立ち飲み百景32 元町「世界長」が34年の歴史に幕。
「有馬記念の日が、ウチの最終日な。」だいぶ前からお店の大将に言われていたのですけどね、とうとうその日が来てしまいました。オジサンが一番長く通い続けていた立ち飲みの名店、元町「世界長」が本日をもって閉店。
ご夫婦でやっていた立ち飲みなのですけどね、高齢と言うことでこれ以上続けるのはもう無理だと。本当は8月いっぱいの予定だったのですけど競馬の大きなレースが目白押しの季節まで頑張ろうかと言う事で、引き延ばしてくれたのですな。オジサン競馬はしませんけどありがたかったですよ。
思えば20年以上お世話になりましたな、串カツとおでんの二大看板メニューはいつもの定番アテ「暑いときは、あんまり出えへんけどな。」って言いながら真夏でもおでんが食べられるのはココだけでした。
このブログの立ち飲み百景シリーズに登場してくれた名キャラは、このお店で知り合った常連の方が結構います。掲載写真も大将に断って撮らせてもらったもの多数。オジサンにとって酒場のホームグラウンド。このお店での居心地の良さを基準に他のお店の評価をしてしまうという、いわば物差しのようなお店でした。
高齢という事もあって数年前から土日の競馬のある日だけの営業に変わってしまいましたけど、それ以前は平日も開いていたので、仕事帰りに駆けつけるのがいつものパターン。常連のお客さんから「遅いがな」「そんなに働いてどうすんねん」ってツッコミ入れられながら、いつもの立ち位置でいつものお酒といつものアテで一日の終りを実感するというのが心地よかったのですな。なんだかややこしかった一日がここに来る事で全部リセットできて気分良く帰れるという場所でした。
来てるお客さんは実にさまざま、若いサラリーマンからお年寄りまで、女性客もいましたな、ほとんど一人で飲みに来ている方ばかり。そんないつもの顔ぶれがこのお店のコミュニティーだったわけで。ふらりと入ってきた一見さんのお客さんも、ひとりぼっちにしないフレンドリーさがお店のカラー、気が付けばみんなで盛り上がって閉店時間大幅に越えてしまうこともしばしば。(笑)
このお店を知って、通い続けることが出来たのは、酒飲みにとって実に幸せなことだったなと思います。そんな楽しいひとときも今日で最後。写真を撮り歩いた後に立ち寄って、いつものようにお酒を頼んで、いつものように串カツをほおばり、いつものように馬鹿話に花を咲かせて帰るつもり。
ただ最後に、ややこしい酒飲み相手に長年お疲れさまでしたの感謝を込めて「ありがとうございました。」の一言を言って帰りたいと思っていますよ。
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