リバーサルフィルムで楽しさ再発見。
CES 2017で発表のあった、コダックのリバーサルフィルム「エクタクローム」復活のニュースに勢いをもらって、リバーサルフィルムの楽しさについて書いてみようかと。今までにも何度か書いておりますけどね、リバーサルフィルムって敷居が高い印象があるようで、なかなか良さや楽しさが伝わっていないみたい、リバーサルファンのオジサンとしては、まだまだそそる記事を書かなくてはいけませんな。(笑)
リバーサルフィルムって聞いてまず思い浮かべるのが、露出がシビアって所ではないでしょうか。カメラ任せで撮って、アンダーやオーバーになっても、プリントやデータ化の際に、ある程度救済できるネガフィルムと違って、リバーサルフィルムは現像上がりが完成品。失敗はそのまんまフィルムに焼き付けられています。
同じ日差しの下で撮ったのに、カメラの内蔵露出計任せだと、露出のばらついたコマがズラリ並んでしまったり。ネガフィルムの時にはそんなこと無かったのにとガッカリ、フィルムも現像代も高いですしね、もう二度と使わないぞってなっちゃうかもしれませんな、というかなるでしょう普通の人なら。(笑)
オジサンはリバーサルフィルムが常用。もうコレばっかりという感じで使っておりますよ、もちろんネガフィルムも使いますけどね、比率で言うと圧倒的にリバーサルフィルムラブな人。ライトボックスの上で見る仕上がりの美しさにノックアウトされてからリバーサルフィルム一辺倒になってしまったのですな。もうね、ルーペ片手に何時間でも見ていたいぐらい。(笑)
リバーサルフィルムの露出がシビアな所って、逆に言えば露出を自分ですべてコントロールできるところだと思いますね。なので単体露出計は必需品。
きちんと測って出た値に対して、ここは暗い目がいいなとか、明るく撮りたいなとか考えて、自分の思う写真を作るフィルム。露出の知識もいりますし、撮りながらデータを付けていると確実に腕も上がりますしね、一見面倒くさそうな、撮る時にやらなくてはならない、あれやこれやが実は全て楽しいわけで。
で、撮った後、現像が上がるまでのワクワクがさらに楽しいのですな。デジタルカメラでココ無くなった部分。いくらきれいに撮れても、すぐ確認できるデジタルだと感動が薄いのはそのせいかもしれません、だからとりあえず撮ってしまう、便利さだけの撮り方になってしまうのかも。撮る量は増えても質は下がって、ろくでもない写真がメモリーカードの肥やしになってませんか。(笑)
ま、デジタルのおかげで便利になった部分はたくさんありますけどね、そこを求める方にはフィルムは向かないかもしれませんな。
カメラにフィルムを入れたら、もう後戻りは出来ません。途中で感度を変えたり、モノクロで撮ってみたり、デジタルなら当たり前のことが出来ないという潔さ。露出を決めてシャッターを切っても、ちゃんと撮れてるかどうか現像するまで分からない世界。だから素敵な写真が撮れたときの感動も大きいのですな。
特にリバーサルフィルムは、陰陽逆になったネガフィルムと違って、そのままで見られるので感動が大きいと思いますね、ズラリ並んだひとコマひとコマが美しい。画面で見るデジタル写真と違って、自分の手の中にあるフィルムに、その時見てきたものが刻まれているという快感とでもいいましょうか。
今更フィルムなんてと思っている方には分からないかもしれませんが、今こそフィルムが楽しい、特にリバーサルフィルムは楽しいと思っているオジサン。エクタクローム復活のおかげでフィルムの選択肢も増えますしね。
往年のコダックファンの中には、もう一度エクタクロームで撮ってみようかって思う方もいるのでは。いや絶対いると信じてますよ。(笑)
発売はまだ先なので、それまでにフィルムカメラを中古カメラ屋さんで吟味するのも楽しいかもしれませんな。
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コメント
おはようございます。記事、楽しく読まさせていただきました。
エクタクロームの再発はびっくりしましたね。発表記事の7に「近年フィルムの需要が増えている」と書いてありました。
私もフィルムの時は、ほとんどリバーサルです。自作ピンホールカメラも多く出動しますが、その時もリバーサル。ピンホールカメラにはベルビア50を使っています。仰るように単体露出計を使って、少し慣れれば恐れることはないですね。
フィルムが現像から帰ってきて、ビューイングボックスの上に乗せてみる至福の時間が好きです!
投稿: surgeon24hrs | 2017年2月 5日 (日) 23時32分
surgeon24hrs様、こんばんは。
フィルムの需要が増えているのはデジカメがつまらない写真の撮れるコンピューターになってしまっているからだと思っています。何でも出来るカメラが何でも満たしてくれるわけではないと。フィルムファンを増やす好機かもしれません。(笑)
投稿: よもかめ亭主 | 2017年2月 7日 (火) 19時34分