プロカメラマンはなぜキヤノンかニコンなのか。
お仕事柄、プロカメラマンに撮影をお願いしたり、スタジオに出向いて撮影の立ち会いをする事が多かったのですけど、まだデジタルじゃなかった時代だったので、プロカメラマンの機材って、35ミリ一眼レフと中判、それに4×5の蛇腹のビューカメラというのが定番、というかどこのスタジオでもほぼそれでした。商品撮影や料理の撮影は4×5か中判で、取材撮影には35ミリ一眼レフという使い分けをしてらっしゃいましたな。
中判はハッセルが定番で、それにプラスしてマミヤRB67やバケペン(ペンタックス6×7)もよく見かけました。35ミリ一眼レフはニコンF一桁か、キヤノンEOS-1シリーズというプロ用フラッグシップ機のどちらかでした。
写真雑誌にカメラのレビュー記事を書いているようなカメラマンは、色々なメーカーのカメラを使っているのでしょうけど、個人でスタジオを構えて、百貨店、飲食店、メーカーなどの広告写真を撮っているフリーランスのカメラマンが持つ35ミリ一眼レフはキヤノンかニコンのどちらか。ほかのメーカーのカメラで仕事をしている姿を、ただの一度も見た事がありません。
オジサンがカメラ好き写真好きなのを、何度もお仕事をしたカメラマンの方も知っていて、よく休憩時間にカメラ談義なんてよくしてました。そこでなぜプロカメラマンはキヤノンかニコンばっかりなのか、聞いてみた事があるのですけどね。
「他のカメラでは仕事にならへんからな。」という明快な答えが返ってきましたな。で、面白かったのが、どのカメラマンも他社のカメラを使ってみた事はあるみたいで、そういうカメラがスタジオの片隅に銀箱に入れられて放置されてましたな。「使いたかったら言ってや」って見せてくれましたけどね。こだわりの強いアマチュアがありがたがるカメラでした、どのメーカーだとかカメラかは言いませんよ。(笑)
「遊びで使うんやったらエエけどね、仕事では怖いわ」って事で、キヤノンかニコンがお仕事用の定番。理由は色々あるみたい、師匠が使っていたからそのままニコンなカメラマンもいましたな。ただキヤノンかニコンになってしまうのは、沢山のプロが使ってきているという、絶対の信頼感が一番大きいのじゃないかと思いました。どんな悪条件の撮影現場でも、写真が確実に撮れる事は絶対条件ですからね。
あるカメラマンの方、オジサンがキヤノンを使っている事もあって「EOSの前は、コレ使っとたわ」と往年のフラッグシップ機F-1とNewF-1を見せてくれたのですけどね、ブラックの塗装がもうほとんど残ってないぐらい地金がむき出し、こんなになってもまだ動くのってぐらい凄まじい使い込まれ方でしたな。定期的にオーバーホールしていたそうですけど、見た目はもうカメラじゃなくて武器、格好いいとかのレベルを通り越して神々しささえ感じました。
「コレ2台で、子供二人大学までやったわ」笑いながら言ってましたけどね、オジサン思わず拝んでしまいましたよ。ああコレがプロの現場で応えてきたカメラの姿なのねって感動しました。ニコンFシリーズをずらりと見せてくれたカメラマンもいましたな、新しいのが出る度に買い増ししていたそう。「F2が一番好きやな、F3もエエね」いずれも使い込まれ感ハンパじゃなかったですけどね。
オジサンもキヤノンNewF-1を持っています。このブログのタイトルバナーに写っているのがそう。ピカピカです、使い込まれ感皆無、今箱から出したみたいにキレイ。完全に分不相応、身の丈に合ってないのは分かってますけどね、憧れだったのですよ。もうね触っているだけで気分が上がりますからね。キヤノンとニコン、プロの現場で活躍してきた両横綱、今でもオーラを感じてしまうのは同世代の方なら分かっていただけるかと。(笑)
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