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2017年8月31日 (木)

立ち飲み百景26 愚痴もお酒もこぼしたらアウト。

ガチャン、あ~やってもうた。
せっかく注いでくれたお酒を、コップごと転かしてしまってカウンターは酒浸し、こぼれたお酒で足下に置いたカバンもビトビト。慌ててお店のおばちゃんの差し出す布巾でその場を取り繕うようにこぼれたお酒を拭きまくっても回りからは冷たい視線が集中します。酒飲みが酒をこぼすなんてあるまじき事、おっさん酒飲みの素人かとこの場に居られなくなるような冷たい視線を回りのお客さんから浴びせられるわけですな。
どんなに酔っぱらって、手元足下がおぼつかなくなっていても、コップのすり切れいっぱいに注がれて表面張力でやや盛り上がっている状態のコップから一滴もこぼすことなく口に運ぶのは酒飲みならではの特技、見てても見事に口に運びますな。こぼすなんて事がまず無い。
なのに話が盛り上がったりして、手振り身振りで大風呂敷の会話をしているときに何の間違いかコップごと転かしてしまうという大失態をしでかしてしまうという。
楽しい酒飲みタイムが一挙に暗転、お店のおばちゃんの「このアホが」という視線はまだ耐えられます。年がら年中そんなお客さんを相手にしているベテランですからね。涼しい顔で「お代わりどうします?」って何事もなかったようにその場を立て直す救いの手をさしのべてくれますのでね。黙ってコップを差し出せば事無きを得られます。
ところが周りの同類の酒飲みからは冷たい視線がビンビン来ます。「あ~あやってもうた」「せっかくの酒を無駄にしやがって」「はしゃぎたいのやったら外行けや」って無言だけどはっきり感じる声に居場所がなくなるという。
お代わりで注いでもらったお酒は鉛の水、会話も弾まずただただ反省のお酒になってしまうのですな。居心地の悪さに早々に退場、しばらく現れませんな。(笑)
お酒ならぬ愚痴をこぼすのも度を超すとアウト。大抵は仕事がらみのイヤな事やひどい目に遭った事。それを誰かに聞いてもらいたくて、世間話からどんどん軌道を逸脱、最後は愚痴三昧になってしまうという。
ひどい目に遭った当の本人は、完全に被害者意識の固まりになっているので、聞かされる方はただの大迷惑。お店の大将「大変ですな~」と生返事しながら他の仕事を始めて取り合わないという。(笑)
まだ誰かに愚痴をこぼすのはマシな方かもしれません。見ててヤバイのが、一人でブツブツ言いながら出来上がってしまっている人。時々カウンターを「どん」なんて叩いて、コップを握りしめたまま「バカにしやがって」とか呟かれたらちょっと怖い、見ると完全に目が据わってしまってます。
いったい何があったのか分かりませんけど、そこまで行くと立っているのもやっとな様子。「これぐらいにしときなはれ」って帰りを促すと間違いなく「最後にもう一杯くれっ」ってゴネるのは分かっているので大将も見て見ぬ振りをしています。
そのうち限界が来て帰っちゃうのですけどね、あちこちにぶつかりながら、もうフラフラで出て行きますな。転倒でもしたら事ですからね、お店の常連さん気になってみんな無事出て行くまで見守っているという。
お酒も愚痴もこぼしたらアウト、酒飲みの免許返上の憂き目を見ます。同じこぼすのなら、美味しいお酒と楽しい会話で笑顔をこぼしたいものですな。(笑)

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