手のひらで測ろう適正露出。
手相見てるんじゃありませんからね。適正露出を測るためにレンズ前にかざしているところ。これでファインダー内に表示された値は1/250秒F11(ISO100)でした。標準反射率18%のグレーカードでも露出計でも同じ値。晴天の日中はほぼこの値になりますね。
長年写真を撮ってらっしゃる方は大抵ご存知な、適正露出を知る方法について書いてみようかなと。
今時のカメラは多分割測光が当たり前になってますな。画面を何分割かして、それぞれを測光してその値を元に内蔵コンピューターが演算、適正露出にしてくれるという仕組み。カメラが写真の撮れるコンピューター化してこのような複雑な計算も瞬時にできるようになりました。
おかげでシャッターボタンを押せばほぼ間違いの無い写真が簡単に撮れるようになったのですが、その昔はそんなモノが無かったので、カメラの内蔵露出計というのはある基準を元に露出を決めていたのですな。
その基準は「標準反射率18%のグレー」聞いた事あるって方、手を挙げて。(笑)
何で18%のグレーなのかって言うと、自然界にあるあらゆる色彩を全部混ぜちゃうとほぼ18%のグレーになるというところから来ているのですな。色んな色の絵の具を混ぜると灰色になってしまうアレです。そういえば子供の頃、独楽に色んな色を塗って回すと色が混ざって灰色に見えるという実験をやったのを思い出しました、どうでもいいことですが。
ま、要するに標準反射率18%より、反射率の低いもの(黒っぽいものや暗いもの)が画面にあるときは明るくなるように、高いもの(白っぽいものや明るいもの)があるときは暗くなるようにして標準反射率に近いところに露出値を持って行きましょうと言うのが内蔵露出計の仕組みでした。
標準反射率18%を基準にした単純な露出の決め方だったので、それに近い風景写真とかでは適正露出になったのですが、極端な状況では全くハズシまくりだったのですね。
例えば黒い服を着た人を画面いっぱいに撮ると、これは暗いものだからと判断して黒い服がグレーになるように露出が決まるので、人物の顔は白っぽく、イイ言い方をすれば美白になります。逆に白い服を着た人だと、これは明るいから暗めに写るよう露出が決まるので人物の顔は色黒の松崎茂になります。(笑)
つまりどんな状況でも、とりあえず標準反射率に近くすれば適正露出でっせという丼勘定的というか大雑把な決め方なのですね。で、ここからがやっと本題の手のひらのオハナシ。
何故か人間の手のひらは標準反射率18%に近いのですな、個人差はあるとはいえ、色白の人も日焼けした人も手のひらは大体同じ肌色。だったらこれを使えば、カメラがおバカな露出値を示しても適正露出を知ることができるわけですね。
やり方は簡単、手のひらを撮りたいものと同じ感じで光が当たるようして、画面いっぱいになるようにカメラを向けて測光し、出た露出値をマニュアルでカメラにセットして撮るだけ。
人類全員手のひらが標準反射率18%とは限らないので、個人差の部分は撮った写真を見て次から補正すればいいかと。私は色白だから出た目より半絞りオーバーとかって具合ですな。
ちなみにアスファルトの道路も反射率18%に近いので、屋外で写真撮るときには撮りたいものと同じような日差しの当たり方をしているアスファルト道路を画面いっぱいになるようにして測れば適正露出になりますよ。露出のシビアなリバーサルフィルムで撮るのなら露出計を持ってキチンと測っていただきたいですが、ネガフィルムならこの方法でも十分ラチチュード(露出許容範囲)内に収まるので大丈夫です。
| 固定リンク | 0
「 写真生活、お役立ち」カテゴリの記事
- 外付けモニターにグリッド表示でもっと便利に。(2024.11.16)
- 雲台親子亀仕様で活躍するハスキー3段三脚。(笑)(2024.11.10)
- 外付けモニターは、でっかいファインダーですわ。(2024.11.03)
- お家フォトの不便を一気に解決、外付けモニター。(2024.11.02)
- 外せないプロの動画を二つ。(2024.10.19)
コメント
よもかめ亭主さま、おはようございます。あんみつです私が使っているレンズでも同じように適正露出が出来るのでしょうか。ぜひぜひ!!教えてくださいませ。m(_ _)mレンズと言ってもたった一本しかないのですが。
投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年1月31日 (日) 06時12分
あんみつ☆乙女様、おはようございます。
レンズは関係ありません、一眼レフは撮影レンズを通して露出を測るので大丈夫ですよ。試してみてください。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年1月31日 (日) 09時24分
おはようございます、あんみつです♪
私の持っているヤシカFX-3スーパー2000の
ファインダーには適正露出の時には緑色の
ランプが点灯し、それ以外は赤いランプが
点灯します。よもかめ亭主様の設定された
1/250秒で絞りをF11にしたところ、露出オーバーの
赤ランプと適正露出の緑ランプの両方が
点灯してしまいました。もう少しだけ、絞りを
動かしたほうがいいのでしょうか?
投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年2月 2日 (火) 11時24分
あんみつ☆乙女様、こんばんは。
そうですね、このままでもいいのでは。ネガフィルムでは許容範囲内ですけどね。ま、あまり神経質にならなくても大丈夫ですよ。自分の手のひらがちょっとオーバー目に反応するのでしたらその分を差し引いて計算すればいいのでカメラの表示に惑わされなくてもいいと思いますが。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年2月 3日 (水) 23時00分
ご教授ありがとうございます♪それでなのですが…えっと…
ネガフィルムの許容範囲って何なのか分かりません
よく聞く言葉だと思うのですが、何となく聞き流してきてしまいました。
本当にフィルムカメラについて超がつくほどの初心者なので、どうか
やさしく解説をお願いします、よもかめ亭主さまm(_ _)m
投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年2月 7日 (日) 07時26分
あんみつ☆乙女様、おはようございます。
え~っとですね、許容範囲って書き方しましたが、正確に言うとラチチュードと言います。意味は、「被写体の明暗差をどこまでフィルム上に再現できるかの範囲」ということになります。一般的にネガフィルムはラチチュードが広く、リバーサルフィルム(ポジフィルム又はスライドフィルム)は狭いのですね。ネガフィルムだと適正露出からマイナス側に1段、プラス側に2~3段ぐらいまでなら十分プリントでカバーできるのですが、リバーサルだと現像上がりが仕上がりなので露出を失敗するとそのまま再現されてしまいます。例えばプラス3段なんて真っ白に飛んでしまって見れたものじゃないわけですね。今回の記事は適正露出を知る大雑把な方法ではありますが、プリント前提のネガフィルムならラチチュード内に収まるので使える方法ですよという意味で書きました。いかがでしょうか。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年2月 7日 (日) 09時25分
少し何だか分かったような気がします♪
えーと、ネガフィルムのほうが直しやすい?で、
ポジフィルムだとほとんど直せないので、
撮影には気をつけろ?うーん、こういうことですよね?
投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年2月21日 (日) 09時05分
あんみつ☆乙女様、こんばんは。
ネガでも適正露出が基本ですが、失敗しちゃった時の許容範囲が広いということです。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年2月23日 (火) 22時54分