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2016年12月 6日 (火)

クラシックカメラに冬はつらい。

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若かりし頃、入り浸っていた写真屋さんの常連だった、撮り鉄の友人。極寒の場所での撮影で、電池で動くカメラが寒さでバッテリー消耗して使い物にならず、機械式カメラしか役に立たなかったと怒りながら語っていました。
動かなかったのはキヤノンT90、動いたのはNewF-1。フラッグシップ機なので、悪条件でも確実に撮影できて当然といえば当然なのですけどね。T90は単三電池4本でモータードライブ内蔵のオートフォーカス以外は何でも有りの名カメラなのですが、さすがに極寒の地ではただの置物だったようで。寒い所では電池って本当にもたないそうですな、その時初めて知りました。
機械式カメラはその点、電気仕掛けの部分が無いので、心配はありません、表向きはですけどね。
実は機械式カメラでも冬場は結構つらい場面があるのですな。修理屋さんにきちんとオーバーホールしてもらっているカメラなら心配は無いでしょうが、オジサンのようにジャンクカメラを直して使ってたりすると、冬場にトラブルに遭遇します。機械油が寒さで固まってしまうのですな。
おかげで冬場は休場してもらわないといけないカメラが何台かあります。暖かい季節専用機で、撮った写真は夏場の景色ばっかり。このカメラたちを冬場に売りに行ったら故障品と見られて下取り査定も下がること確実。(笑)
人間で言うとかなりのお歳に相当するカメラばかりなのでね、どこかおかしな所が在って当たり前と思って使うのが作法かと思いますね。そういうわけで、過去にトラブったカメラは、使うときの注意をメモに書いてカメラのフィルム室に入れています。
「シャッター低速側冬眠。要ウォーミングアップ」とか「巻き上げ重くなるのでゆっくり」とか書いてあるのですな。カメラもたくさんあると覚えてられないので、こうしておくと使うとき、フィルムを入れようと裏ブタ開けた時にメモを見ればコンディションが分かります。
何度か空シャッターを切って、ウォーミングアップしなければいけないカメラだと、フィルム入れてしまってからでは遅いですからね。35ミリフィルムだと巻き戻せますけど、中判の120フィルムだと巻き取り一方通行なので、巻き戻せません。
冬場のトラブルで一番多かったのが、二眼レフの巻き上げ。巻き上げクランクがすごく重くなって、巻き上げながら不安になりましたな。次に多かったのが35ミリレンジファインダーカメラのピントリング固着。グリスが固まってしまって、回すのに指先が痛くなるようなのが数台在ります。
どれも当時の大衆機。発売されてから50年以上経って、オジサンに使われるなんて想像もしてないでしょうから、カメラにとっては迷惑な話でしょうけどね。そんなこんなで冬場に活躍できないカメラの数々。暖かくなるまで防湿庫の中で冬眠中。(笑)

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