立ち飲み百景16 勘違いな常連客
酒場の常連客というのは、そのお店に通い詰めて馴染みになった、いわばプレミアム会員のような人たち。お店にとっては何時も来てくれる上得意、お客にとっても帰り道のお約束の場所。何時までも変わらずいて欲しいと思いながら日々飲んでいます。
そんな常連客にも暗黙のルールというかしきたりというものが当然ながらあるわけで、その空気を読みつつお店を楽しみお酒を楽しむのが大人のお付き合いなのですな。
ところがそれを勘違いしている人もいるわけで。常連は特別扱い、他のお客さんとは立場が違うと思いこんでるところがすでにダメダメ、馴染みになったからといって何でも許されるわけではありませんからね。(笑)
いつも見かける職人風の常連客、以前はちゃんと立って飲んでいたのに、最近は入ってくるなり当たり前にイスを出してきて、いつもの定位置で座り飲み。その場所が空いてないと、「スンマヘン」と横にずれてもらって場所確保して座ってしまうという。
立ち飲みは空いている場所で周りに配慮しつつ飲むのがルール。当たり前のように場所取りするのも、座り込むのも完全にルール違反。お客が少ないときならまだしも、混んでるときにこれをやっちゃぁイケマセン、そのうち大将に叱られて出入り禁止になりますよ。(笑)
部下だと思いますが、若いモンをいっぱい連れてご入店。社会勉強でしょうか、昔ながらの立ち飲みの良さや歴史を語り上げてましたな、聞かされる方は単なる迷惑、今時の若いモンはもっとお洒落なスタンディングバーに行きますからね。
昭和レトロな立ち飲みの良さも、語り部が悪いとただの退屈。端で見てるとまるで立ち飲みの研修、後でレポート提出はなさそうでしたけどね。気分よく語る上司も、最初は誰かに連れてこられてこの世界を知ったのでしょう、あまり得意にならない方がよろしいんじゃないですか。「初心忘れるべからず」は酒場でも同じですからね。(笑)
大将と「ちゃん」付けで呼び合って、旧知の仲だというのをアピールしたがる年輩の常連さんも、ちょいとばかり迷惑な方々。そんな昔から立ち飲みしか行く所が無かったのですかって、反対に聞きたくなりましたな。でもうっかり聞いちゃうと、昔の羽振りが良かった頃の自慢話で反論してきそうだったので、お酒と一緒に言葉を飲み込みましたけどね。(笑)
毎日来て、長々と飲んでる常連さんも困ります。お金を払えば何時まででも飲ませてくれますけど、それも限度ってモンがありますからね。いつも見かけるおじさんがこのパターンの方。そろそろ帰るかな~と見ているとコップを差し出してもう一杯。帰った後に店のオバチャン「今日は5時間でっせ」。聞くと、ほぼ毎日来て3時間は間違いなく居るらしく6杯ぐらい飲んじゃうそう。見ててオバチャンも心配になってくるらしいのですな。最後はふらふらになって出て行くそうで、オバチャン曰く「何時か大怪我するで」。
常連だから、何でも有りは大間違い、むしろ模範になるようなスマートな飲み方を心掛けたいもの。そう思うとオジサンもまだまだ修行が足りません。もっと通って日々勉強(何の?)しなくてはイケマセンな。酒場の黒帯になれる日は何時でしょうか。(笑)
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