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2018年11月 6日 (火)

立ち飲み百景42 ワシがやったった。

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立ち飲みに来られるお客さんを見ていると、年金生活で悠々自適なお年寄りは別にして、色々な職業の方が来られていますな。職業別とでもいいましょうか、その辺りの分布を見ていて思うのが、ブルーカラーの方々の多さ。ネクタイにスーツ姿のサラリーマンと違って、ラフな服装だったり作業着だったりするのですぐに分かります。
デスクワークや外回りの仕事とは違う、物作りの現場で働いているような方々。今時の言い方ですと、技術職って事になるのでしょうけど、昔ながらの言い方ですと、職人さんと呼ばれているような人たち。お客さん相手の営業職などとは違って、現場仕事って、だいたい決まった時間に仕事を終われるので、早い時間から飲みに来てる方が多いかと。
こういう職人さんの会話を聞いてて面白いのが、常に世界の中心はワシってところ。「あれワシがやったった」や「それワシの知り合い」系の、早い話が自慢話なのですけど、飲むほどに話がどんどんデカくなって超ビッグマウスぶりが聞いてて痛かったりします。(笑)
そういえば明石海峡大橋を「ワシが作った」って言ってた職人さんがいましたな、その現場で働いていた下請け工事会社の職人さんなので、工事の一部分に携わっただけなのですけどね、アレはワシが作ったと、孫に教えとると自慢してはりました。実際はボルト一個留めただけかもしれませんけどね。その辺り優しく自慢話を聞いて上げるのも酒場のマナーかと。(笑)
職人さんの仕事って地味なのが多いので、どうしても自分のやった事を見てもらいたい、気が付いて欲しいってのが、お酒の勢いで出てきちゃうのでしょうな、気持ちは分かりますけどね。広げすぎた風呂敷を畳んであげたくなる事もありますな。(笑)
酒場のテレビに映った演歌歌手を指して「アイツ売れる前、ワシがよう世話したった」てのもありました。よくよく聞いてみると、行きつけのカラオケスナックに来た、新人売り出しキャンペーン中の歌手からサイン入りCDを買って上げただけというオチ、お話膨らませ過ぎですよ、全然世話してませんやん。(笑)
職人さんって長年現場にいるので声がデカいし、言葉が荒っぽい方が多くてね、デカい声で「ワシがやったった」話をされてオチがショボいと笑ってしまいますな。しかも同じ話を何度か聞かされるのもお約束。「その話前も聞きましたよ」って言っちゃうと、悲しそうな顔で「お愛想して」って帰っちゃう。聞いて上げたいのはやまやまですけど、もう耳にタコ。
たまには違う話をお願いしたいですけど、きっと出てこないのでしょうなぁ。(笑)

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コメント

この手の話で僕が思い出すのはビートたけしの父上の北野菊次郎氏(塗装工)ですね。
晩年の菊次郎氏は酒が回ると周囲に「俺は東京タワーのてっぺんを塗ったんだぞ」と自慢していたそうです。
たけし軍団のメンバーが東京タワーの資料室を訪ねて作業員名簿を確認したところ本当に名前があったそうなので、タワーの塗装工事に関わったのは間違いないようです(てっぺんを塗ったかどうかは不明ですがw)

投稿: | 2018年11月17日 (土) 20時23分

おはようございます。
その話、ビートたけしさんのやっていたラジオ番組で、聞いたことがあります。職人さんの自慢話って今も昔も変わらないのかもしれませんね。

投稿: よもかめ亭主 | 2018年11月18日 (日) 05時14分

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