好きな写真家8 ジョエル・マイヤーウィッツ
この方の事を書くのにネットで調べていると、ジョエル・マイロウィッツって出てきました。外国人の名前をカタカナに置き換えるのには多少無理があるのでしょうが、オジサンの世代はマイヤーウィッツと呼んでいたので、マイロウィッツって何となく違和感があります、違う人みたいに聞こえますな、なのでこのブログではマイヤーウィッツと表記させていただきます。ま、小さな事なのですけどね。(笑)
この方の事を知ったのは何時だったか、もうずいぶん昔のことなので、記憶が曖昧なのですが、写真の歴史について書かれた本の中に出ていたのを見たのが最初だったと思います。色々な写真家の事が知りたくて、写真集を見たりしていた頃。
アメリカで「ニューカラー」と呼ばれる写真のムーブメントがあってその一派にマイヤーウィッツさんもいたわけで。1970年代、カラー写真は報道や広告の世界では当たり前になっていたのですが、保存や色再現の問題があって、写真家の作品はまだまだモノクロ写真じゃないとねっていう時代に、カラー写真で新しい表現に挑んだ写真家たちの写真を「ニューカラー」と呼ぶというのをその時知りました。三輪車の写真で有名なウイリアム・エグルストンはみなさんご存じかと。
その時は、どこにでもありそうなアメリカの風景をカラーで突き放したように撮った写真だなぁぐらいの知識しかなかったのですが、1991年に「つかしんホール」でマイヤーウィッツさんの写真展をやっているのを見に行って、気に入ってしまったのですな。
代表作に「Cape Light」がありますが、その時やっていたのはもう一つの代表作「A Summer's Day」。ケープコッドという避暑地で撮影された風景とそこに来ている人たちのポートレイトの写真。
会場では恐ろしく大きなプリントがバ~ンってかかっていて、近づいてみても実に緻密だった印象がありました。マイヤーウィッツさんはスナップをわざと8×10の大判カメラを使って撮るという手法で有名な人、8×10からならどんなに大きなプリントでも余裕ですからね、どの写真も撮られた場所に居るかのようで、避暑地のけだるさというか、空気感がすごく伝わってきましたな。その場所に入り込むというより、ちょっと離れた場所から淡々と撮っている感じに引きつけられました。部外者が醒めた目で観察しているような感じとでもいいましょうか。プリントは独特の色調で、自家プリントだそうですが、これも印象的でした。
その時買った図録がまだ手元にあります。時々思い出したようにページをめくっておりますよ。あの空気感に触れたくなるのだと思います。興味のある方はぜひどうぞ。
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