色々行程があったのですよ。(笑)
久々のガチな工作、早朝から夕方まで集中しまくりで疲れましたけどね、なんだか充実してましたな。できあがったレンズを眺めながらニタニタしてました。
なので、まだ試し撮りはできてません、それは後のお楽しみという事で。(笑)

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