見せてもらおうかお前の実力とやらを、オリンパスペンS
日本のカメラ史に残る名カメラ、オリンパスペン。ハーフサイズ好きにとって避けては通れないカメラでありますな。
ペンのことを知るのに、朝日ソノラマ刊、クラシックカメラ選書26「オリンパスペンの挑戦」という本がありました。設計者の米谷美久氏自らが語るペン誕生の回顧録。若き新米設計者が夢のカメラ実現に向けて奔走する姿が浮かび上がる究極のペン本。戦う技術者のお話っていいですな、理工系のオジサンは何度も読み返して感動しておりますよ。
で、感動しておきながら、持っているのは初代ペンじゃなくて、2代目のペンSだという。ま、この辺りはコレクターやマニアじゃない「撮るのが好き」なオジサンとしては、写真を撮る道具としての完成度が高い2代目にひかれるのは当然かと。(笑)
オジサンのペンSは、行きつけの中古カメラ屋さんに委託品で並んでいたもの。どういう保管をされていたのか結構薄汚れていて、低速シャッターが不安定、霞がかかったようなファインダーに、レンズもきれいで無かったのですけどね、値段に負けてお持ち帰り。
その頃はカメラ修理にはまっていたので、ネットのバラし記事などを参考に、徹底的にキレイにしたら蘇りました。直したカメラを飾っておくのはコレクター。オジサンはもう一度壊れるまで使ってあげたい「天寿全うこそカメラの幸せ」だと思う人。なので当然ながら使いまくりましたな。
リバーサルフィルムで撮って、ライトボックスの上で小さなコマがずらりと並んでいるのを見るのが楽しくてね、ストレスも吹っ飛びますよ。ルーペで拡大して見ては「お~」って歓声上げてました。家人からはヘンタイ扱い。(笑)
ところがオジサンのイケナイところは、カメラが増えてしまって、使う順番が新しく見つけてきたカメラ優先になってしまうという。気が付けばペンSは完全にベンチウォーマー。防湿庫の中で、でかいマミヤ6の後ろに隠れて泣いてました。イケマセンな、米谷さんに叱られますよ。
で、久々に持ち出してみました。どこかのアニメの名台詞じゃないですが「見せてもらおうか、お前の実力とやらを。」ってわけで、せっかくだから、そのポテンシャルを引き出してやろうとフィルムはリバーサルのベルビア50をチョイス。
ハーフサイズなのでね、フォーマットが小さい分大延ばしの際は不利になりますから、できるだけ粒子の細かい低感度フィルムを使ってやろうかと。
レンズが一番実力を発揮できるF5.6~F11辺りで撮ることを考えても、晴れの日中なら手ぶれしないシャッタースピードで撮れますから感度50で問題なしということで、お洒落な雑貨屋さんが並ぶ元町乙仲通りを撮り歩いてみました。
一応まじめに撮影データもメモしましたけどね、晴れの日中ですから、日の当たる場所で125分の1、F8半から11、日陰になったところで60分の1、F5.6とセオリーどおりの露出、ほぼこの二つでOKでした。露出計で測っても同じ値、日差しが一定なら露出も一定、カメラの内蔵露出計のように向けるものでコロコロ変わったりしませんからね。
後はこの値に自分の味付けをするわけで。完全マニュアル露出のペンSってホント楽しいですな。炎天下を西から東へ撮り歩き、ちょうどお店のとぎれる辺りでフィルム一本撮り終えて、オジサンの体力も終わりました、全部で77コマ撮れてましたな。
後はお楽しみの串カツで一杯、ビール、うぐうぐプハ~でペンSにお疲れさん。久々に充実した一日でありましたよ。(笑)
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コメント
よもかめ亭主様、こんにちは。
ベルビア50、滑らかでキレイですね~。私も真似してペンで使ってみよう。ちょっとお高めのフィルムだけど、倍撮れるハーフで使うのはお得な感じ(^^)今日はEE-3を使ってみましたよ。首からぶら下げてパチリパチリ♪ペンFはもう1本撮ったので現像に出します。これまた使ってて楽しいカメラですね!出来上がってくるのが楽しみです。
投稿: りえぽん | 2016年7月31日 (日) 13時57分
こんにちは。
実に健全な一日の過ごし方です!
やはりペンSは素晴らしい実力を持ってますね。
既成概念を打ち破り、超越したカメラとして今でも存在感と品があります。
私は骨董市で出会ったペトリ コンパクトEを最近保護(500円)し、完璧にレストア(自分基準)しましたのでこれから撮影しようと思っております。私もベルビア50にしようと思います。
アイレットが無く三脚穴にねじ込むハンドストラップ形式なのですが、あまり好きでは無いので自作カメラケースを制作しております。
投稿: 想桜 | 2016年7月31日 (日) 15時45分
りえぽん様、こんばんは。
私が撮るものが色合いが地味なのであまり分からないかと思いますがベルビア50のほうが色合いがビビッドです。色鮮やかな花とか日差し越しの新緑とか撮ってみるとワンランク写真が上手くなったかのような気がしますね。ただ適正露出はシビアだと思います。是非チャレンジしてみてください。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年7月31日 (日) 20時09分
想桜様、こんばんは。
ペトリコンパクトが500円なんて、その骨董市は秘密にされたほうが良いかと。(笑)ちょっとお高いですがベルビア50ぜひお試しください。100よりも鮮やかな印象があります。
アイレットのないカメラはすっきりしているのですが、持ち歩くには不便ですね。私も三脚穴にねじ込むストラップは好きになれません。私の場合キャノンデミなのですが、あのカメラはケースも似合いませんね。スッピンがカッコいいカメラだと思っています。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年7月31日 (日) 20時17分
よもかめ亭主さま今晩は♪あんみつです。
リバーサルフィルムの良さをまだまだ知らない私には
よもかめ亭主さまの撮影した素敵な写真をただただ鑑賞するのみ!
今回の雑貨屋さんの写真もきれいです!フィルムも大事だけど
どうすればグッと来る写真になるか考える知性も必要なのだと
よもかめ亭主さまのスーパーカメラ人ぶりを見ちゃいました
投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年8月 4日 (木) 00時51分
あんみつ☆乙女様、おはようございます。
画角ですよ画角。同じレンズを使い続けると画角が身につくので、景色を見た時にだいたい写る範囲が分かるようになります。そうなるとレンズは目の一部、思った通りに撮れるようになりますよ。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年8月 6日 (土) 07時25分