立ち飲み百景43 今時の立ち飲み風景って
酒屋さんがやっている立ち飲みは、フードメニューと言いますか、アテの種類はそんなにバラエティー感が無くて、柿の種などの乾き物や、缶詰類がほとんどなのですけど、お酒の種類だけは豊富ですな。元々お酒の小売店が、空いたスペースでお酒を提供し始めたようなのがほとんどですからね、立ち飲みと言うより「角打ち」と呼ぶ方がふさわしいようなたたずまいのお店。ほぼ地元の常連さんが集う、世間話をしに来るコミュニティースペース代わりになってますな。(笑)
大体そういうお店は、地元に根付いた古いお店が多いのですけど、これが世代交代するとガラッとお店のテイストが若返って今時になっちゃったりします。帰り道の某駅前にあった立ち飲み、元々は○○酒店という地味な名前だったのですけどね、代替わりして若い二代目にバトンタッチしたとたん、おしゃれな横文字の名前になりましたな。
しかもスーパーや量販店に価格で勝てない小売りは、さっさと止めちゃって立ち飲みオンリー、内装も昭和の香りぷんぷんなコテコテの酒屋さんから、おしゃれなバル風にイメージチェンジ。それまでお品書きに無かったワインを全面に出して、専用のワインセラーもありました。もちろん二代目はソムリエの資格も持っていてうんちくも語れる人。
元酒屋ですから、こだわりの日本酒、焼酎、梅酒もズラリ並んで、それまで無かったフードメニューも充実、鯖の缶詰はオイルサーディンに、柿の種はフライドポテトに、6Pチーズはキッシュに、スルメはアヒージョに一気にグローバル&多国籍化。日本酒のコップ酒片手にスルメをかじっていたお店は、ワイングラス片手にミモレット摘むお店に変わっちゃったのですな。(笑)
そうなると客層もガラリと変わりました。それまでの常連さんはどんどん隅っこに勢力縮小、マイノリティー化。代わりに今まで絶対にいなかった若いビジネスマンや女性客の来客率急上昇。
今時はアレですな、こういう情報はSNSであっという間に拡散しますからね。あれよあれよという間に人気店になって、いつもいっぱいという、客層の勢力地図が書き換わって、一気に30歳ぐらい若返ってましたな。
もうオジサンが思う立ち飲みとは違う次元のお店になってしまいましたけどね、こういうお店で立ち飲みの楽しさを覚えた若い人たちが、年齢を重ねたとき、新しく出来たその時代の立ち飲みにどんな思いを抱くのでしょうか。隅っこでちょっと居心地悪そうに飲んでいるお年寄りの御常連の姿にそんなことを思いましたな。(掲載写真はイメージです。記事内のお店とは関係ありません。)
| 固定リンク | 0
「 立ち飲み百景」カテゴリの記事
- 立飲み百景82 座って飲む立飲み?(2023.10.03)
- 立飲み百景81 嫌われ者の末路は流浪の民。(2023.09.21)
- 立ち飲み百景80 消える店、出来る店。(2023.08.29)
- 立ち飲み百景79 猛暑にビール復活祭。(笑)(2023.08.08)
- 立ち飲み百景78 立ち飲みがいっぱいだけど。(笑)(2023.07.27)
コメント
立ち飲み、良いですよね。
私は今の職場で働く前は行った事が無かったですが、ワープア生活者には有り難い場です。
お酒は生ビール以外は自分で冷蔵庫から取り出す。
つまみは、かっぱえびせん、サバ缶など、調理とは無縁のそのままの物。
仰る通り、店内は常連さんばかりです。
もしそれがお洒落なお店になり、若者の憩いの場になったら・・・。
多分私だったら隅っこで飲む事は無いでしょうね。多分行かなくなるんでしょう。
何十年後とかは、逆にサバ缶を缶詰のまま出すお店が、「これは新しい」なんてもてはやされたりして。(それは無いですね)
投稿: ハル | 2018年12月11日 (火) 23時08分
ハル様、こんばんは。
立ち飲みは一人で行って、自分のペースでお酒を楽しむのが基本の場所なので、常連さんほどマナーや他の人への気遣い、心配りがスマートで居心地がいいですね。なので、安いお酒と缶詰や乾き物しか無くても全然OK。立ち飲みというコミュニティを楽しんでます。
投稿: よもかめ亭主 | 2018年12月12日 (水) 18時37分