M3ショックで一丸となった
日本のカメラの歴史を調べていると、ドイツのカメラに追いつけというのが常に見えてきます。
特に1950年代、中判から35ミリフィルムを使う小型カメラへと移っていく中で、バルナック型ライカを模倣したカメラを作るメーカーがたくさん出てきました。
技術的にも工作精度もまだまだだった時代、何とか追いつけ追い越せ、日本でもあんなカメラを作れるようになりたいという気持ちがライカコピーといわれるカメラの開発に表れていました。
1954年ライカはM3を発表します。バルナック型とは全く違う洗練されたデザインに当時のドイツの工業技術の粋を詰め込んだレンジファインダー最高峰のカメラでした。
今までがんばってきた日本のメーカーにとってはまさしく激震、これがいわゆるM3ショックと言われているものですね。
やっと追いつけそうになったのに、一気に何年も先に引き離されてしまったわけで、そうなると今まで作っていたライカコピーカメラは一気に時代遅れになってしまって価格でしか競争できなくなり、レオタックス、ニッカ、などたくさんのメーカーが消えていきました。
M3ショックの後、ニコンをはじめ日本のカメラメーカーは「とても追いつけませんがな」と、レンジファインダーカメラをあきらめて一眼レフカメラの開発に舵を切ったわけですが、結果的にこれは正解、その後メイドインジャパンの一眼レフカメラがドイツのカメラを駆逐し、カメラ大国へとのし上がっていくわけです。
反対にM3で高い技術力を見せたライカは一眼レフの開発では完全に出遅れ、M3の後M4、M5を出しますが、一眼レフ隆盛の中で経営も傾きその後別会社の手に渡りました。
ということで本日のまとめ。
よもやまカメラ的に面白おかしく解釈するとM3ショックというのは、
マネしたけど、
巻き返されて、
負けました。
の三つのMということですね。(笑)
で、メーカー一丸となって一眼レフで一芸に秀でたところを見せてドイツカメラに一撃を加え世界のカメラの一軍にのし上がったという、まことに分かりやすいカメラの歴史でございます。
お後がよろしいようで。(笑)
物心ついた時にはカメラといえば一眼レフが主流どころか当たり前でした。で、憧れだった一眼レフ「キヤノンニューNewF-1」とそれを特集した当時のCAPA誌を並べてパチリ。表紙が早見優さんというのが泣けまする~。帰国子女で英語ペラペラのカシコイ系アイドルでした。バイリンギャルなんて言葉も流行りましたね。(遠い目)
| 固定リンク | 0
コメント
こんばんは。
私は国産も舶来も好きな博愛主義者です(笑)
名実ともに当時一流会社だったライカは仰る通りM3時代までがピークでしたね。以降はカメラもレンズも過去の栄光にしがみついたモノしかありません。近年に至っては下品極まりない印象です。日本人は革新的・革命的な発明はあまりしないものの、モノを昇華させるのは得意ですし、一番になっても何故か常に切迫感があって次々改良していきますよね。ライカがレンズ鏡胴やヘリコイドに「長期の使用に耐えるか分からないアルミは使わない」とか威張って言っている間に日本ではプラスチックのヘリコイドが開発されたりしてますから(笑)日本は柔軟性に富む設計者やエンジニアが昔からいるのだと思います。
投稿: 想桜 | 2015年6月15日 (月) 01時30分
想桜様、こんばんは。
最近ではくまモンとコラボのライカにますます終わり感を感じてしまいました。さらにこんな記事に笑ってしましましたが。http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/leica/20150526_703147.htmlなにが言いたいのでしょう、謎です。(笑)
投稿: よもかめ亭主 | 2015年6月16日 (火) 22時57分
再びこんにちは。
確認致しました。謎ですね(笑)
往年のライツファンでしたら、昨今のライカ社の動向について「叱り飛ばしたい」「怒りたい」「嘆く」「諦め」という感情を抱いていると思うのですが。
このライターの方はお若いのか、勉強不足なのか、お金をもらって書かされているのか…謎です(笑)
ただ、記事の中で気になったのは、MFのフローティング機構の組み込みが複雑で手間が掛かるので高価、みたいな事が書いてありましたが、一昔前のキャノンもオリンパスもニコンもMFレンズで普通に造ってましたよね。このライターさん、やっぱり勉強不足感は否めないです。しかも新しいレンズばっかり写ってます。そんな人に描写がウンヌン言う資格は無いと思います(笑)まっ、こういう人が今のライカ社を支えているのでしょうけど(笑)
投稿: 想桜 | 2015年6月17日 (水) 15時43分
想桜様、おはようございます。
ね、謎でしょ?というか、ライカ病に洗脳されて冷静に評価できなくなっている事にご本人が気がついていない感が文章から漂うのです。こういう人が教祖様になって次の信者を集めるからライカ教は続くのでしょうね、クワバラ、クワバラ(笑)
投稿: よもかめ亭主 | 2015年6月21日 (日) 08時15分