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2017年10月 7日 (土)

写真は変わって行くけれど。

実家で出てきた古いアルバムを見ていて思った事なのですけどね、そこには生まれたばかりのオジサンの写真から始まって、七五三や入園式や入学式、誕生日のお祝いだとか、途中からは弟の写真も並んで、まさしく絵に描いたような子供の成長記録が父親直筆のコメントと共に貼り付けられていました。
きっと父親はオジサンが生まれたのを機に記録に残そうとカメラを買ったのだと思います。何というカメラだったのかは分かりませんでしたけど、紛れもない事実として、そこには家族の歩んできた時間の記録が写真という形で残っているわけで。
あの頃は写真を撮るというのは「記録」するためというのが多かったと思います。写真が趣味で、自分の作品を撮ったりする人とは違って、一般的な人は子供の成長記録であったり、家族の写真だったり、旅行先での記念写真だったりが写真のすべてだったのではないかと。
他人に見せると言うより、家族や親しい人たちと過ごした時間の記録のためのアルバム。どこの家でもそんなアルバムがひっそりとお家の片隅に保管されているのではないかと思ったのですな、それが写真の役割だったのじゃないかと。
今思うとデジタルが写真の役割を大きく変えたわけですけど、1994年発売のデジタルカメラ、カシオQV-10はその始まりだったのじゃないかと、背面に確認用の液晶パネルを初めて搭載、レンズ部分が回転して自撮りも出来、低価格ということもあって当時のヒット商品でしたな。
知り合いのカメラマンが個展をやったとき、そのパーティーでなぜかみんな持ってたのを思い出しました。撮ったその場で液晶画面を見ながら盛り上がってました。画素数25万画素と少なく、背面の液晶画面も小さなものでしたけど、その場でこんな風に撮れたっていうのを見られるというのが画期的だったわけで。ポラロイドカメラもその場で見られる楽しさがありましたけど、デジタルカメラはそれをもっと手軽にしてしまったのですな。
おじさんが初めて使ったデジタルカメラは、キヤノンパワーショットA5。とある賞の賞品で貰ったものだったのですけど、行きつけの酒場に持ち込んで常連客の写真を撮っては液晶画面を見せて遊んでました。撮ってすぐ見せると皆さん安心するのか、色々ポーズをしてくれたり、おどけた表情を見せてくれたりするのが面白かったのですな。
フィルムと違って、どう撮られたのかすぐ見られるデジタルカメラの出現は、写真の意味を変えて行くものだということに、そのとき気が付くべきだったのかもしれません。ただあの頃は、画質も画素数も大したことなく、サービスサイズにプリントするのも苦しいようなモノでしたので、遊ぶには楽しいけどカメラとしては認めていない気持ちがあったのだと思います。
時代は変わって、今はスマホで恐ろしい数の写真が毎日撮られています、これ以上お手軽に写真を撮れる道具はないでしょう。写真は撮った瞬間から記録の側面を持つのは変わりないですけど、今は記録よりもコミュニケーションのためのものに役割が変わっています。一目瞭然な写真は言葉の壁も関係ありませんからね。instagramなんてまさしくそんな世界。
昔と違って手軽に写真が撮れる今、一人の人が一生に撮る写真の量も莫大な数だと思います。共有するのも簡単、いらなくなったら消すのも簡単。
大量に撮って消費されていく写真、写真は変わって行くけれど、アルバムに残していた頃のように、きちんと丁寧に撮りたいものですな。
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