マネキンは電気あんまの夢を見るか?
「ブレードランナー」というSF映画が好きで、今までに何度も見ておりますが、その度に何かしら発見があってやっぱり面白い映画ですな。映画に登場する都市や乗り物のデザインをした工業デザイナーのシド・ミードさんの世界観が好きというのもありまして。
物語には、レプリカントと呼ばれる人造人間(この言葉もほとんど死語かも)がでてきますが、よく見ていると、随所にマネキンも登場しています。人間か、人造人間か、本物か、偽物かというのが物語の根底にあるので、映画でもその辺を匂わす意味で、マネキンをさりげなく写し込んでいるのかも知れません。
この映画の原作は、フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」という小説なのですが、この題名があまりにもカッコ良すぎるのか、色々なところでパロディーにされていましたな。で、このブログでマネキンの特集をする時には、絶対にこの題名をもじってやろうと思っていて、今回とうとうやってしまいました。(笑)
原作も映画も、SFというより哲学的な感じのする、存在や生命というものについて考えさせられる、とても深い内容なのですが、オジサンの場合は、マネキンが毎日同じポーズでいるので、肩がこって電気あんまが必要なのではないかという、極めて当たり前のことを考えてみたわけで。(オイ、それって何も考えてへんやろというツッコミは無しネ)
映画の中のレプリカントは、寿命が四年しか無いという設定になっておりますが、マネキンの寿命とは一体どれ位なのでしょうか。汚れたり、壊れたりして、いつかは廃棄処分になるのでしょうが、田舎の田んぼで、かかしになって余生を送っているマネキンもあることだし、結構長寿なのかも知れませんな。
古いタイプのマネキンだと髪の毛がカツラではなく、造形と塗装で表現してあったり。こういう古いマネキンが新しいお店で今時の服を着せられて飾られているのが面白かったりします。新装開店したけどマネキンにまで手が回らなかったのかななんて。新しい店のショーウインドーで居心地悪そうに電気あんまを必要としておりますな。(笑)
マネキンも場所柄というのがありますね。お高そうな店が軒を連ねる北新地の歓楽街にあるブティックではゴージャスなドレスを着た美人マネキンばかり、クラブのホステスさん向けなのが一目で分かります。
ジーンズショップなどに置いてある下半身だけのマネキン、体ひとつならぬ体半分でがんばっておりますな。顔やポーズ、服の着せ方も見ていると面白いものがあります。寂れた商店街のブティックで、プライドの高そうなお顔立ちのマネキンが往時の繁栄を匂わすようにポーズをして立っていたり、全くやる気のない、どうでもエエような着せられ方で放置されていたり。
すごくリアルな生々しい顔があるかと思えば、マンガみたいな顔だったり、笑っていたり、泣いていたり、街歩きでマネキンウォッチングしていると、いろんなものが見えてくるのが楽しかったりするわけですな。
目が少女漫画なマネキン。なんか違和感。
子供服屋さんのマネキン、なんか全然可愛らしくない。むしろちょっと不気味。(笑)
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