呑み助の遠足
以前、職場の友人、取引先のカメラと写真好きの友人で、年に数回、土曜日に「お日さんが高いうちから呑む会」を行っていた。
そろそろやりますかという頃合いに誰からとも無く連絡があって、ではこの辺りでとスケジュール調整をして待ち合わせる、飲み助の遠足だったのである。
最近は飲む量が減ってしまったのと、お互い忙しいのとで、とんとご無沙汰だが、神戸、大阪の名店を昼間からはしご酒するのは楽しかった。
最初の頃は結構お高い、いい店にも行ったのだが、この不況時代、贅沢はできません。1円でも安く、コストパフォーマンス徹底重視で、お値段以上の名店を探さなくてはならないのだが、それが結構楽しいのでありました。
大阪なら,天満や十三に行けば間違いない。そこはまさにパラダイス、期待を裏切るなんて事は絶対無い名店がひしめき合っている。神戸なら、中華料理の名店で、まったりというのが落ち着いていいかなと思っている。いろいろな店をはしごするより、結果的に安くつくのでね。しかも勝手知ったる地元、完全にホームゲームだし。
数年前に、大阪下町酒場列伝という本を参考にして、千林、都島、天六の名店をはしごしたが、さすがに,もうはしごして回るのは体力的にも、経済的にも無理になってきてしまったので、一店必勝、ハズレの店を引かないように、じっくり作戦を立てるカタチに変わってきたのだが、実はココが呑み助の遠足の最大の醍醐味だったりするのである。
小学校の遠足で、決められた予算内でおやつを買っていたのとおなじ感覚とでも言えばいいかもしれない。
いかにゆったり楽しく飲めるかを考えて、吟味し、予算をにらみ、料理の方向性を決め、定休日でないか、昼から開いているかも調査し、後戻りはできない覚悟で暖簾をくぐる、もしそこがアタリの店だったら、我々の綿密な事前調査が功を奏したことをお互いねぎらい、高らかな乾杯の音頭で祝杯をあげるのであるが、見掛け倒しのハズレ店だった場合は瞬時に反省会会場と化し、被害を最小限に抑えるために、最初に頼んだ物以外それ以上は注文せず、次に行く店について短時間で議論し素早く撤収、次の目的地に向かうということになる。
そのためには手持ちのカードを幾つか持ってなくてはならない。あまり土地勘のないところだと、カードは無く、現地調査で店の表から中の様子をうかがい、目視確認、協議、決定、突入ということになる。地元神戸に来てもらうのなら手持ちのカードはいくらでも用意できるので心配ないのだが。
結局いい店を探すための遠足だったりするわけで…。かくも酒飲みというのはややこしく難しい者なのである。
| 固定リンク | 0
「 酒飲み心得帖」カテゴリの記事
- 値上げなんかに負けてられへん、酒飲みの対抗作戦。(2023.12.05)
- 日本酒だからできること。(笑)(2022.12.15)
- 食堂で飲む。(2022.11.22)
- 日本酒の悪〜いイメージって?(2022.06.02)
- うまい日本酒との出会いって。(笑)(2022.01.11)
コメント