フォークソング考
小学5年生の時にラジオを買ってもらった、ラジカセではなく短波放送も入るナショナルワールドボーイ。
深夜放送はまだ聞いてなかったが、(子供だったので聞く前に寝てしまっていた)いろんな放送局を片っ端から聞くのが楽しかったのである。
ちょうどその頃ヒットしていたのが井上陽水さんの「夢の中へ」。よく聞いていたのは天地真理さんとか歌謡曲ばかりだったのでなんかチョット感じが違う曲だなと思ったのがフォークソングとの出会いである。
愛だの恋だのはまだ分からない年頃だったが、歌謡曲はそういう内容の歌のことだと思っていたところへ、「捜し物は何ですか~♪」と歌う曲に何だか違う世界を感じたのかもしれない。
フォークソングだって、愛や恋を歌った曲は山ほどあるけれど、もっと広がり感があるというか、それだけではないのがフォークソングなのかなぁと何となくその空気感は感じていたのだと思う。
中学生になると、友人の兄や姉の持っているレコードを聴かせてもらったり、あのころたくさんあったテレビの歌番組などを見るようになってどんどん音楽に対する守備範囲は広がっていった。
学校の音楽の先生がその当時としてはくだけた感じの人で、授業でカーペンターズやビートルズ、日本のフォークソングなどを取り上げてくれ、クラシック音楽でもポップスに編曲されてヒットした曲などを聞かせてくれた。
たぶん退屈な音楽の授業に何とか興味を持ってもらおうという気持ちだったのだと思う。いつもTシャツにジーンズで大学生のお姉さんのような先生で人気があった。
フォークソングをたくさん聴いたのもその頃だったと思う。先生がフォークギターを奏でて聞かせてくれたのも影響しているかもしれない。
フォークソングって演歌のように大人のいろんなしがらみを歌ったのでもなく、歌謡曲のように歌よりも歌っている芸能人の容姿が重要でもなく、もっと取っつきやすい音楽だと感じたのは先生のおかげだったかもしれない。
| 固定リンク | 0
コメント