カメラの広告に見るカメラのこと
少し前に、フジカミニを取り上げた記事中で、当時の広告が見つからないことを書いたところ、いつも楽しく拝見させていただいているブログ「ファイティング ガッツ ピストン号」様より、当時の広告を記事に掲載していただき、大変参考になりました。というか初めて見たのですけれど。ありがとうございました、この場を借りて御礼申し上げます。
古いカメラを使っていると、そのカメラが発売された時代のことを知りたいと思うことがよくあります、そういう時、当時の雑誌は実にいい資料になるわけで。見返してみると中の記事や写真より、広告の方が面白かったりしますね。その時々で、どのメーカーに勢いがあったかもよく分かります。
もう何年も前ですが、三宮の大きな古書店が閉店セールで古い雑誌一冊30円で大放出、ここぞとばかりカメラ雑誌を大量に買ってきましたが、さすがに古い雑誌は劣化がひどく、ドキュメントスキャナを導入して電子書籍化してしまいました。これなら黄ばんで文字が読めなくなったり、湿気でページがくっついてしまったりすることはありませんからね。おまけに検索一発で捜し物もすぐ見つかりますし。これをipadに入れて仕事の行き帰りに読むのが楽しかったのですな。
持っているので一番古いのが「寫眞雜誌 カメラ 1935年(昭和10年)5月号」、まだ国産カメラは種類が少なかったのか舶来カメラの広告が多く出ておりますな、ツァイスイコン、コンタックス、コダックレチナ等々。しかもカメラはペン画のイラストで掲載されているという、当時の印刷技術も垣間見る事が出来ます。
その中で意外と多かったのが印画紙と乾板(シートフィルム)の広告でした。次にフィルターの広告が多いかな。時代背景を考えると、お金持ちじゃないと写真を楽しめなかった頃だと思います、舶来カメラで写真を撮って、自分で現像や引き伸ばしもしていたのではないかと。
1950年代に入ると二眼レフ、中判スプリングカメラなど、ブローニーフィルムを使う国産カメラの広告がじゃんじゃん出てきます。特に戦後すぐに手持ちの部品で生産再開したマミヤの広告が多いような気がしました。
国産35ミリカメラはライカコピー機などまだ少数派でしたが、徐々に勢力を拡大していきますね。その後ハーフサイズカメラのブームとともに35ミリフィルムを使う小型カメラが主役の座に、二眼レフや中判スプリングカメラの広告は見かけなくなっていきます。そして一眼レフの台頭へと続くのがよく分かります。
どのメーカーも、よそとは違うんだをアピールして強気のキャッチコピーが踊っているのが今となっては笑えます、広告に勢いを感じますね。おかげでカメラ大国へとのし上がっていったのですから勢いって大切だったのかもしれません。
今も残っているメーカーならホームページに自社の歴史について載せてくれていたりしますが、消えていったメーカーのことを調べようとすると、古い広告はまさにお宝、調べるつもりがついつい読みふけってしまうのが玉にきずなのですけどね。(笑)
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コメント
あ、スーパーイコンタだ♪
実は数日前のコメントの後に、今度は6×9のイコンタを買ってしまいました(笑)もちろんレンズはノバー、スーパーの付いてない廉価版の方です。うっかり写真共有サイトでこのカメラで撮った写真を見たら欲しくなってしまいまして…(^^;
昔の雑誌、広告、見てみたいのですが…田舎に住んでるのでなかなかそういうお宝を置いているお店はありません(^^;
せいぜいネットで検索してみつけるくらいです。
今ってなにやらカフェとかよくありますけど、銀塩カメラカフェとかやったら流行るんじゃないですかね。そういう本とか自由に触れられるカメラとか置いたりして♪
おじさん率がかなり高そうですけれど(笑)
投稿: び~ | 2016年4月23日 (土) 18時51分
び~様、こんばんは。
実は元町にあるフォトカフェって名前の喫茶店はそういうお店です。http://www.eonet.ne.jp/~photocafe/写真とカメラと船が好きなご主人がリタイヤ後に始めた喫茶店です。写真にまつわるというかカメラにまつわる本は読み放題。月替りでショーケースにカメラを展示してます。その近くにあるバーディーというギャラリーはクラカメ貸し出しをしています。http://motomachi-birdie.net/index.htmlです。
昔の雑誌等資料が必要でしたらいつでも言って下さい。すべてPDFにしてありますので。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年4月23日 (土) 20時02分
こんばんは、あんみつです
カメラは時代と共に、
いろいろな広告も、大事な
少しずつ方向を変えながら庶民の手が届くようになっていった
特別なものですよね
遺産なのかもしれませんね。でも昔のカメラって重そう…
投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年4月23日 (土) 20時07分
おおっなんと!すでにあったのですね。素晴らしいっ!
近所にあったらきっと頻繁に通ってます。
悲しいことに私は東海地方に住んでまして…よもかめ亭主様が羨ましいです。
とても雰囲気が良さそうなカフェですね♪コーヒーカップ可愛い♪レンタルも良心的なお値段。
行ってみたいなぁ~(^^)
あ、また見たいのが出来たらその時はぜひお願いしたいです!
しかしいつも思いますが、よもかめ亭主様は凄いですねっ!
私はパソコンとかそういった類いは全くダメです(^^;
投稿: び~ | 2016年4月23日 (土) 21時33分
あんみつ☆乙女様、おはようございます。
このカメラは重いですよ。そこがいいのですけどね。そう思うと35ミリカメラは可愛いものです。で、あれやこれや持って出て、結局重たいという事になってしまうのですけど。(笑)
投稿: よもかめ亭主 | 2016年4月24日 (日) 09時32分
び~様、おはようございます。
若いフィルムカメラファンが、少しずつ増えていることもこういう場所が増えるきっかけになっているようです。
東海地方でも名古屋辺ならありそうな気がするのですけどね。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年4月24日 (日) 09時55分
こんばんは。
当ブログをご紹介いただきありがとうございます。
昔の広告は面白いですよね。
私は戦前のカメラ雑誌は所有しておりません、さすがよもかめ亭主様!
一番古いのは1953年くらいでしょうか。アサヒカメラ半年分をまとめて、専用の表紙を付けた分厚い本です。当時アサヒカメラはこういうサービスも行っていたのでしょうか!?年代違いで3冊ほどあります。
現代のと違って素晴らしく読み応えのある内容です。昔は老いも若きも「熱い人」が多かったのだと思います。
投稿: 想桜 | 2016年4月25日 (月) 22時13分
想桜様、おはようございます
こちらこそ、フジカミニの広告掲載ありがとうございました。うろ覚えなのですがアサヒカメラ年鑑って本が出てませんでしたっけ。アサヒカメラの連載記事「話題のカメラ診断室」をまとめた分冊やメーカーごとにまとめた「ニューフェース診断室」は何冊か持っています。アサヒカメラはこういうところにも力を入れていたのでしょうね。今となっては貴重な資料本です。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年4月29日 (金) 06時33分