立ち飲み百景18 競馬客の悲喜こもごも。
行きつけの立ち飲み酒場は、土日は競馬ファンでいっぱいになります。元町のJRA場外馬券場のビルを中心に、その界隈の酒場はどこも同じ景色、競馬新聞を広げて、作戦を練るファンが集っています。
オジサンはギャンブルは一切しない人。普段がギャンブルみたいなひどい仕事をしているので、わざわざ休日に同じような事などしたくないのですな。(笑)ま、それは言い過ぎかもしれませんが、競馬に入れ込んでいる方々を横目で見ながらその悲喜こもごもを観察するのが楽しかったりします。
すごく冷静にかつ客観的に見ていると結構面白いドラマが目の前で展開されるのですな、競馬ファンの方々に怒られそうですが、たかが馬が走っているのだけなのに何が楽しいのかと思いつつ、テレビの中継に一喜一憂している姿に醒めた目線で人間ウォッチング。(笑)
昨年末は大きなレースが目白押しだったようで、そのあたり全く詳しくないオジサンにはどうでもいいどころか、いつもより混んでいるお店に入り込むスペースが無いのがイライラしましたけどね、いつもは来ない人たちまでここぞとばかり来ています。
お馬ちゃんが走り出すとテレビの画面に向かって大声で声援というか、自分が賭けた馬に必死になって叫んでますな。「行け行け、根性見せんかい」とか「何やっとんじゃい、ボンクラ」とか騒がしいこと。で、レースが終わるとなぜか無言。負けたことはその空気感で分かりますけどね、あまりにも落差が激しすぎて笑いそう。
今まで「よっしゃぁ取ったぞ~」って勝ちどきの声を上げている人を見たことがないのもお約束。賭事の才能が無い人ほど大声上げてます。大きなレースが終わった後は潮が引くように皆さんお愛想して消えていきますな。どこかで反省会でもするのでしょうか。
見てて面白いのは、大きな勝負に出て負け戦、木っ端みじんになって目もうつろなままお愛想してヨロヨロ出て行くお客さんと、大きな勝ちはないけれども確実に当たりを取る堅実派の競馬ファンの二手がいるということ。
堅実派は勝っても大声を上げたりはしませんな。次のお酒とアテを頼んで、また競馬新聞に目を走らせています。静かに勝負して、時々馬券を買いに出ていって、いつの間にか戻ってきているという。お勘定の時に大将から「どうでした?」って聞かれると、「トントンですわ」と控えめな返事をしつつも、笑顔に勝ち組の余裕がにじみ出ているのですな、金持ちケンカせずとでも言いましょうか、お釣りも受け取らず「ごっそうさん」。
大将曰く、昔は大勝ちしたら「コレで何か旨いもんでも食って」と万札置いていく常連さんもいたそう。今はそんな時代ではありませんが、勝ち組と負け組の明暗を肴に一杯やるのも休日の立ち飲みの楽しみ方だったりします。(笑)
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