目立たない優等生、リコーキャディ(RICOH CADDY)
その昔、オリンパスペンの快進撃でハーフサイズの大ブームが起こりました。他社も当然追従、メーカー各社こぞってハーフサイズカメラを発売してきたので、巷に溢れかえることに。
先陣を切ったオリンパスペンの出来があまりにも良かったので、他社もそれを越えるものをと考えたのかどうか分かりませんが、ハーフサイズカメラには実に個性的なものが多いのも特徴だと思いますね。
おかげでオジサンはいろいろ楽しんでおりますよ、楽しすぎるカメラの宝庫、ハーフサイズカメラだけで生きていけるかも。(笑)
そんなハーフサイズカメラの中にあって、実に地味というか、影が薄いというか、昔の演歌に出てくる日陰の女のような、とっても目立たないカメラが今回取り上げるリコーキャディ(1961年発売)。オジサンが勝手にそう思っているだけかもしれませんけどね。でも地味なんですよホント。ハーフサイズブームに乗り遅れまいと、あわてて発売したのではないかと思えるほど没個性。(笑)
後から出てきた弟分のリコーオートハーフ(1962年発売)は、タバコの箱ほどの大きさに未来的なデザインでゼンマイドライブの自動巻き上げと内蔵露出計によるEE機構搭載と、登場したときからスポットライト浴びまくりの仕事は出来るわ、誰からも可愛がられるわのイケメンぶり。
わずか一年違いで何でこんなに差があるのってぐらい、可哀想なお兄さん。オジサンはですね1961年生まれでおまけに長男、リコーキャディーが他人のように思えないのですな。中古カメラ屋さんのジャンクワゴンで見つけるとついつい救出したくなってしまうという。
で、仕事できない君なのかというと、全くそんなことはありません、オジサンも同じです。ただ見た目がちょっとイケてないだけ。(笑)
レンズは弟分と同じRICOH 25mm F2.8なのでとてもシャープです。これでハーフサイズ?って必ず驚くほどいい仕事します。なのに評価が低いのはあまりにもオーソドックスなカメラスタイルなせいかもしれません。オートハーフと比べると普通のカメラにしか見えない訳で。今となってはそれがかえってレトロ感があってなかなか良いと思うのですが、当時は受けなかっただろうなぁ。(笑)
(写真上)露出計のライトバリュー値をレンズ付け根のリングに設定する方式。(写真下)裏側はファインダーと露出計のダイヤル、ボディー下部に巻き上げダイヤル。巻き戻しダイヤルは写真のように使用時ポップアップします。そっけないぐらいシンプルなデザイン。
露出計を内蔵しているのに連動してないところも時代遅れ感があったのかもしれません。単なる添え物、露出を測ってその数値をいちいちレンズに設定してやらないといけないのですな。使い勝手はあまりよろしくないかと。しかも中古カメラ屋さんで見かけるのは大抵ここがダメなせいでジャンクワゴン送りになっていて悲しい値段付けられて泣いてます、他は何ともないのに。
オジサンが持っている2台も立ち飲み一回分ぐらいで救出してきたもの。どちらも当然のように露出計は動きませんでしたが、マニュアル露出で撮るのなら全く問題ないどころか実は使いやすかったりします。普段単体露出計を持ち歩いているので全く問題なし。
レンズの出っ張りが少なくてカメラバッグにも収まりが良いし、コートのポケットにも余裕で入ります。ハーフサイズだけど極端に小さいわけではないので構えやすくて手ぶれもしにくい。
カメラ底部からレンズを見ると、シャッタースピードと絞りのリングが分かりやすいかと。
ピントは目測ですがレンズがちょっと広角なので絞って撮れば深度内に収まります、ハーフサイズカメラで純粋に写真を楽しむのなら持ってて損はない一台だと思うのですが。
目立たないけどこんな優等生カメラもあるって事で、紹介させていただきました。でも地味すぎて、中古カメラ屋さんで目の前に飾ってあっても気が付かないかも。(笑)
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コメント
いい子なんですね、この子も。よく見ればハンサム、
なのに弟の方がスーパースターとは、可哀想。
本当に私が可愛がってあげたいくらいの子だと
思いました
投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年3月 5日 (土) 15時31分
あんみつ☆乙女様、おはようございます。
シンプルで良いカメラなのですが、登場時期が悪かったとしかいえませんね。よく写るんですけどね~。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年3月 6日 (日) 09時03分
たまたまオークションでリコーキャディを見かけ、どんなカメラか?とググって見たら、こちらのブログに行きつきました。作例の素晴らしさにウットリとしてしまい、他のカメラによる作品も、しばし閲覧。リバーサルだよね、絞りは絞り込んでるよね、被写界深度は深いよね、光は眩しいまでに降り注いでいるよね、これならきれいに撮れて当たり前だよね、今度私が撮る時は、明るい順光で絞りを絞って撮ってやろう、なぞと思いながら、次から次へと御作を拝見。感動しました、と書いてフト気が付いた。夜の写真もありましたっけ。
再び三度お邪魔させていただきたく思っています。
投稿: オガチャン | 2019年9月12日 (木) 12時34分
オガチャン様、はじめまして、こんばんは。
当ブログを訪問いただきましてありがとうございます。おっしゃる通りリバーサルフィルムファンなので常用フィルムはほぼリバーサルです。絞りもF5.6〜F8あたりを一番よく使っています。(笑)リコーキャディはシンプルな見た目とシャープな写真が撮れるところが気に入って何度か記事にしました。使い勝手も悪く無いですし、オートハーフの影に隠れた名カメラだと思っています。このカメラのレンズをデジタルカメラに使ってやろうと改造した記事も書いておりますので、よろしかったら見てやってくださいませ。
これからもよろしく。
投稿: よもかめ亭主 | 2019年9月12日 (木) 21時03分