写真は画像に、カメラは…???
ソニーのα9が発表になった時そのスペックにびっくりしましたが、同時にもうオジサンの心の中にあるカメラ像とかけ離れた別の道具だと思いました。はっきり言ってカメラじゃないなと思ったわけで。電子シャッターで秒20コマの連写が無音で出来るそうで、1/32000秒の超高速シャッターだとか、今時のテクノロジーの全部盛り。もう付いて行けないどころか、何に使ったらいいのか想像すら付かない世界。
必要な方には待望の機能なのでしょうけど、これで今まで見たこともない新しい写真が撮れるのかと考えると実際の所、どうなんでしょうね。量は増えても写真自体はそう代わり映えしないような気がします。
写真もどんどん意味合いが変わってきたように感じますな。スマホで撮ることが当たり前の日常になってしまって、写真というより画像。送ったり、ネットにアップしたりが手軽に出来るようになって、その写真の善し悪しより共有して楽しむコミュニケーションの道具になっています。写真を撮るというより、画像の採集。
秒20コマの連写も付いて行けませんが、パナソニックのデジカメの4Kフォトや6Kフォトにも驚きました。どうやら秒30コマの動画で撮っておいて、その中から一番いいシーンを切り出して写真にする機能だそうですが、それを写真と呼んでいいのかと思ってしまったのですな。
撮った後からピント位置を選べるフォーカスセレクトという機能もしかり、もう写真と写真を撮る事の意味合いが足下から揺らいでいるというか、そんな画像も写真の範疇な時代だという事なのでしょうね。たぶんそれが当たり前になるのでしょう、と言うかそれも含めて今時は「写真」と呼ばなくてはならないのでしょうね。
へんこなオジサンですけど、それが当たり前というのなら否定はしません、ただそこに写真の面白さを感じられなくなっているわけで。デジカメの新製品が出る度に興味が薄れていくのは、この辺りに原因があるかも知れませんな。
思えば何だか今時のデジタルカメラは、元々光学機器メーカーだったキヤノンやニコンやオリンパスよりも、電化製品メーカーからデジタルカメラを作るようになったパナソニックやソニーの考え出す新しいアプローチに主導権を奪われているような気がします。
多様性と言ってしまえば聞こえはいいですが、方向が変わってきたように思うのですな。ネットにアップしたり共有したりがすぐに出来る所と、とりあえず撮っておいて、後からいくらでも加工出来る所が写真の楽しみ方の一番手に浮上してきたと。
フィルムカメラのように撮る時に出来上がりを想像しながらシャッターを切って、現像上がりをワクワクしながら待つなんてのは、もうマニアの世界なのかも知れません。
撮る時よりも撮った後でどうするかがデジタル写真の楽しみ方だとすると、カメラは一枚の写真を心を込めて撮る道具から、たくさん撮った画像の中からいい所取りするための画像記録装置、そう考えると秒20コマの連写も4Kフォトもフォーカスセレクトも必要なのかも知れませんね。
いいシーンは自分で撮らずにカメラの機能にお任せ。いいものだけ選んで、これまたカメラの機能で加工したり補正して出来上がり。(笑)
それって、ホントに楽しいの?分かりませんな。おかげでオジサンはどんどんフィルムカメラに引きこもり中。残りの人生フィルムカメラを撫で回して生きていこうかと思っておりますよ。(笑)
Certonet(ツェルトネット)という6×9判のフォールディングカメラ。カメラの機能はシャッターと絞りだけ。カメラ任せじゃなくて、人任せじゃないと何も写りません。(笑)カメラは何にもしてくれませんけど撮った写真は中身が濃いような気がしますね。
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