コンテストって何だろう。
写真好きの方なら記憶にあるのではないでしょうか。少し前ですが「オホーツクの四季」写真コンテストの最優秀賞作品が物議を醸しましたな。
「イルカに乗った少年」は城みちるに、海のトリトンでしたが、鯨の死骸に乗ったお調子者写真は世間から叩かれる羽目に。
鯨に関しては世界中から目くじらを立てられているこの国で、あんな写真を出せばどうなるかぐらい気が付きそうなものですがね、撮った人も審査した人も主催者も、誰も何とも思わずスルー、最優秀賞に選ばれた後で批判が相次ぎ、出品者は受賞辞退、主催者が陳謝という大事になってしまったという事件でした。
写真コンテストって何なんでしょうね、写真の雑誌を見ると全国各地で開催予定のコンテストの案内が出ています。年がら年中どこかでコンテストをやっているみたいですな。みなさん応募してねって事なのでしょう。
写真雑誌の月例コンテストも脈々と続く定番ページ、お偉いセンセイに選んでもらって、点数付けてもらって、アドバイスしてもらって、年間通して最高得点の人が最優秀賞という、いつ見ても写真もコメントも、変わり映えのしないお約束のページ。自分のお気に入りの写真に点数付けられる事がすでによく分からないのですが。
オジサンはコンテストがどうも好きになれません。なので今まで一度も出したことがありません。お偉いセンセイに気に入られるような写真なんて撮った事も、撮る気もありませんしね。普段から写真雑誌のコンテストページを無くしてしまえば、もっと面白くて良い雑誌になるのになぁと思っているヘンコおやじでございますよ。(笑)
ま、世の中にはコンテスト命な方もいらっしゃるでしょうから、これも一つの写真の楽しみ方だと理解したいと思いますが、どうもあの世界がよく分からないのですな。
人間誰しも、ほめられて悪い気がする人などいませんからね、まして自分の撮った自慢の一枚を有名なセンセイに選んでもらって、ほめてもらえればそれこそ有頂天になるでしょうな。でもね、何だかここに気色の悪いモノを感じてしまうわけで。
昔で言う旦那芸の世界、今だとカルチャーセンターの教室のようなものでしょうか。楽しみでやっている小唄や踊りのお稽古をお師匠さんに付けてもらって、普通の人よりは上手で詳しくはなるけれど、それでご飯を食べられるレベルにはならないし、なる気もないという。
写真もそういう場で磨きをかければ上手になるとは思います。誰に見せても「うまいですね~」と言ってもらえる写真はそつなく撮れるようになるのでしょうね。
コンテストの写真を見ていて、つまらなく心も動かず、どれも同じように見えてしまうのは、コンテスト調写真しか並んでいないからではないかと。上手だけれどコンテストのための写真以上にはなっていないのですな。そつなく難なく感動もしないのに、ぱっと見は上手に見えてしまう写真。撮ってて楽しいのですかね、そこがどうしても分からない。ほめてもらうための写真より自分の思う写真を撮るほうが楽しいのじゃないかと。
「俺はほめられて伸びるタイプだ」って方もいらっしゃるでしょうから、ややこしいことは言いませんけどね。
そう思うと今回事件になった鯨の死骸の上に乗った写真は、差し障りのないコンテスト調写真の中で、ぶっちぎりでハズしていたから選ばれたのかもしれませんな。
ひどすぎてかえって審査員の目に留まったのかも。でもそれを選んでしまった関係者の見識はクジラの上ならぬ、批判の俎上に載せられても当然だと思いますけどね。
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コメント
おはようございます、あんみつです♪
コンテストって偉いプロカメラマンのお気に入りになる
競争なんでしょうか。私あんみつは当然ながら参加した
経験がありません。ところで、この写真は海のトリトンの
子供用遊具でしょうか可愛いようなちょっと
シュールなような
投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年4月 3日 (日) 08時27分
あんみつ☆乙女様、おはようございます。
コンテストを全否定するわけではありませんが、それよりも前に自分が写真に撮りたいと思う物事を楽しく撮ることが大切かと。うまくなると腕試ししたいという気持ちもわかりますけどね。(笑)
海のトリトン遊具は、ちょっとできが悪くて、不気味感が有るのが面白くて撮ったものです。某商店街の路地で見つけてテレビを思い出して懐かしかったですね。主題歌がいいんです。youtubeで探してみてください。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年4月 3日 (日) 08時59分
コンテストって選考者の好みですから。大昔の月カメにプロカメの選考者は将来のライバルにならん奴を選んでるとか否か..。
実際、選考写真を見ても「なんでこんなのが最優秀作品なの?」と思うようなのがたまに見られますよね?
今は桜が旬ですが、どうせ毎年見られるんだから競って撮っているのって何だかなあ!
自動車レースみたいに結果が全てならかえって納得できるんですけど。
投稿: レイの父親 | 2016年4月 3日 (日) 11時22分
レイの父親様、こんにちは。
桜は写真雑誌の月例や観光地のコンテストの定番ですね。なのに今までこれはスゴイと思うようなのは何故か見たことがありません。(笑)本当はスゴイのが応募されているのかもしれませんが審査員が見つけられていないのか、わざと外しているのかその辺りが謎です。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年4月 3日 (日) 12時18分
よもかめ亭主さんこんにちは。
私はありますよーコンテスト出したこと。
賞品も色々貰いました。大物はコンデジ。
面白写真か子ども専門でしたね。でも飽きました。
理由はよもかめ亭主さんが書いてらっしゃるのと一緒。
なんか趣味なのに評価されるのも、それにまつわる諸々にも嫌気さしました。
もっとくだらなーい自分だけ楽しい写真が撮りたい。
そういえばクジラの写真のコンテストって審査員1人だけって地元の新聞に出てたような…。
投稿: Myrrh | 2016年4月 3日 (日) 15時52分
Myrrh様、こんばんは。
「くだらなーい自分だけ楽しい写真」というのが実は一番大事なのではないかと思うのですよ。そういう写真を撮る人の地位が低いのは、すごいカメラを作れても写真文化の多様性を認めて育てられなかった写真&カメラ業界の責任だと思います。まずコンテストを止めることから始めたらもっと写真は楽しく深く面白くなるはず、と日記には書いておこう。(笑)
投稿: よもかめ亭主 | 2016年4月 3日 (日) 19時28分
こんばんは。
私もコンテストとは無縁な完全無欠のアマチュアカメラマンです。
アサヒカメラを毎月購入していた頃、素晴らしい!と思った写真は今でも覚えていますので、写真自体に罪は無いと思うのですが、ずうっと気になっていた事があります。それは掲載されている方々の使用機材のほとんどが一流メーカーで占められ、二流、三流メーカーが無かった事、それとシャッタースピードや絞り値がきちんと掲載されていた事です。審査員の目にはフィルターがかけられていそうですし、応募者は一枚撮影するごとにデータをメモっているのでしょうか?真面目ですな。きな臭いし噓臭いし「ほんまかいな」という感じです。
投稿: 想桜 | 2016年4月 3日 (日) 23時36分
観ました聴きました!いい曲ですねえ
それと、イルカが白いのに何で遊具のは水色?
だいぶ昔の作品だというのは分かりましたが、
クレジットに演出 富野よしゆきってガンダムの
作った人では?ちょっとオタクなあんみつでした♪
投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年4月 4日 (月) 07時54分
想桜様、こんばんは。
あのデータは絶対ウソですよ。メーカーから袖の下が出てたことは間違いないのでは。(笑)偏り過ぎですからね。応募者の撮影データも眉唾モノ、私は専用メモ用紙を作って記録してましたが面倒くさい。それをすべての応募者がやっていたなんて到底思えません。コンテストは色んな意味で信用できない感がアリアリですね。でも未だに続いているのはなぜなのでしょうね。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年4月 4日 (月) 23時59分
あんみつ☆乙女様、こんばんは。
ガンダムとの接点に関してはガンダム世代ではないので分からないのですが、有り得る話ではありますね。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年4月 5日 (火) 00時05分