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2014年11月27日 (木)

色街のかけら2

L14372blog
前回「赤線跡を歩く」という本に触発され、色街の残骸を探しながら歩き回ったことを書いた。
売春防止法が施行され色街が全廃した昭和三十三年にはまだ私は生まれていないし、赤線や遊郭、色街と呼ばれるところについての知識は、歴史の本や、当時の風俗を伝える写真や絵、映画でしか見たことがない。
つまりいくらそのような知識を得ようとも、街の本当のライブ感のところは、得た情報から想像したことで理解するしか方法がないのである。
しかし、人が消えても建物は残る。その当時の空気はわからなくても、かつての面影を残した建物は、わずかだが今も確かに現存するのである。
今は旅館や料亭などのほかの商売に変わったり、一般住宅として余生を送る建物だが、色街という場所柄、客を呼び込むために、当時の流行の最先端をゆくデザインや、スタイルで飾り立てられたと思われる部分が、所々残っている。
名の通った建築家が手がけたわけでもなく、重要文化財として保存される可能性も、まず無いであろうそれら建物に、モダンを感じてしまうのは、建物好きなら理解してくださると思う。
和洋折衷の建物あり、西洋の円形柱をまねた装飾やアーチあり、部分的にアールデコ様式をまねてみたり、タイルで幾何学模様にしてあったり、一般の建物とは明らかに周波数の違う装飾が、色街を形作る部品の、ひとつひとつだったのである。

L14340blog
前述の「赤線跡を歩く」に出会ってから、関西に残る色街跡もいろいろと訪ね歩いてみたが、今となっては一般住宅になっているところが多いので、個人的な建築物への興味で写真を撮らせて頂いても、ブログなどで掲載できないものが多く、文字通り「かけら」しかお伝えできない事をお断りしておく。
ともあれ、老朽化すれば、消え去るしかない色街のかけら特集はこの先も折に触れてお送りしたいと思っている。

L14364blog

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