思い出と写真が残った2 フジGA645Zi
中判カメラにハマって、中判入門系ムック本なんかを読みあさっていた頃、旅行の際にも手軽に持っていける中判カメラが欲しくて、645判ならカメラもやや小さくなるし、いいんじゃないかと買ってしまったのがフジGA645Zi、これは新品で買いました。
今となってはお店の名前も思い出せないのですが、大阪にあったバッタ屋さん。バッタ屋というのは、資金繰りに苦しくなった所から、現金で叩いて品物を仕入れてきて格安で売るお店の事。実に関西的な呼び名ですけどね。(笑)
そのお店、1階はコンパクトカメラやフィルムに、フロッピーディスクなどのパソコン関係の物が激安の値札を付けて積まれていて、見るからにいかがわしさプンプン、階段の壁には価格表がベタベタ貼ってあって2階に上がるとショーケースにカメラやレンズの箱が所狭しと詰め込まれていて、これまたいかがわしそうなお兄さんが一人立っているという。でもいつも人でいっぱいでしたな、皆さん少しでも安く買いたいですからね。
価格を表示してあっても交渉して値切るのがこのお店での買い物スタイル。電卓片手のお兄さんと、あ~だこ~だとやっています。で、フジGA645Ziを買うために早速値切り交渉したわけですが交渉決裂で、他も当たってみようとお店を出たのですな。
数軒回って希望金額じゃなかったので諦めようかと思ったのですが、どうも諦めがつかず、もう一度バッタ屋さんに戻ったところ、お店のお兄さん「よそはもっと高かったでしょ、戻ってきてくれたんやから勉強さしてもらいますわ。」と交渉再開で気持ちのいい値段で買えたという。なんだかカメラの思い出というよりお買い物の思い出になってしまっていますが、そんなこんなで買ってしまったフジGA645Zi。
後日談がありまして、数ヶ月後にこのバッタ屋さんに行ったときあのお兄さんはいなくて、お店の入り口に指名手配の貼り紙が。お店の売り上げを持ってトンズラしたらしく、見かけた方は情報提供をお願いしますと書いてありましたな。ま、そういうお店だったという事で、その後閉店してしまいましたけどね。(笑)
で、フジGA645Zi、カメラとしては間違いない仕事をしてくれるのですが、正直言って、誰でも使えるコンパクトカメラをそのまま中判サイズにしたようなカメラ。敷居の高い中判の世界をできるだけ簡単にしたいという気持ちがにじみ出ているカメラなのですな。
あらゆる部分がフルオート、しかも撮影データをコマ間に記録してくれるという、至れり尽くせりぶり。楽ちんで撮った写真はさすがとうならせる描写なのですが、中判カメラを使っている気分に全くなれないという。色んな旅行に持って行きましたけどね撮っててなんとなく違和感が。
重々しい中判カメラで被写体とじっくり向かい合って撮っている気分になれなかったのですな。構図を決めて押すだけでややこしい所は全部やりますよって所が楽しみを奪われているように感じるカメラだったので結局短命でした。
実に良いカメラだったのですけどね、撮る楽しみが薄かったという事で放出。失敗無く中判入門したい方にはオススメしますけどね。オジサンが、ちょいとばかり中途半端なサイズの645判に馴染めなかったのも原因のひとつでした。
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