立ち飲み百景3 同化してるぜ!
今日はまっすぐ帰ろうと思いながら、仕事帰りについふらふらと立ち寄ってしまう行きつけの立ち飲み。たぶん同じ思いで立ち寄ってしまった、いつもの顔ぶれが反省の酒を静かに飲んでます。(笑)
今となっては数少ない大箱の立ち飲み酒場なので、広い店内でみなさん思い思いのスタイルで飲んでいるのが、なんだかいいのですな。
長年変わらない飲み方が、お店の空気に完全に同化しています。まるで動物園の檻の中で、木に掴まってじっとしている動物のよう。グラスを口に運び、時々アテを一口パクリ。同じ姿勢で、ほとんど動かず、静かにお酒を楽しんでおられます。
長年の常連客の好みは店の大将も覚えていて、店に入れば自動的にいつものお酒が出てきます。何も言わずグラスを差し出せばお代わりを目の前に置いてくれるのも暗黙のルール。
たくさんのお客さんの好みを覚えているというのもスゴイことですが、逆に考えれば、何も言わずいつものお酒が出てきたら常連客認定ということになるわけですな。
常連客の中でもさらに上のスーパープレミアム常連客のおじいちゃん、立つ場所と食べるアテまで決まってます。
店に入ってきていつもの場所がふさがっていても、大将が「チョットそこ空けたげて。」と無理矢理空間を作ってしまいます。
いつもの焼酎の一升瓶とお湯の入った魔法瓶が目の前に。薩摩揚げのおでん四つに味の素かけたのがいつものアテ。このアテもおじいちゃんだけの裏メニュー、他のお客さんには出してなくて、何も言わなくてもおじいちゃんの立ち飲みセットが自動的にセッティングされるという。
30~40分ぐらいかけてテレビを見ながらお湯割二杯とアテを食べたらサヨナラ。お勘定もいつも同じ金額。いつの間にかいなくなっているいるのですな。
きっと長年このスタイルでお酒を楽しんでいるのでしょう、ある意味ダンディというかスタイリッシュというか、なんかカッコいい人。ひょっとしたらお酒を飲みに来るというより、酒場のにぎわいを楽しみに来ているのかもしれません。
見回してみるとそう思えるお客さんを結構見かけます。グループでわいわいやっているお客さんもいますが、一人静かに自分のスタイルで酒場の空気を楽しみながら、景色になじんでしまっている人。
いつ来ていつ帰ったのかも分からない、そういうのがなんだか心地良かったりするのですな。で、気が付けば今日もなぜかカウンターに立っているという。(笑)
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コメント
正直男の人を羨ましく思う場所ですねー
私あんみつも行ってみたかったりするのですが、こういう場所に足を運ぶのは正直勇気が要りますし、何より他のお客さんに無言のプレッシャーが(女が来るな!ここは男の特等席だ)のムードに押されて、すぐにお店から出なくてはならなくなるのでは、という心配もあります
投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年1月12日 (火) 04時10分
あんみつ☆乙女様、おはようございます。
最近は女性お一人様が勢力を拡大しておりますので、今までだと見かけることなどまず無かったお店でも一人で入ってくること有りますね。時代は変わりました。反対に女性ウケするお店ではオジサンは居場所がないので近寄りもしません。
投稿: よもかめ亭主 | 2016年1月16日 (土) 06時54分